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なんか違うかもしれない結婚式3~お涙頂戴物語~

さて,先日写真を納品してもらった私の結婚式。
写真を眺めていると当日のことが思い出されます。
やっぱり思っていたのとなんか違うような気がする私の結婚式が正解だったのか,振り返り最後にどなたか教えてください。

さすがに早いかもしれんかもしれん

挙式には,新婦にはいくつか両親とのイベントが発生します。
私の場合はオーソドックスに母からのベールダウンと父とのバージンロード闊歩,そのほか両家両親とのファーストミートを設定しました。
ファーストミートは大変朗らかな雰囲気で何事もなく進み,そのままリハーサル。
新郎新婦及び両親が挙式でやることを一通り初めてかつ最後に練習し,「新婦さんもうちょっとゆっくり歩きましょうか」と言われながらもつつがなく本番前を迎えました。

私の母は割と涙脆いのでベールダウン本番で泣く可能性ありと要警戒。
泣いてもらえるのは嬉しいですが,そんな母の血を引いた私も涙脆めの設定のため泣かれたらつられて泣いて結婚式初っ端からこんなに整えられた化粧(ばけのかわ)が無に帰すことになります。
ところが,絶対に泣かないぞという私の決意も何のその,母からのベールダウンは瞳の潤みすらなくそれはもうお互いに笑顔で終えてしまいました。
絶対泣くと思ってたんだけどと内心で首を傾げながら父とバージンロードを進む私の疑問が解消されたのは披露宴の最中のこと。

「お恥ずかしながら,挙式のリハーサルから泣いてしまいまして。」

と我が父。

「リハーサルが終わってから本番までに急いでティッシュを買ってきました。」


あんたが泣くんかい。
しかもリハーサルからかい。
そんでティッシュ買ってきたんかい。
本番も泣いてくれたかい?

後で母から聞いたところによると,リハーサルで号泣した父を見てもうおかしくて自分は泣けなかったとのこと。
それはたぶん私でもそうだわ。


聞いてた話と違うんですけど・・・?

「新婦の手紙は,どんなに遅くとも本番の3日前までに書きなさい。でなくば,泣いてぱんっぱんの顔で本番に臨むことになります。」
インターネットの海から先人たちの教えです。

新人新婦の私は諸先輩方からの教えを忠実に守り,挙式の前前々日に(1か月以上前から後回しにし続けていた)新婦の手紙執筆にとりかかりました。

まず躓くと思っていた書き出しも,先人たちがテンプレを提示してくれていたのでアレンジしつつすいすいと,中盤もすいすい,結びもすいすい・・・結びもすいすい?

あれ?
書き終わってもた。
涙のなの字もなく書き終わってもたー--!!!
おかしいな。
いつか見たドラマの彼女ように,潤んだ瞳から涙がこぼれないように必死に我慢しながら書き上げて,本番で広げるその便せんにはそれでも結局涙の痕が残っているはずだったんだけどな。
書き直せるように便箋もいっぱい買ったんだけどな。

なんか聞いてたのと違うなあと思いつつ,誕生日に始まり父の日・母の日,結婚記念日に至るまでありとあらゆるタイミングで手紙を書く文化のあった我が家では,手紙という存在に慣れ親しみすぎて新婦の手紙に対する特別感の欠如と私の情緒の未発達が原因なんでしょうねと考察しています。


ブルータス,お前もか

披露宴の最後,しっとりとした雰囲気で行われる新婦の手紙朗読会。
私は書くことは決めていたものの,本番で読むかは最後の最後,本番が始まる直前までずっと悩んでいました。
プランナーさんにぜひと勧めてもらっても,往生際悪く頷けなかったのですが,結局,一生に一回のことだし両親の方も読まないことは想定していないに違いないと思い朗読することに。

結婚式前までは,新婦の手紙のタイミングで父が泣くだろうと思っていました。
父は母に輪をかけて涙腺が緩いつくりの人です。
手紙の内容もどちらかというと父を泣かせるような話に仕上がっていました。
新郎新婦が二人並び,そして私が3日前に(涙なく)書き上げたばかりの手紙を朗読し始めると会場がしんみりした雰囲気を醸し始め,その空気感はこんな(情緒をどこかに落としてきたっぽい)新婦でもちょっとぐっとくるものがありました。
しかしながら父よりも早く泣くのは・・・と,正面に立った両家両親をちらりと確認すると全員が微笑ましくこちらを見守ってくれています。
想像とだいぶ違うなあと思いながら手紙を読み進めていくと,「ズズッ」という音が聞こえました。
隣から。


お前が泣くんかーい。


そう思った私をどうか責めないでいただきたい。
そして噴出さなかった私を褒めていただきたい。


私の想定では,まず私の父が泣き,それにつられて私が泣き,あとの可能性はさらにそれにつられる私の母。
最後に,泣く私にそっとハンカチを差し出す新郎の図のはずでした。
夫よ,私はドレスのどこにもハンカチ隠せなかったからきみに差し出すハンカチがないよ・・・。



そんな,最初から最後までなんか思ってたのと違うなあな私の結婚式でした。

私の華やかさに欠ける結婚式レポートにお付き合いいただいたみなさま,ありがとうございました。
おしまい!

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