わたしの旦那さんは変だ〜選択肢はいろいろ〜
久しぶりに夫のことを書くような気がする。
彼はいつだって変なのだが(私の常識比)、変であることに私の方が順応してしまうようになってきて、なんかヘンダナと思う回数が減ってきたということだと思う。
それがいいことなのか悪いことなのかはちょっとよく分からない。
義実家with嫁
さて話変わって、我々夫婦は今のところ、双方の両親と、ありがたいことに良好な関係を築いている。
そして夫のご両親は私の方の実家が少し離れていることを気遣って、長いお休みのタイミングで食事に誘ってくれるのである。
このお盆にも誘ってくださって、明日にはお会いできる。
私は夫の両親のことが好きなのでお会いできることはそれはもういつも楽しみなのだが、今回は参加メンツが豪華だった。
<参加者一覧>
夫の父、夫の母、夫の姉、姪、夫の兄、夫、私
※夫の姉の夫はお仕事の都合で不参加
わたし、超アウェイ。
もういっそのこと遠慮して夫のご家族水入らずでお過ごしいただく方がいいのでは?ってくらいビジターじゃない?
しかしながら、夫を含む夫のご家族の皆様は本当にいい方たちで、このメンツに私が混ざることに何の違和感も感じてはいない。
ウェルカムto家族パーリーなのだ。
気を遣うわなどと思うのは私のような凡人だけで、当然、断る権利も(権利があってもそれを行使するつもりも)ない嫁の立場では「わー、皆さんにお会いできるの楽しみです!」以外の返答は辞書に掲載されていない。
ただ、それぞれ2回ずつしかお会いしていない義姉と義兄と私は何を話せばいいのか、会話デッキの構成に悩むところではある。
ちなみに、今のところは天気のカードしか用意がない。
なお、義姉、義兄との1回目の出会いは結婚直前義実家お食事会へのご招待時であり、そのときも心の中で「ア・ウェイ!」と叫んだことはご想像いただけるだろう。
良き嫁の反省
義実家with嫁の会食の開催が決定してから、夫が私に何が食べたいかと聞いてくれた。
しかしながら、ご飯を食べさせてもらう側の私は特に希望を述べる立場にはない。
よって良き嫁を装って「何でもいいよ。姪っ子ちゃんも来るしお姉さんたちが食べたいものとか困らないところにしてもらって?」と答えた。
ただ、後で振り返ってよく考えてみるとこの返事は、
「ねえ、晩ご飯何食べたい?」
「え、何でもいいよ。」
「何でもいいが一番困るんじゃ、ワレ!」
くらいの罪深さがあるかもしれないと気がつき、慎ましさを演出しつつもそれでも何か案の一つでも出せばよかったかもしれない……と私は反省した。
次の次の日、嫁の反省などどこ吹く風、会食会場は無事決定した。
夫を含む夫の家族は食に対するフットワークが、「大学飲みサー所属の社交性抜群でめっちゃ友達が多くて気がついたら大手企業に就職決めてたみたいな男の子」くらい軽いのである。
なお、今回のお食事は中華が採用され、夏になって胃腸の調子が下降の一途を辿っている私はやっぱり反省した。
春夏秋冬何時何分何回地球が回ったときも何か食べている夫の、そのご家族である。
当然、食に対するモチベーションはエベレストとはいかずとも富士山級くらいには高く、かつ胃腸は超合金くらいには強靭であることは当然想定されていたと言うのに……。
嗚呼、あのとき希望を言っておけばよかった!!!
良き夫の気遣い
そんなこんなで無事に食べるものも決まり、あとは当日を待つだけとなったと思ったとある日、夫が会食会場のホームページにアクセスしたスマホ片手に夕飯作り真っ最中の私に近づいてきた。
「今度のお店、お客さん待たせるのもあれだから先にある程度注文しといて欲しいってことらしくて、食べたいものあったら言って?」
ありがとう。
中華の中でも私の胃腸でも消化できそうなものを探そう。中華粥とかスープとか。
そう思って「ありがと。スマホ見せて。」と言いかけた「あ」の音が私の口から転がり落ちるその直前、夫は続けた。
さて、ここで皆さんにクエスチョン。
夫はとあるものは頼んでおいたと私に教えてくれました。
このとあるものとはなんでしょうか。
お手元のフリップにお書きください。
皆さん書けましたか?
それでは一斉に解答をオープン!
なるほどなるほど。
麻婆豆腐、八宝菜、エビチリ、餃子、青椒肉絲、酢豚。
ふむふむ。
様々な答えが出揃いました。
中華料理は種類が豊富ですからね。
それでは正解を見てみましょう。
「この店、メニューもいろいろあってさ、ゴマ団子は頼んどいたから。」
そう、正解は「ゴマ団子」でした!
こちらは正解したらMDIQ(※)95の問題でした。
ちょっと難しかったですかね。
※mochizuki's danna解像度的知能指数のこと。
平均が80〜90程度。
高くても別にいいことはなく、低くても日常生活には何の支障もない。
なお、望月は最近MDIQ65に到達した。
そんなクイズ番組的現実逃避から帰還した私の脳内は今日も今日とてツッコミの嵐である。
ゴマ団子。
いいよ、私もゴマ団子嫌いじゃないよ?好きだよ?
でも、中華食べに行くって言って一番最初に頼むものがゴマ団子て。
そのゴマがいっぱいついた揚げ餅は、脂の多い中華料理を嗜んだ後の私の胃袋にはたぶんだけどちょっと重いぞ。
そんなことより「メニューもいろいろあってさ。」の「いろいろ」の部分がメインなんじゃないか?
中華料理なんやぞ、もっといろいろいろいろ選択肢があっただろ!
いやでも待って。
もしかしたらそのお店はゴマ団子激推しの有名店ってこともないこともないかもしれないこともないかも。
そこまで考えて、彼のスマホをスワイプし、私は叫びそうになった。
やっぱり、ゴマ団子の立ち位置は下から2番目やんけ!
普通の「街の中華屋さん」のメニューやんけ!
なんっでこのラインナップで先発がゴマ団子やねん!
レギュラーかどうかすら怪しかったのにゴマ団子側もビックリやろ!
喋れもしない関西弁が脳裏をよぎる。
しかし、彼の曇りなき眼|まなこ|を見て、それらを呑み込み何とかお礼を言った私を誰か褒めていただきたい。
彼は自身の行動にほんの一欠片も疑いを持たず、私に疑問をもたらす一連の行動はいつだって彼なりの気遣いなのだ。
それにギャンギャン噛みつくほどは私も鬼ではなかった。
そして数分の間になんだか疲れてしまった私は、「皆さんのお好きなもの頼んでもらって?」と夫とそのご家族に全てを丸投げし、夕飯作りを再開した。
「できればご飯になるものがいいな」も、「ゴマ団子より杏仁豆腐の方が好き」も、夫には伝え損ねたのである。
「初手ゴマ団子」に対し、夫のご家族は何も不思議には思わないのだろうかと悶々と考えてその日を過ごし、就寝直前、それが2択問題であることに気がついた。
Q.息子の中華料理の一番最初の注文がゴマ団子であることについて不思議には思わないか。
①思わない。今更である。
②思わない。初手はゴマ団子以外考えられない。
もはやどちらでも構わないが、できれば①であってほしいと思う今日この頃である。
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