【読書ノート】『ある閉ざされた雪の山荘で』
『ある閉ざされた雪の山荘で』
東野圭吾著
今年は、映画もあって、けっこう話題になった作品なので、積読状態だったのだけど、ようやく読むことができた。
7人の俳優が、最終オーディションとして、雪に閉ざされた山荘に集められる。山荘で起こる事件を解決する課題が与えられている。
密室の中、次々と、メンバーが姿を消していく。アガサクリスティーの『そして、誰もいなくなった』を思い起こさせられた。
俳優とはなにか?
演劇や芸術を通じて他人の役を演じる人。役者は自分と他人や現実と架空の世界の違いをぼかして表現する。役者は他人の姿になりきることで、観客に新しい考え方や感情を伝えたり、人間の複雑な心情や社会の問題を表現する。役者の存在は、演劇や芸術を通じて現実とフィクションが交差する場であり、観客と情報を共有しながらさまざまな考え方や価値観を模索する場となる。また、役者は他人の役を演じることで、自己のアイデンティティや存在意義を見出す。
物語の主題は何か?
一言で言えば、人生とは何か?
人生は演じるものである。人生は舞台であり、ひとはその中で様々な役が与えられ、様々な役割を演じている。時には喜びや悲しみ、挑戦や成長など、さまざまな役どころを演じることで、自分自身や周りの人々との関係を深め、新たな経験を積む。
また、人生を演じているのだと考えると、自分の行動や選択が物語の展開にどんな影響を与えるかという客観的な視点で自分を見つめることができるのだと思う。自分がどんな役を演じるか、どんなストーリーを紡いでいくかは自分次第であり、その選択が人生の意味や方向を決定づける。
したがって、人生を演じると捉えることで、自分の成長や人間関係、価値観の形成などに新たな視点を持つことができるということ。演劇の世界で役者が役を演じるように、人生の舞台で自分自身の役を演じることは、幸せな時間なのだと理解した。
映画も見たのだけど、小説とはだいぶ違うエンディングで、かなり、平和だった。