おかし市役所ドーナッツ係長

元大道芸人で、現在某政令指定都市に勤務し、ドーナッツを愛する地方公務員です。社会や街を…

おかし市役所ドーナッツ係長

元大道芸人で、現在某政令指定都市に勤務し、ドーナッツを愛する地方公務員です。社会や街を楽しくする術、公務員がワクワク働ける方法を研究&実践中。目標は二地域居住。国家資格キャリアコンサルタント/某大学院の研究員/地方行政実務学会会員/日本ファシリテーション協会会員

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記事一覧

【安易なマネは逆効果!】侍JAPAN栗山監督の高度なコミュニケーション術

侍JAPANが2023WBCで優勝してから、栗山英樹監督の評価が一層高まり、そのマネジメント術や人柄に注目が集まっている。テレビへの出演や特集番組の放送はもとより、2019年に…

すべての強者は弱者になる ~上野千鶴子氏の東大祝辞の続きに驚いた話~

NHKの「最後の講義」という番組が好きで、毎回放送されるときは録画して観ている。「もし今日が人生最後の講義だとしたら、何を伝えたいか…」をテーマに各界の第一人者が…

心は「整える」ものでなく「整う」もの ~初めての座禅体験記~

先日、生まれて初めて鎌倉の寺で座禅体験をした。こうしたストイックな世界には縁遠く、座禅も一度はしてみたいと漠然と思いつつ、なかなかに高いハードルを感じながら今ま…

第20回 国家資格キャリアコンサルタント試験 合格体験記

国家資格キャリアコンサルタントの試験に合格した。想像以上に大変だった。合格率と実感がマッチしない、油断厳禁の国家試験。正直、勉強を開始した頃に知っていたら良かっ…

「2121年 Futures In-Sight」展は、感性が揺さぶられる心地よさを体感できる稀有な展覧会だった

今から100年後の世界はどのようになっているのだろうか。東京ミッドタウン(21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2)で開催中の「2121年 Futures In-Sight」展はその感性を大い…

協働・共創の地域づくりには「関係性」の向上が不可欠だ

企業と行政の地域づくりのトレンドは変わりつつある 社会貢献とビジネスの関係を捉える言葉として、企業では「CSR」ではなく「CSV」というキーワードが使われることが多く…

仕事に感情を持ち込め! ~グラフィックファシリテーションは職場や地域でこそ活用できる~

感性の時代が来ている?「仕事に感情を持ち込むな」というのが定説だ。個人の好き嫌いや、やりたい・やりたくないで仕事をしては組織にとって有益ではなくなる。これがいま…

2021年 心を揺さぶられた言葉3選

2021年は仕事を通じて出会った人から心を揺さぶられることが多かった。激動のご時世だからこそ、私自身も一旦立ち止まって本来の生き方、考え方、仕事の仕方を考え直す機会…

自治体のイベント成功ノウハウを探ってみた ~市役所アップデート講座×プロジェクトマネジメント~

勉強したい!成長したい!新しい知識を身に着けたい! 残念ながらそんな意欲に満ちた市役所職員はそう多くない。無理もない。日々の業務に追われ、そのタスクをこなすだけ…

すごい若者に言えることなんて何もない!…から心がけていること

「地方公務員をやっていて良かった」と心から思えることの一つは、地域に住んでいる面白い人、情熱を持った人と出会えた時。こういう時、この人たちに「住んでいて良かった…

東京2020オリンピックから学んだ 仕事に生かせるヒント5選

東京2020オリンピックが幕を閉じた。今大会の開催自体が賛否両論あったことは事実だが、それとは別に多くの感動と涙が生まれたこともまた事実。アスリートが信じられな…

「仕事を楽しむ」ためにオススメしたい実践メソッド

「何だかいつも楽しそうですよね。」「どうやったら楽しんで仕事ができますか。」そのように言われることが増えてきた。既に研究では「幸福度の高い社員はそうでない社員に…

新人職員に勝手にオリジナル研修をやってみた話(2年目)

新人の職員が今本当に必要だと思っている研修を提供したい。そんな思いで勝手に始めたオリジナル研修は今年で2年目を迎えた。こんな企画を思い立ったのは新型コロナがあっ…

自治体職員の視点から「ワクチンロス防止を目的に市長や職員が優先接種していいのか問題」を考える

「ずるい。自分たちだけ職権乱用している」「市長なら先に打ってもいいだろ」「市長がコロナになったら対応が後手になるだろ」「市長がコロナにかかっても職員がいれば仕事…

役所で職員が輝くために必要な要素とは

個人が組織に合わせる時代は終わり、これからは組織が個人に合わせる時代だ、と言われる。本当は、個人が自らの能力を最大限に発揮し成長しながら、組織としての成果を最大…

地方自治体のコロナ対応はどうすべき? 調査から見えたこと、考えたこと

新型コロナを踏まえ、地方自治体は何をすればいいのか。昨年夏にウェブを使ったアンケート調査を行い、そのレポートを学会誌に掲載いただいた。個人的には学会誌への掲載は…

【安易なマネは逆効果!】侍JAPAN栗山監督の高度なコミュニケーション術

【安易なマネは逆効果!】侍JAPAN栗山監督の高度なコミュニケーション術

侍JAPANが2023WBCで優勝してから、栗山英樹監督の評価が一層高まり、そのマネジメント術や人柄に注目が集まっている。テレビへの出演や特集番組の放送はもとより、2019年に発売された著書『栗山ノート』は追加の大幅重版の結果、累計10万部を記録した。世間では「上司にしたい有名人」と言われ、一躍時の人になった。巷では「栗山監督に学ぶマネジメント術」のようなネット記事も散見されるが、正直、安易なマネ

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すべての強者は弱者になる ~上野千鶴子氏の東大祝辞の続きに驚いた話~

すべての強者は弱者になる ~上野千鶴子氏の東大祝辞の続きに驚いた話~

NHKの「最後の講義」という番組が好きで、毎回放送されるときは録画して観ている。「もし今日が人生最後の講義だとしたら、何を伝えたいか…」をテーマに各界の第一人者がメッセージを送る番組。これまでの講師は福岡伸一氏、みうらじゅん氏、西原理恵子氏、出口治明氏などで、毎回感動しながら自分自身の生き方を問い直す機会になっている。先日、上野千鶴子氏が講師の回を視聴したときのこと。賛否両論を巻き起こした2019

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心は「整える」ものでなく「整う」もの ~初めての座禅体験記~

心は「整える」ものでなく「整う」もの ~初めての座禅体験記~

先日、生まれて初めて鎌倉の寺で座禅体験をした。こうしたストイックな世界には縁遠く、座禅も一度はしてみたいと漠然と思いつつ、なかなかに高いハードルを感じながら今まで過ごしてきた。今回も誘いに乗っかった形での初体験。結論から言えば、想像よりはるかに良かった。また行きたいし、ポイントをつかめば寺に行かずとも家でもどこでもできるものだとわかった。何より、心は「整える」ものではなく、「整う」ものだと体感でき

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第20回 国家資格キャリアコンサルタント試験 合格体験記

第20回 国家資格キャリアコンサルタント試験 合格体験記

国家資格キャリアコンサルタントの試験に合格した。想像以上に大変だった。合格率と実感がマッチしない、油断厳禁の国家試験。正直、勉強を開始した頃に知っていたら良かったのになぁと思うことも多かった。そこでこの記事では、これから勉強を始める方、今勉強中の方への参考になればと願いを込めて、養成講座ではあまり教えてくれないことを中心に、合格体験記として私が行った試験対策方法や気づきをまとめていこうと思う。もち

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「2121年 Futures In-Sight」展は、感性が揺さぶられる心地よさを体感できる稀有な展覧会だった

「2121年 Futures In-Sight」展は、感性が揺さぶられる心地よさを体感できる稀有な展覧会だった

今から100年後の世界はどのようになっているのだろうか。東京ミッドタウン(21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2)で開催中の「2121年 Futures In-Sight」展はその感性を大いに揺さぶってくる。展示会場の中に無数に散りばめられた言葉を人に話したくなるし、「何が刺さった?」と周りに聞き合いたくなる。私が行った際には、会場内で議論をしているカップル2組とすれ違った。「だか

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協働・共創の地域づくりには「関係性」の向上が不可欠だ

協働・共創の地域づくりには「関係性」の向上が不可欠だ

企業と行政の地域づくりのトレンドは変わりつつある

社会貢献とビジネスの関係を捉える言葉として、企業では「CSR」ではなく「CSV」というキーワードが使われることが多くなった。CSRは「企業の社会的責任」などと訳され、経済的に儲けているのだから社会にもその稼ぎの一部を寄付してね、というニュアンスで用いられることが多かった。ヨーロッパからアメリカ経由で輸入された富裕者の義務のような考え方。その点、C

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仕事に感情を持ち込め! ~グラフィックファシリテーションは職場や地域でこそ活用できる~

仕事に感情を持ち込め! ~グラフィックファシリテーションは職場や地域でこそ活用できる~

感性の時代が来ている?「仕事に感情を持ち込むな」というのが定説だ。個人の好き嫌いや、やりたい・やりたくないで仕事をしては組織にとって有益ではなくなる。これがいままでの仕事観だった。組織の中に個人があるという考え方。でも、これが大きく音を立てて変わろうとしている。組織から個人へと主体が移り、個人がどうあるのかが問われる時代と言われる。個人としての専門性を磨き、自分らしさや個性を発揮し、会社に依存しな

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2021年 心を揺さぶられた言葉3選

2021年 心を揺さぶられた言葉3選

2021年は仕事を通じて出会った人から心を揺さぶられることが多かった。激動のご時世だからこそ、私自身も一旦立ち止まって本来の生き方、考え方、仕事の仕方を考え直す機会が増えた気がする。糸井重里さんは「自分より面白そうな人に会いに行け」と言っているが、自分より面白そうな人と話しているとハッとさせられることが少なくない。今回は年の瀬に、2021年に個人的に心を揺さぶられた言葉3選を共有したい。

1.「

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自治体のイベント成功ノウハウを探ってみた ~市役所アップデート講座×プロジェクトマネジメント~

自治体のイベント成功ノウハウを探ってみた ~市役所アップデート講座×プロジェクトマネジメント~

勉強したい!成長したい!新しい知識を身に着けたい! 残念ながらそんな意欲に満ちた市役所職員はそう多くない。無理もない。日々の業務に追われ、そのタスクをこなすだけで精いっぱい。プライベートだって大事にしたい。それを犠牲にして勉強したところで、給料が上がるわけではない。このような風潮は市役所に限らない。パーソル総研のデータによれば、日本は「勤務先以外での学習や自己研鑽活動」を全く行っていない率が46.

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すごい若者に言えることなんて何もない!…から心がけていること

すごい若者に言えることなんて何もない!…から心がけていること

「地方公務員をやっていて良かった」と心から思えることの一つは、地域に住んでいる面白い人、情熱を持った人と出会えた時。こういう時、この人たちに「住んでいて良かった」と言ってもらえるように全力を尽くそうと心から思える。それに加えて、将来が楽しみな子どもや志の高い若者と話したときは、大人としての責任感も加わって一層テンションが上がる。いや、責任感など感じる前に、実際は純粋にうれしく、幸せな気持ちで満ち溢

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東京2020オリンピックから学んだ 仕事に生かせるヒント5選

東京2020オリンピックから学んだ 仕事に生かせるヒント5選

東京2020オリンピックが幕を閉じた。今大会の開催自体が賛否両論あったことは事実だが、それとは別に多くの感動と涙が生まれたこともまた事実。アスリートが信じられないレベルの強度で鍛えていることを垣間見た自分は、心が揺さぶられながら様々な仕事に生かせそうなヒントを学ぶことができた。今回は東京2020オリンピックから学んだ気づきを書き留めておきたい。

ヒント1: 敗れ去った「金メダル間違いなし」選手か

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「仕事を楽しむ」ためにオススメしたい実践メソッド

「仕事を楽しむ」ためにオススメしたい実践メソッド

「何だかいつも楽しそうですよね。」「どうやったら楽しんで仕事ができますか。」そのように言われることが増えてきた。既に研究では「幸福度の高い社員はそうでない社員に比べて創造性が3倍、生産性が1.3倍」であることがわかっている。心の充実が仕事の成果に直結するなら、それを実践するまでだ。そのように思ってきたが、一言で「楽しむ」といってもそう簡単なことではなく、実はとっても奥が深い行為なことに気づいてきた

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新人職員に勝手にオリジナル研修をやってみた話(2年目)

新人職員に勝手にオリジナル研修をやってみた話(2年目)

新人の職員が今本当に必要だと思っている研修を提供したい。そんな思いで勝手に始めたオリジナル研修は今年で2年目を迎えた。こんな企画を思い立ったのは新型コロナがあったから。以前から、冗長で一方的な講義形式の研修には大いなる疑問を持っていたし、新型コロナはこうしたことをアップデートする格好のチャンスだ。そう思った昨年(1年目)は、所属する区役所のオリジナル企画として、自分たちが新人だったら知りたかったと

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自治体職員の視点から「ワクチンロス防止を目的に市長や職員が優先接種していいのか問題」を考える

自治体職員の視点から「ワクチンロス防止を目的に市長や職員が優先接種していいのか問題」を考える

「ずるい。自分たちだけ職権乱用している」「市長なら先に打ってもいいだろ」「市長がコロナになったら対応が後手になるだろ」「市長がコロナにかかっても職員がいれば仕事は回るだろ」
新型コロナのワクチンロス防止を目的に市長や職員が優先接種している自治体のニュースがワイドショーを賑わし、ネットも含めて賛否両論が飛び交った。今回はこの問題について、現役の自治体職員として考えたことをお伝えしたい。

まず、今回

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役所で職員が輝くために必要な要素とは

役所で職員が輝くために必要な要素とは

個人が組織に合わせる時代は終わり、これからは組織が個人に合わせる時代だ、と言われる。本当は、個人が自らの能力を最大限に発揮し成長しながら、組織としての成果を最大化するのが最強だろう。しかし、公務員のうちどれほどの人が自分の持てる能力を最大限に発揮し、成長実感を持てているだろうか。役所のうちどれほどの組織が個人の力を成果の最大化に結び付けられているだろうか。
と書いておきながら、実のところ私が現在所

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地方自治体のコロナ対応はどうすべき? 調査から見えたこと、考えたこと

地方自治体のコロナ対応はどうすべき? 調査から見えたこと、考えたこと

新型コロナを踏まえ、地方自治体は何をすればいいのか。昨年夏にウェブを使ったアンケート調査を行い、そのレポートを学会誌に掲載いただいた。個人的には学会誌への掲載は純粋にうれしいが、本当は会員の枠を超えて、なるべく多くの人に伝えたいと思っている。その想いから、調査結果や考えたことを(ちょっとした裏話も含めて)ダイジェスト的にお伝えしたいと思う。

新型コロナの発生前後で大きく変わったことの一つは、地方

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