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不動産コンサルティングマスター、不動産カウンセラー、宅地建物取引士、マンション管理士、マンション維持修繕技術者、マンションリフォームマネージャー、建築コスト管理士、建築設備総合管理士、建築物石綿含有建材調査資格者、一級建築施工管理士、英検1級、LEED GA  相互フォロー歓迎

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【読書ノート】『花咲か死者伝言』

『花咲か死者伝言』(『むかしむかしあるところに死体がありました』より) 青柳碧人著 『花咲か爺さん』のその後の話。 花咲か爺さんはやはり良い人で、お偉いさんからご褒美をもらっても、村に寄付してしまう。 ある日、そんな花咲か爺さんが、殺害される。 次郎と名づけられた犬が、推理する形で物語は展開する。 成功者は財産とどう付き合っていくべきかというのが、ある意味論点。多額の財産を手に入れることは、自己成長や人生の目標を達成するための道具にすぎず、財産を得たひとには、社会貢献を

    • 【読書ノート】『魔王の帰還』

      『魔王の帰還』(『スモールワールズ』より) 一穂ミチ著 鉄ニは、甲子園常連の名門高校に野球部の推薦で入っていたのだけど、同じ1年生で、パッとしない友人が、先輩から公然のリンチを受けていたところを目撃して、先輩らを叩きのめして、菜々子のいる高校に鳴物入りで転校してきた。 菜々子は、母親が再婚して、父親に犯されそうになって、抵抗して、逆に菜々子は父親を誘惑するから別居だとされてしまったため、やりマンと呼ばれるようになっていた。 真央は、銀ニよりも大きな、女性で、女子プロレス

      • 【読書ノート】『ハピネス』

        『ハピネス』 嶽本野ばら著 「私ね、後、一週間で死んじゃうの」 という言葉で物語は始まる。 彼女は余命宣告を受けて自らの運命を受け入れ、限られた時間を自分らしく生きることを決める。 「僕」は、彼女の望みを叶えるために、行動をともにする。 そして、ある寒い日の朝、彼女は「僕」のベッドで目覚めることのない眠りにつく。 物語の主題は何か? 限りある人生をどう生きるか?ということなのだろう。 人生には必ず終わりが来る。多くの人は、人間はいつか死ぬということを当然のことのよ

        • 【読書ノート】『護られなかった者たちへ』

          『護られなかった者たちへ』 中山七里著 東日本大震災の後、家族と離れ離れになったカンちゃんは、遠島けいのもとで、生活していた。そこに、同じく身寄りのない利根 勝久が一時、合流した。その後、利根は出稼ぎに出ていき、数年後、遠島けいを訪ねる。 遠島けいは、生活保護を受給できず、餓死してしまった。そして、利根 勝久は、福祉保健事務所の課長・三雲忠勝と城之内猛留を恨んでいた。 その三雲忠勝と城之内猛が、誘拐された後、餓死させられるという事件が、起こった。 物語の主題は何か?

        【読書ノート】『花咲か死者伝言』

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          【読書ノート】『さいはての彼女』

          『さいはての彼女』 原田マハ著 「最悪の事態に直面した時、1時間後に立ち直っている自分を想像できるか?それができる人は一年後、10年後、必ず成功する人です」 主人公・鈴木涼香が、聴覚障害のナギと出会い人生を再始動する物語。 涼香には辛い過去があった。その両親を見返してやろうと決意して、起業して、成功の道を進んで来たつもりだった中、信頼していたつもりでいたスタッフが、何人も辞めていく。 不本意ながら辿り着いた女満別で、ハーレーに乗ったナギと出会い、そのまま、ツーリングの

          【読書ノート】『さいはての彼女』

          【読書ノート】『水の輪』(『すいかの匂い』より)

          『水の輪』(『すいかの匂い』より) 江國香織著 夏のテーマが綴られた短編集。 自然に囲まれた新しい場所で暮らす主人公が、クマゼミの鳴き声に触れ、過ぎ去った7歳の夏の出来事をぼんやりと思い出す物語。 一見、よくわからない物語なので、キーワードを挙げてみる。 ①「水の輪」にはどんな意味があるか? 流れる水、澱んだ水、輪廻の中の水。水は癒しと蘇り、取り返しのつかない流れの象徴。多面的な意味に包まれた「水の輪」に注目。 ②まぶしさと眠たさ 外界からのまぶしさと内なる眠たさ。対

          【読書ノート】『水の輪』(『すいかの匂い』より)

          【読書ノート】『笑う月』

          『笑う月』 安部公房著 夢は私たちの内なる世界への窓。 安部公房の『笑う月』は、夢が人間の創造性と自己理解にとって不可欠であることを描いている。夢は、日常生活の制約から解放された場所であり、新しいアイデアや洞察が生まれる源でもある。 ①「夢」 自分の意識の外側から湧き出る情報やアイデアを受け取る場所であり、意識しない自由な状態での発想や想像が可能になる領域でもある。それゆえ、創造性や洞察力を高める手段として考えられる。夢の中での出来事やイメージは、意識の介在がないことで

          【読書ノート】『笑う月』

          【読書ノート】『踊り場の花子』(『ふちなしのかがみ』より)

          『踊り場の花子』(『ふちなしのかがみ』より) 辻村深月著 ホラー小説の短編集。 「幽霊を見る人は、それを見るだけの理由を持つ。目の前にあるのは、あなたを映す鏡である。」 相川英樹が担当するクラスに青井さゆりが、いた。ちようど、小谷チサ子が、教育実習生できたいた時だ。青井さゆりは、いじめられていた。そして、いつも学校の階段をひとり黙々と掃除していたのだった。 さゆりのことをいつも見守っていたのが、花子だった。さゆりは花子のことを憧れの薮内さん(登校拒否中)だと思って、ミ

          【読書ノート】『踊り場の花子』(『ふちなしのかがみ』より)

          【読書ノート】『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』

          『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』 町田その子著 「夏休みに入るちょっと前、近松晴子が、孵化した。」 という、よくわからない文章で物語は始まる。 近松晴子は、母親に捨てられ、祖母・烈子に育てられた。烈子は、常に晴子の味方で、いじめから守ってくれていた。晴子の同級生に 啓太(『カメルーンの青い魚』に登場する)がいた。晴子も啓太も片親という同じような辛さを抱えていたため、お互いに共感し合う存在となっていた。 晴子はいつも感情を内に秘め、静かな態度を保っていたが、ある日、彼女

          【読書ノート】『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』

          【読書ノート】『鬼ばばあ』(『つめたいよるに』より)

          『鬼ばばあ』(『つめたいよるに』より) 江國香織著 小学生の時夫と近所の養老院に住む老婆トキとの交流の物語。 近所の子供たちは、養老院の老人たちに近づかないようにしていた。 若い女の血を吸っているとか、養老院に潜り込んだ子どもはハンバーグにされてしまうという噂がまかり通っていた。 ある日、時夫が、川沿いの土手で、父親とキャッチボールをしていると、養老院の老婆に声をかけられる。老婆は、名前をトキと言って、名前が似ていることから時夫に親しみを持ってくれたのだった。 時夫は

          【読書ノート】『鬼ばばあ』(『つめたいよるに』より)

          【読書ノート】『三度目の殺人』

          『三度目の殺人』 是枝裕和著 三隅は、殺人の前科があった。その事実は彼の肩に重くのしかり、彼の日常を暗い影で覆っていた。出所後、彼は工場で働き、平穏な日々を送ろうとしていた。しかし、再び殺人の容疑がかけられることになる。 弁護士の重盛は、三隅の事件を担当する。死刑を回避するため、重盛はあらゆる手を尽くす。しかし、三隅の話は一貫しない。そして、死刑判決を受ける。 キーワード ①共感力 他者の感情や経験を理解し、自分自身の経験として共有する能力を指す。これは他者の視点や感情

          【読書ノート】『三度目の殺人』

          【読書ノート】『御伽の部屋』(『授乳』より)

          『御伽の部屋』(『授乳』より) 村田沙耶香著 村田沙耶香ワールド全開のシュールな物語。主人公の佐々木ゆきの幼少期と現在の中性的な男子との出逢いの物語。 「御伽の部屋」というタイトルは? 現実と非現実の境界や想像力の領域を表す。この言葉は、日常の枠組みを超えた空間や出来事を指し、人間の知識や認識の限界を超えるような領域を示唆する。 物語の主題は何か? 男女差別のない世界、男女平等の世界を真っ当に生きるということは、ノンセクシュアルとかバイセクシュアルみたいな考え方が、正解

          【読書ノート】『御伽の部屋』(『授乳』より)

          【読書ノート】『夫とUFO』(『我が家の問題』より)

          『夫とUFO』(『我が家の問題』より) 奥田英朗著 夫が、自らにはUFOが姿を見せ、それらと交信していると告げてきた瞬間から、この物語は始まる。 夫は、決して新興宗教にはまらず、しかし、心からUFOとの対話を信じ込んでいるようだ。 私(妻)は、かつての同僚から会社の内情を聞いてみたところ、様々な問題が明らかになってきた。 キーワードを挙げてみる。 ①UFOの目撃 未知の存在や現象に直面することで、ひとは従来の考え方を超え、新たな視点を得ることができる。 宇宙の謎や

          【読書ノート】『夫とUFO』(『我が家の問題』より)

          【読書ノート】『ある閉ざされた雪の山荘で』

          『ある閉ざされた雪の山荘で』 東野圭吾著 今年は、映画もあって、けっこう話題になった作品なので、積読状態だったのだけど、ようやく読むことができた。 7人の俳優が、最終オーディションとして、雪に閉ざされた山荘に集められる。山荘で起こる事件を解決する課題が与えられている。 密室の中、次々と、メンバーが姿を消していく。アガサクリスティーの『そして、誰もいなくなった』を思い起こさせられた。 俳優とはなにか? 演劇や芸術を通じて他人の役を演じる人。役者は自分と他人や現実と架空の

          【読書ノート】『ある閉ざされた雪の山荘で』

          【読書ノート】『思い出エレベーター』(『時ひらく』)

          『思い出エレベーター』(『時ひらく』) 辻村深月著 本書は6編からなるデパートアンソロジー。本作品(『思い出エレベーター』)は、辻村深月さんが担当。 日本橋三越を舞台にした物語。 デパートというのは、幸せの象徴のような場所だ。 物語に登場する一家は、日本橋三越。一家の思い出の場所。何となく、暖かく、ほろ苦い気持ちにさせられる。 デパートのエレベーターは、懐かしい思い出を呼び起こす。昔、子どもの頃にデパートで過ごした楽しい瞬間が蘇る。吹き抜けの店舗を昇降するエレベータ

          【読書ノート】『思い出エレベーター』(『時ひらく』)

          【読書ノート】『真珠星スピカ』(『夜に星を放つ』より)

          『真珠星スピカ』(『夜に星を放つ』より) 窪美澄著 高校生のみちるは2ヶ月前に亡くなった母の霊を見る。母親は、言葉を発することはできないものの、表情や身振りで、みちるにアドバイスをしてくれるのだ。 ある日、みちるは、いじめっ子たちに捕まって、学校の屋上に連行されて、みちるに取り憑いている悪霊を除霊すると言ってコックリさんを始める。コックリさんからのメッセージは、 「い、し、め、た、ら、の、ろ、う」という言葉だった。以降、いじめは収まった。そして、母の霊も現れなくなった。

          【読書ノート】『真珠星スピカ』(『夜に星を放つ』より)