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不動産コンサルティングマスター、不動産カウンセラー、宅地建物取引士、マンション管理士、マンション維持修繕技術者、マンションリフォームマネージャー、建築コスト管理士、建築設備総合管理士、建築物石綿含有建材調査資格者、一級建築施工管理士、英検1級、LEED GA  相互フォロー歓迎

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『天使の耳』

『天使の耳』 東野圭吾著 女性には、直感が、優れているひとが多いように思うのだけど、盲目な女性は、視覚以外の感覚、聴力や状況認識力や直感力が研ぎ澄まされていたりするのかもしれない。 深夜ラジオが流れている時、片側二車線の商店街の交差点で、黒い外車と軽自動車の事故があった。 外車はほぼ無傷だったのだけど、軽自動車は、ぐしゃぐしゃで運転手は瀕死の重症。外車は、若い男女のカップルが乗っていて、自分たちは、青信号を見て走っていたら、軽自動車が突っ込んできたのだと主張する。周囲には

    • 『水曜日が消えた』

      『水曜日が消えた』 本田壱成著 一つの身体に宿った“七人の僕”。曜日ごとに切り替わる人格のうち火曜日を担当するのが、「僕」だ。 ある朝目覚めると「僕」は、水曜日にいた。 以下の要点をまとめる。 ひとは、与えられている時間の中で自分のアイデンティティを認識する。火曜日の「僕」にとって、あくる日は、翌週の火曜日なのであって、「僕」にとって、他の曜日は、認識できない状態だった。 偶然にも水曜日を体験した火曜日の「僕」は、図書館に行って、図書館の職員の女性に恋する。水曜日という

      • 【読書ノート】『お花畑自身』(『愛の夢とか』より)

        『お花畑自身』(『愛の夢とか』より) 川上未映子著 この短編集は、何かを失うということが、一連のテーマになっているのだけど、この作品は、夫の事業の失敗で、庭付きの戸建て住宅を失うことになった五十代後半の主婦の物語。 キーワードとして、 ①「お花畑」とは? 何も考えていなくてめでたい人、楽観的で平和な考え方を持っている人、ふわふわしていて天然ぽい人を指す。そうは言っても、良い意味で使われているわけではない。楽観的な考え方をしている人や、常に「なんとかなるだろう」と考えながら

        • 【読書ノート】『僕が愛したすべての君へ』

          『僕が愛したすべての君へ』 乙野四方字著 人々は、パラレルワールド間を日常的に移動(パラレルシフト)していることが実証された世界の物語。主人公は、両親の離婚を経て母親と暮らすことを選択した高崎暦(たかさき・こよみ)。暦自身は『君を愛したひとりの僕へ』の暦なのだけどね。ある日クラスメートの瀧川和音(たきがわ・かずね)に声をかけられる。 本書は、暦と和音の恋愛物語。二人は、お互いが、不可抗力で、パラレルシフトする世界に生きているわけで、その辺の感覚はなかなか訳がわからないのだ

        『天使の耳』

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          【読書ノート】『サイリウム』(『家族シアター』より)

          『サイリウム』(『家族シアター』より) 辻村深月著 ビジュアル系バンドに夢中な姉とアイドルにはまる弟が、お互いの趣味を理解できず、お互いをオタクだとして、バカにしあっている。ところが、ある出来事を通じてお互いの価値観を尊重し合うようになるという話。 物語の主題は何か、本短編集は共通して、家族がテーマ。表面上姉弟ケンカはあるのだけど、深いところでは、お互いのことを心配し合っているということ。 サイリウムというのは、ライブやイベントで使用される光る道具の一種。化学反応によっ

          【読書ノート】『サイリウム』(『家族シアター』より)

          【読書ノート】『愛の彼方の不変の死』

          『愛の彼方の不変の死』 ガルシア・マルケス著 上院議員オネシモ・サンチェスが死を控えた状況で、彼の人生を変える女性と出会う物語。彼は医者から死を宣告された後、生きる意欲を失い、自らの運命に対する怒りや涙を経験する。 主な登場人物の名前が意味すること ①オネシモ・サンチェス キリスト教の観点から見ると、変化と成長、そして奉仕の精神を象徴する人物像であると考えられる。オネシモは新約聖書に登場する人物で、「役に立つもの」という意味を持ち、奴隷から解放されて宣教者、さらにはエフ

          【読書ノート】『愛の彼方の不変の死』

          『泥濘』(『檸檬』より)

          『泥濘』(『檸檬』より) 梶井基次郎著 主人公の奎吉は、実家から送られてきた為替を現金に替えるため、雪の中、本郷に向かうところから、物語は始まる。

本郷への道のりは、泥の沼にでもはまっているかのようで、嫌な妄想が不意に「自分」の頭を擡もたげてくる。そして、妄想は「自分」を弱く惨みじめにする。 泥濘(でいねい)とは? 雨や雪解けなどで地面がぬかっている状態を指す。人生の困難や苦悩、精神的な停滞や混乱を表しているのだと理解した。人が障害や試練に直面した時、そしてそれらを乗り

          『泥濘』(『檸檬』より)

          【読書ノート】『的になった七未』(『木になった亜沙』より)

          『的になった七未』(『木になった亜沙』より) 今村夏子著 七未には、どういうわけだか、特殊な能力がある。幼稚園の頃、どんぐりを投げられても、七未にだけは、当たらない。小学校で、ドッチボールをしても、七未だけは、当てられない。いつも、まわりのひとたちの標的にされてしまうため、逃げ回るという人生を歩んでいた。 なかなか、よくわからない今村夏子ワールドの物語なのだけとね。 キーワードを挙げてみる。 ①「的になる」 一般的には「焦点となる」や「注目される」といった意味で使われ

          【読書ノート】『的になった七未』(『木になった亜沙』より)

          【読書ノート】『冬越しのさくら』(『ぎよらん』より)

          『冬越しのさくら』(『ぎよらん』より) 町田その子著 女性の葬儀ディレクターの相原は、仕事中毒のように、仕事に打ち込む。相原が中学2年の頃、母親が、他界し、その葬儀を取り仕切ってくれた、作本というベテランの葬儀ディレクターに出会ったことが、相原が、葬儀屋に就職するきっかけとなっていた。 そんな、作本が、亡くなり、相原は葬儀を準備するというところから、物語は始まる。 "冬越しのさくら"とは? 春の訪れと共に咲き誇る桜の花が、冬の寒さを乗り越えて再び花開くことから、"復活"

          【読書ノート】『冬越しのさくら』(『ぎよらん』より)

          【読書ノート】『夜が明けたらいちばんに君に会いにいく』

          『夜が明けたらいちばんに君に会いにいく』 汐見夏樹著 幼少期のトラウマで、自己主張することをやめた茜。そんな茜の本来の姿を見抜いている青磁は、茜のことを「嫌いだ」とはっきり言うところから物語は始まる。 実は、茜は、人前ではマスクを外すことができない。マスク中毒の症状がある。自分の本心を隠さなければならないと思ってしまう闇を抱えていた。コロナ前の作品で、マスクがさほど一般的ではなかったわけで、現代の感覚とは多少異なるのだけどね。 コロナの時に、WEB会議をしている時でも、

          【読書ノート】『夜が明けたらいちばんに君に会いにいく』

          【読書ノート】『蜂蜜パイ』(『神の子どもたちはみな踊る』より)

          『蜂蜜パイ』(『神の子どもたちはみな踊る』より) 村上春樹著 純平は36歳で短編小説を書く作家。ある日、純平は、大学の頃からの友達で、一人で子育てをしている小夜子から家に呼ばれる。小夜子の家には、5歳の沙羅がいて、神戸の地震があってから毎晩、怖い夢を見て困っていた。その夢では、「地震男」というおじさんが沙羅を小さな箱に入れようとするのだという。 なかなか、よくわからないので、 いくつか、キーワードを挙げてみる。 ①熊 好奇心、洞察力、癒し、そして、権威の象徴とされている

          【読書ノート】『蜂蜜パイ』(『神の子どもたちはみな踊る』より)

          【読書ノート】『夜明けのすべて』

          『夜明けのすべて』 瀬尾まいこ著 PMSで苦しむ美紗とパニック障害の山添の二人が、アットホームな町工場という職場で出会い、お互いを思いやりながら、少しずつ回復していくという物語。 何とも、良い人しかいなくて、非常に暖かい物語。 昔、お局さんみたいなおっかない女性が、派遣の人でいたのだけど、その人は、いま、思えばPMSだったのだろうなあみたいなことを考えながら読んだ。 知人で、パニック障害を患っていたひとがいたけど、、私と一緒の時はほとんど症状が出なかったからあまりわか

          【読書ノート】『夜明けのすべて』

          【読書ノート】『親友の心得』(『ツナグ』より)

          『親友の心得』(『ツナグ』より) 辻村深月著 主人公(私=嵐美砂)には、自分のことをいつも持ち上げてくれる演劇部の友人美園奈津がいた。 高校2年生の秋、三島由紀夫の『鹿鳴館』という演劇の主役のオーディションが、あった。私は当然自分が主役だと確信していたのだけど、どういうわけか、美園が主役に立候補したのだった。私には、その態度が許せなかった。えんげきでは、私には敵わないといつも言っておきながら、抜け駆けのように立候補して、私に敵対してくるということが。 力みすぎた私は、オー

          【読書ノート】『親友の心得』(『ツナグ』より)

          【読書ノート】『スパイの妻』

          『スパイの妻』 行成薫著 物語の時代背景 太平洋戦争前夜の日本。街中を軍人が闊歩し、国民生活が、少しずつ制約を受けはじめた時代。 福原聡子は神戸で貿易会社を営む夫・優作と幸せな日々を過ごしていた。そんなある日、優作は、甥・竹下文雄と満州に出張する。そして、満州で、草壁弘子と言う看護師から重大な機密情報を知らされる。日本軍は細菌兵器としてペストを使った人体実験を行っていたという。優作は、コスモポリタンであることを自認していて、日本軍が満州で行っている人体実験を止めなければな

          【読書ノート】『スパイの妻』

          【読書ノート】『ネオンテトラ』(『スモールワールズ』より)

          『ネオンテトラ』(『スモールワールズ』より) 一穂ミチ著 評判が良い物語なので長いこと積読状態だったのだけど、ようやく読むことができた。 主人公(美和)は、30歳で、モデルをやっている。なかなか子どもが産まれず、夫(貴史)は、頻繁に浮気をする。住んでいるマンションでは、ネオンテトラを飼っている。そして、時々姪っ子の有紗が訪ねてくる。 ある日、マンションのベランダで立っていると向かいのマンションで親からものすごい剣幕で怒鳴り散らされている少年を見た。彼は、有紗の同級生で笙

          【読書ノート】『ネオンテトラ』(『スモールワールズ』より)

          【読書ノート】『夏の灯』(『ギフト』より)

          『夏の灯』(『ギフト』より) 原田マハ著 数ページの短い小説。 編集プロダクションという自分の好きな仕事に就いている彼は、仕事が忙しくて、なかなかデートが、出来ない。デートしたとしても、徹夜明けだったりして、デートにならないことが多かった。 そんなことの埋め合わせをしようと彼がある演出を考える。 キーワードを挙げてみる。 ①蛍≒夏の灯 日本では、蛍はしばしば霊魂や再生の象徴とされいる。平安時代以降、蛍は美しさや恋愛成就の象徴としても見られるようになる。 蛍の光が一時的

          【読書ノート】『夏の灯』(『ギフト』より)