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週刊少年松山洋

家庭用ゲームソフト開発を行うゲーム会社・株式会社サイバーコネクトツー代表取締役・松山洋の継続課金マガジン。ゲーム・漫画・アニメ・映画などエンターテインメント業界の話を中心に毎週記… もっと読む
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2018年4月の記事一覧

正しいだけじゃ不十分な世界

正しいだけじゃ不十分な世界

これはSNSでよく見る出来事の話ですが。

例えば写真を撮ってツイッターにアップした時に、全く意図していない範囲にたまたま街行く人の顔が小さく写ったりしていて、それを見た人たちが一斉に

“おい、人の顔が写ってるぞ!”

“お前の会社のネットリテラシーはどうなってんだ!?”

“この写ってる人にお前は確認を取ったのか?”

“こんな奴が会社の代表やってるからお前の会社は駄目なんだよ!クズが!”

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第22号『るろうに剣心』和月伸宏が帰ってくる

第22号『るろうに剣心』和月伸宏が帰ってくる

6月4日発売のジャンプスクエア7月号で『るろうに剣心 −明治剣客浪漫譚・北海道編−』連載再開というニュースがようやく出ました。

待ってました。

剣心の最後の闘いの続きがようやく読めます。

私としてはそもそも1999年に少年ジャンプで連載を終えたときに“え?なんで終わるの?「剣心、お疲れ様」じゃないでしょ?北に向かった宗次郎は?安慈も北海道の集治監に服役してて、不二も北海道の屯田兵になってるっ

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第21号『ゲーム業界=対任天堂弱者連合』

第21号『ゲーム業界=対任天堂弱者連合』

ずいぶんと過激なタイトルをつけてしまいましたが。

これは“ある人”がかつて発言の中で表現していた言葉。

「このゲーム業界っていうのは正確には“任天堂とゲーム業界”に分かれていて、任天堂以外の全てのゲームメーカーは【対任天堂弱者連合】なんですよ」

この【対任天堂弱者連合】という言葉が私の頭の中にもう10年以上もこびりついて離れない。

そして今も日々この業界で仕事をしながら“ああ、本当にそうな

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第20号『セプテントリオンからの使者』天才・芝村裕吏という男

第20号『セプテントリオンからの使者』天才・芝村裕吏という男

芝村裕吏は同じゲーム業界で活躍するゲームデザイナーの一人。

かつては熊本のアルファ・システムという会社に所属していて『高機動幻想ガンパレード・マーチ』を開発して、その後バンダイの子会社ベック(現B・Bスタジオ)に移籍して、現在はフリーのゲームデザイナーとして活躍。

漫画『マージナル・オペレーション』の原作を手掛けています。

私は実は芝村裕吏とは付き合いが長く、アルファ・システムが同じ九州の熊

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第19号『佐渡島庸平に負けたくない』

第19号『佐渡島庸平に負けたくない』

佐渡島庸平という人物がいます。

株式会社コルクという会社の代表取締役社長。

お仕事は漫画や本の編集。

代表(編集)作品は『インベスターZ』『宇宙兄弟』『オチビサン』『テンプリズム』『鼻下長紳士回顧録』『マチネの終わりに』など。

もともとは講談社のモーニング編集部の社員で三田紀房の『ドラゴン桜』を立ち上げ、小山宙哉の『宇宙兄弟』を立ち上げたヒットメーカー編集者。

2012年に講談社を退社し

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日本国内のPCゲームの優先順位はどうなっているか

日本国内のPCゲームの優先順位はどうなっているか

“日本のゲームメーカーにおけるPCゲームへの優先順位はどうなっているのでしょうか?世界はどんどんSTEAMなどのPCゲームサービスが拡大していっているのに、日本のメーカーは出遅れていたり、対応言語が少なかったり、もしくは値段設定そのものが日本だけ高額に設定されていたりと、日本国内のPCゲーマーが非常に冷遇されているように感じています。なぜでしょうか?”

という質問をいただきました。

ズバリお答

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売れたら頑張ります!という人達

売れたら頑張ります!という人達

漫画家、漫画原作者、小説家、本を書いている人達、そしてゲームクリエイター。

この世界には様々なクリエイターが存在します。

また同時にそれを支える人達も存在します。

漫画家や小説家にとっては出版社の編集担当者。

ゲームクリエイターにとってはメーカーの担当プロデューサーがきっとそれにあたります。

作り手である漫画家や小説家、ゲームクリエイターは日々“モノ作り”の過程において様々な局面でそれぞ

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第16号『ジョセフ・ジョースター!きさま!見ているなッ!』

第16号『ジョセフ・ジョースター!きさま!見ているなッ!』

私はありとあらゆるSNSをやっています。

ツイッター・フェイスブック・インスタグラム。

もちろん、それだけじゃなくて

ブログ『絶望禁止』*最近は更新してませんね

漫画のレビュー連載『マンガ新聞』

そして、このnote『週刊少年松山洋』

自分でもいろいろやりすぎだなぁ、とは思いつつも。

本当になんでも行動しないと始まらないし、私よりも色々もっとやってる人だっている。

とにかくやる。

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家庭用ゲームにおけるDLC問題

家庭用ゲームにおけるDLC問題

“本来100%の商品(ゲームソフト)に対して、120%にするものがDLCだと思うのですが、最近のゲームタイトルでは50%の物量や完成度でパッケージ版を販売して、それ(不足分)をあとからDLCで補うということがあるように感じます。個人的には100%完成してから発売すればいいのに、と思ってしまうのですがどう考えてますか?”

という質問をいただきました。

(コメント欄で質問をいただいた時にはずばり『

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家庭用ゲームの開発予算の実情とその反応

家庭用ゲームの開発予算の実情とその反応

以前の記事で“1本のゲームソフトを開発するのに10億円は必要”ってお伝えしました。

これはもちろん私の周りの肌感覚の話です。

だいたい私の周りで家庭用ゲームビジネスをやっている人たちと話をしている感覚でそう感じていることです。

これがまた不思議なものでして。

その記事『準備号②』『準備号⑥』の公開以降、様々なゲーム業界関係者から意見をいただきました。

“そんな予算じゃ足りねーよ”

“今

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大好きなゲーム作品を応援するために出来ること

大好きなゲーム作品を応援するために出来ること

“ゲームソフトのクリア率を上げると続編や新作への足掛かりになりますか?”

という質問をいただきました。

続編や新作へ繋がるのはあくまで売上です。(新品の売上です)

では、クリア率が高くなっても続編や新作への足掛かりにならないか?と言われると必ずしもそうではありません。

メーカーが続編や新作を検討する時にはもちろん売り上げが最優先されますが、クリア率が高いとそれだけ熱狂的な作品愛をもったお客

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第12号『おめえ、誰だよ!?』が口癖の男

第12号『おめえ、誰だよ!?』が口癖の男

その男と出会ったのはもう20年くらい前。

まあ、年齢も同じ歳でゲーム業界に入ったのもほぼ同じタイミングなので。

ずっとなんとなく意識してました。

ちなみに私は今、47歳。

1970年生まれ。

ヒントを出しておくと、ゲーム業界には私と同じ年のクリエイターが実に多い。

知ってる限りで羅列すると。

桜井政博(『星のカービィ』『大乱闘スマッシュブラザーズ』)

竹内潤(『ロストプラネット』『

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『声なき大衆 サイレント・マジョリティー』は静かに発動する

『声なき大衆 サイレント・マジョリティー』は静かに発動する

第10号の反響がすごいですね。

誰もがわかる=共感できる記事が拡散して読まれる傾向にありますね。

いや、当たり前っちゃそうなのですが。

記事を書く私としてはもっと読者が知らない=新発見できるような有意義な情報も発進していきたいって思っていたりするのです。

まあ、両方を織り交ぜつつやっていきますね。

リクエストや質問はコメント欄にお願いします。

*****

さて、今回は第10号でもお伝

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