望月みや

いたって普通で平凡な日常備忘録。空想のお話もつらつらと。Twitterではいま言いたい…

望月みや

いたって普通で平凡な日常備忘録。空想のお話もつらつらと。Twitterではいま言いたい、を。 https://mobile.twitter.com/miya_mochimoon ※サポートにつきましては辞退させていただいております。 お気持ちだけありがたく頂戴させてください。

マガジン

  • 私の旦那さんは変だ。

    私の旦那さん、変なんです!え、これが常識なの・・・?私が変なの? っていうエピソードをまとめました。おひとつお好みがあれば、他にもあるかもしれません。ぜひに。

  • ご紹介いただいた記事まとめ

    私が振り返ってにまにまする用です。気になるわっていう奇特な方もどうぞ。

記事一覧

わたしの旦那さんは変だ〜選択肢はいろいろ〜

久しぶりに夫のことを書くような気がする。 彼はいつだって変なのだが(私の常識比)、変であることに私の方が順応してしまうようになってきて、なんかヘンダナと思う回数が…

望月みや
9か月前
8

織姫様はおんなのこ

「ね、今年もお天気微妙だよ。」 空を見上げて、どうなってんのと腹立たしげに呟く彼女は裾の長い服をひらひらと靡かせながら、ドスドスと屋敷の廊下を進んでいく。 「ま…

望月みや
10か月前
5

メガネとご主人

ご主人へ 僕をぞんざいに扱うご主人に心底嫌気がさしました。 ご主人がお付き合いしている康介さんは、ご主人が机に突っ伏しているときにへしゃげかけた僕を必ず助けてくれ…

望月みや
1年前
9

文学フリマとデザフェスにお邪魔してきました!

半袖じゃ薄着かなあ、都会じゃ浮くかなあと思って金曜日に洋服を選び、当然のように失敗した日曜日。 文学フリマとデザフェスにお邪魔してきました。 結論だけ先に申し上…

望月みや
1年前
26

蕾 ―花あかりの夢より―

中庭の真ん中に桜の木が立っている。 この桜を囲むように置かれたベンチは校内でも人気のスポットだが、明日に控えた卒業式の準備のため生徒のほとんどが下校させられたら…

望月みや
1年前
12

咲き初め ―花あかりの夢より―

小さな緑地の隅に桜の木が1本立っている。 商業施設の一部として整備されたこの場所は繁華街とその最寄り駅の間にあり、この場所を通り抜けることでそれぞれへの距離を大…

望月みや
1年前
8

お父さんのバレンタイン

「今年からもうお父さんの分はないみたい」 帰宅してすぐ、ネクタイを緩めることも忘れてそわそわとテーブルに視線を巡らせていた僕に妻が困ったように言う。 「・・・え…

望月みや
1年前
19

僕と天使の物語

 白だ。どこもかしこも白だ。  見渡す限りどこまでも白が広がるこの空間には影すらもなく、壁と天井の区別もつかない。当然足元も真っ白で、僕が寝かされていたベッドは…

望月みや
1年前
18

母のおせち

「ねえ、もうおせちは飽きた。」 小学生になったばかりの息子が不満げな声に、懐かしい景色が目の前に思い浮かぶ。 ブラウン管のテレビに映るお笑い番組、昼間から酔っぱ…

望月みや
1年前
20

端的に言うと髪を切ったって話

表も裏も、上下左右もなく、タイトル通りの話を長ったらしくします。 お暇なときにお付き合いください。 人間ってどうして「やってはいけないこと」をやりたくなっちゃう…

望月みや
1年前
10

君と猫

カーテンの隙間から差し込む光に起こされ,素肌に触れる冷たい空気にベッドで身震いする。君のお気に入りのタオルケットだけではもうそろそろ風邪をひいてしまいそうだ。 …

望月みや
1年前
28

何でもいいからとりあえず私の話を聞いてほしい

こんにちは、こんばんは、おはようございます。 大変ご無沙汰しております。 望月みやです。 生きてます。 今年度異動になってから、生活リズムがガラリと変わり、いつもn…

望月みや
1年前
31

なんか違うかもしれない結婚式3~お涙頂戴物語~

さて,先日写真を納品してもらった私の結婚式。 写真を眺めていると当日のことが思い出されます。 やっぱり思っていたのとなんか違うような気がする私の結婚式が正解だった…

望月みや
1年前
10

夏祭りに香る

ベランダから差し込む西日が和らぎ,空がオレンジから薄藍に染まっていく。 近所で開催されているらしい夏祭りもそろそろ一番賑わう時間を迎える頃合いなのか,マンション…

望月みや
1年前
19

七夕に香る

みるみるうちに空を覆った雲から降り注ぎ始めた雨は,どんどんと粒を大きくして,水を吸った制服のスカートは重みを増していく。 7月も1週目を終えようとしているとは言…

望月みや
1年前
27

青春に香る

長くなったはずの陽がすっかり傾き,それでも最後の意地のように景色をオレンジに染めている。 まだ眩しい陽光に目を細めながら,練習を終えて緩んだ空気を醸しながらわい…

望月みや
1年前
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わたしの旦那さんは変だ〜選択肢はいろいろ〜

わたしの旦那さんは変だ〜選択肢はいろいろ〜

久しぶりに夫のことを書くような気がする。
彼はいつだって変なのだが(私の常識比)、変であることに私の方が順応してしまうようになってきて、なんかヘンダナと思う回数が減ってきたということだと思う。
それがいいことなのか悪いことなのかはちょっとよく分からない。

義実家with嫁

さて話変わって、我々夫婦は今のところ、双方の両親と、ありがたいことに良好な関係を築いている。
そして夫のご両親は私の方の実

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織姫様はおんなのこ

織姫様はおんなのこ

「ね、今年もお天気微妙だよ。」

空を見上げて、どうなってんのと腹立たしげに呟く彼女は裾の長い服をひらひらと靡かせながら、ドスドスと屋敷の廊下を進んでいく。

「また会えないなんて約束と違うじゃない。いや違わないけど!でもこんなに毎年毎年、飽きもせず雨ばっかりだとは思わないじゃない、聞いてないじゃない!あまりに話が違うんだから訴えたら勝てると思うのよ。訴えてやろうかしらあのオヤジ!」

収まらない

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メガネとご主人

メガネとご主人

ご主人へ
僕をぞんざいに扱うご主人に心底嫌気がさしました。
ご主人がお付き合いしている康介さんは、ご主人が机に突っ伏しているときにへしゃげかけた僕を必ず助けてくれますし、ご主人が僕をその辺に放置しても、僕が踏まれたり行方不明になったりしないようにそっとサイドテーブルに移動させてくれます。
康介さんはとっても優しい人だというのにご主人は酷いです。
だから僕は康介さんのところに行きます。
今日は帰りま

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文学フリマとデザフェスにお邪魔してきました!

文学フリマとデザフェスにお邪魔してきました!

半袖じゃ薄着かなあ、都会じゃ浮くかなあと思って金曜日に洋服を選び、当然のように失敗した日曜日。
文学フリマとデザフェスにお邪魔してきました。

結論だけ先に申し上げると、めちゃくちゃに楽しくて、楽しかったです。(語彙力)

推しに認知されている!!!!

みたいなドキドキがありました。
超興奮した。

まずは文学フリマ。
12時からだったので、余裕をもって15分前くらいに着いておけばあんまり待たな

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蕾 ―花あかりの夢より―

蕾 ―花あかりの夢より―

中庭の真ん中に桜の木が立っている。

この桜を囲むように置かれたベンチは校内でも人気のスポットだが、明日に控えた卒業式の準備のため生徒のほとんどが下校させられたらしく、放課後になってしばらく経った今、普段は賑やかなこの場所も今日は静まり返っていた。

そんな中、美香が学校に残っていたのはリクエストしていた本が図書室に入荷されたと司書の先生が知らせてくれたからだ。

自宅まで我慢ができず、美香はベン

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咲き初め ―花あかりの夢より―

咲き初め ―花あかりの夢より―

小さな緑地の隅に桜の木が1本立っている。

商業施設の一部として整備されたこの場所は繁華街とその最寄り駅の間にあり、この場所を通り抜けることでそれぞれへの距離を大幅に短縮できる。

そのため足早に通り過ぎてしまう人が多いが、買い物客の休憩場所としてか、都心には多くない緑を楽しめるようにという配慮か、決して広くはない敷地にいくつかベンチも設置されており、その一つはこの緑地の目玉として植えられた桜の木

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お父さんのバレンタイン

お父さんのバレンタイン

「今年からもうお父さんの分はないみたい」

帰宅してすぐ、ネクタイを緩めることも忘れてそわそわとテーブルに視線を巡らせていた僕に妻が困ったように言う。

「・・・え?」

固まってブリキのおもちゃのようにぎこちなく妻を振り返った。

「私も一応確認はしたんだけど・・・」

なぜか申し訳なさそうな妻を見て、受けた衝撃を隠してさも当然というように表情を取り繕う。

「そうか。もうそういう年頃かもしれな

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僕と天使の物語

僕と天使の物語

 白だ。どこもかしこも白だ。
 見渡す限りどこまでも白が広がるこの空間には影すらもなく、壁と天井の区別もつかない。当然足元も真っ白で、僕が寝かされていたベッドはまるで宙に浮かんでいるようかのようだ。立ち上がったら落ちるのではと不安になってベッドから足だけをそろりと下ろしてみると、素足の爪先はすぐに固い感触とぶつかった。どうやら落ちる心配はないらしい。ゆっくりと立ち上がって、さてこれからどうするかと

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母のおせち

母のおせち

「ねえ、もうおせちは飽きた。」

小学生になったばかりの息子が不満げな声に、懐かしい景色が目の前に思い浮かぶ。
ブラウン管のテレビに映るお笑い番組、昼間から酔っぱらって炬燵で寝てしまった祖父と父、机の上には朝も昼も食べたおせち。
少し歳の離れた兄と従兄は早々に食事を終え、別室でテレビゲームに夢中になっている頃だろう。
今となってはおせち料理の良さも分かるようになってきたけれど、あの頃の私には確かに

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端的に言うと髪を切ったって話

端的に言うと髪を切ったって話

表も裏も、上下左右もなく、タイトル通りの話を長ったらしくします。
お暇なときにお付き合いください。

人間ってどうして「やってはいけないこと」をやりたくなっちゃうのでしょうか「できない」とか「やってはいけない」と言われたことって急に魅力的なものになったりしませんか。
例えば「外出自粛」中の「お出かけ」だったり、「押すな」と書かれた「ボタン」だったり。
おうち大好きで別に出かけなくても十分満ち足りて

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君と猫

君と猫

カーテンの隙間から差し込む光に起こされ,素肌に触れる冷たい空気にベッドで身震いする。君のお気に入りのタオルケットだけではもうそろそろ風邪をひいてしまいそうだ。
そろそろやってくる過ごしやすい季節はきっと短くて、気が付いたら冬になってしまっているのだろう。寒さが苦手な君が着膨れする季節だ。
温かいものでも飲もうとコーヒー豆をしまっている戸棚に手を伸ばすとミルクチョコレートは甘すぎるからと君が選んだカ

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何でもいいからとりあえず私の話を聞いてほしい

何でもいいからとりあえず私の話を聞いてほしい

こんにちは、こんばんは、おはようございます。
大変ご無沙汰しております。
望月みやです。
生きてます。

今年度異動になってから、生活リズムがガラリと変わり、いつもnoteを書いていた時間に家でゆっくりごはんを食べられるようになったことから、少しだけ文章を書くことから離れていました。
でも、私は元気です。
真夏はバテてトマトしか勝たんな状態の日もありましたが、ご飯もお菓子も美味しい季節になって大変

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なんか違うかもしれない結婚式3~お涙頂戴物語~

なんか違うかもしれない結婚式3~お涙頂戴物語~

さて,先日写真を納品してもらった私の結婚式。
写真を眺めていると当日のことが思い出されます。
やっぱり思っていたのとなんか違うような気がする私の結婚式が正解だったのか,振り返り最後にどなたか教えてください。

さすがに早いかもしれんかもしれん

挙式には,新婦にはいくつか両親とのイベントが発生します。
私の場合はオーソドックスに母からのベールダウンと父とのバージンロード闊歩,そのほか両家両親とのフ

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夏祭りに香る

夏祭りに香る

ベランダから差し込む西日が和らぎ,空がオレンジから薄藍に染まっていく。

近所で開催されているらしい夏祭りもそろそろ一番賑わう時間を迎える頃合いなのか,マンションの前の通りは普段の静けさを忘れたように行き交う人々の華やいだ声を響かせている。

せっかく効かせたエアコンの冷気を逃すのが惜しくて窓を開けたりはしないけれど,ベランダから通りを覗けばきっと少年少女たちのカラフルな浴衣姿に若い夏を感じること

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七夕に香る

七夕に香る

みるみるうちに空を覆った雲から降り注ぎ始めた雨は,どんどんと粒を大きくして,水を吸った制服のスカートは重みを増していく。

7月も1週目を終えようとしているとは言え,まだ梅雨明けは宣言されていないのだから折りたたみ傘くらい常備しておけばよかったと反省したものの,この雨脚では太刀打ちできたか怪しいところかと溜息をついた。

とりあえずの雨宿りに駆け込んだ公園の屋根付きベンチから出るにはまだ時間がかか

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青春に香る

青春に香る

長くなったはずの陽がすっかり傾き,それでも最後の意地のように景色をオレンジに染めている。

まだ眩しい陽光に目を細めながら,練習を終えて緩んだ空気を醸しながらわいわいと部室に戻って行く部員たちからビブスを回収する。

汗を吸って重くなったそれを入れたカゴを抱え,手伝いましょうかという後輩の申し出を疲れてるだろうからと断って,私は部室の片隅に設置された洗濯機の元へと歩き出した。

年季を感じさせるそ

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