西村 文

日本の地名と風景をこよなく愛するartist。 ❝そこはか❞となく綴る地名のエッセイと…

西村 文

日本の地名と風景をこよなく愛するartist。 ❝そこはか❞となく綴る地名のエッセイと風景画集です。

記事一覧

ある地名の風景

六本木龍土の十字架 ryudo 前回の乃木坂の続きみたいですが、 うろつきついでに 乃木坂の南隣、六本木まで足をのばすことに。 昨年から私も日傘男子デビュー! ちょ…

西村 文
3日前

ある地名の風景

乃木坂に紅い花 nogizaka たまには国立新美術館にでも行ってみようかと思い立ち、 千代田線で乃木坂駅下車、 地下鉄からの専用入り口にたどり着くと 「本日休館」の文…

西村 文
10日前
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ある地名の風景

海風のムーラン-御前崎 omaezaki-2 ゴッホやルノワールが描いた ”ムーラン・ド・ラ・ギャレット”は、 御菓子に使う小麦を挽くための風車とか。 日本の海岸に多い…

西村 文
2週間前
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ある地名の風景

御前崎の砂紋 omaezaki ここは静岡県の御前崎。 駿河湾に角のように突き出した岬です。 遠州灘の沿岸流により長い砂丘が続き、 望洋とした風景が夏の旅人の心に残り…

西村 文
3週間前
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ある地名の風景

左門町のお岩稲荷 samoncho 夏といえば怪談! 怪談といえばご存知「東海道四谷怪談」! でもお化けの話ではありません。 口絵だけ”納涼~”そんな感じ(笑) 私が…

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1か月前
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ある地名の風景

小名木川夏風景-猿江 sarue-3 梅雨のせいか 先週から涼しい日が目立ちます。 昼はともかく、 夜に涼しいのは本当に過ごしやすいですね。 ところで、何十年ぶりに浅…

西村 文
1か月前
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ある地名の風景

夏の柑橘、猿江神社にひとつ sarue-2 江東区史によると 中世には今の江東区のうち、 亀戸より南は広大な干潟や湿地だったろうとあります。 江戸時代になってすぐに小…

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1か月前
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ある地名の風景

午後の公園は梅雨明かり-猿江 sarue 江東区を東西に流れる小名木川。 いつだったか 「ひょっとしてコナキジジイはこのあたりの生まれか」 友人の一人がこんなこと言…

西村 文
1か月前
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ある地名の風景

”油面地蔵通り”に、雨 aburamen-2 ここは油面の地蔵通り。 絵の左にあるお堂が”高地蔵”と呼ばれるお地蔵様です。 子育てにご利益があると昔から親しまれているそう…

西村 文
1か月前
1

ある地名の風景

油面公園のすべり台 aburamen 今年の梅雨入りは遅れそうですが、 昼は真夏全開! でも朝晩は、まだ涼しい風がカーテンを揺らしています。 三軒茶屋で用事をすませ、バ…

西村 文
2か月前
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ある地名の風景

塔ノ山の三重塔 tonoyama 先日、中野区の地下鉄中野坂上駅から 徒歩で山手通りを東中野方面へ向かう途中、 ”塔ノ山町会”という掲示板を目にしました。 中野区に”塔…

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2か月前
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ある地名の風景

駅へと続く名もなき坂道-大塚 otsuka-2 タイトルにある駅とは山手線の大塚駅ではなく、 地下鉄丸ノ内線の”新大塚駅”のことです。 そう、ここも紛れもなく”大塚”…

西村 文
2か月前
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ある地名の風景

都電が行き交う初夏の午後-大塚 otsuka ここは東京豊島区にある山手線大塚の駅前。 コーヒーを片手に駅ビルの窓から眺めています。 ゆっくり走る都電の姿はまるでオ…

西村 文
2か月前
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ある地名の風景

午後は雨、骨通りの白猫 kotsudori-2 最近、ずいぶん風の強い日が多いと感じます。 雨よりマシという人もいますが 私は雨の方が好き。 そういえば、沖縄はもう梅雨入…

西村 文
3か月前
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ある地名の風景

”骨通り”という街角 kotsudori その昔、江戸には鈴ヶ森、小塚原という 二つの刑場がありました。 鈴ヶ森は今の品川区南大井、小塚原は荒川区南千住。 現在はどちら…

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3か月前
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ある地名の風景

小豆沢の崖に咲く躑躅 azusawa-3 ずっと小豆の話ばかりでしたが 小豆と言えば、妖怪”あずき洗い”を思わずにいられません。 徳島生まれの友人。 子供のころに帰りが…

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3か月前
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六本木龍土の十字架 ryudo

前回の乃木坂の続きみたいですが、
うろつきついでに
乃木坂の南隣、六本木まで足をのばすことに。

昨年から私も日傘男子デビュー!
ちょっと恥ずかしかったのですが、
使ってみると驚くほど楽!

遮光率99%!
馬喰町の小宮商店ありがとう(笑)

日傘のおかげで長時間歩き回り、
めったに来ない六本木で
”龍土町美術館通り”という標識を発見。

美術館は近くにあ

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ある地名の風景

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乃木坂に紅い花 nogizaka

たまには国立新美術館にでも行ってみようかと思い立ち、
千代田線で乃木坂駅下車、
地下鉄からの専用入り口にたどり着くと
「本日休館」の文字!

あー猛暑の中せっかく来たのにー

仕方なくそのへんをうろつき、
赤い花咲く乃木坂風景に出会いました。

低い木の枝に小さな赤い花。
キョウチクトウかな・・たぶん。
この暑さに花もちょっとしおれぎみ。

乃木坂という

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海風のムーラン-御前崎 omaezaki-2

ゴッホやルノワールが描いた
”ムーラン・ド・ラ・ギャレット”は、
御菓子に使う小麦を挽くための風車とか。

日本の海岸に多い風力発電の風車を
”ムーラン”と呼ぶかどうかは定かでありません(笑)

前回、岬の周りに神社はないと言いましたが、
たった一つ、駒形神社がありました。

御前崎について、江戸時代の国学者賀茂真淵は
「汐干れば馬の背の如く

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御前崎の砂紋 omaezaki

ここは静岡県の御前崎。
駿河湾に角のように突き出した岬です。

遠州灘の沿岸流により長い砂丘が続き、
望洋とした風景が夏の旅人の心に残りそう。

そして何と言っても風が強い!
冬は「遠州のからっ風」と呼ばれる偏西風が名物とか。

”御前崎”という地名は
台風情報や灯台の映画で知ってはいたものの、
付近にある神社などに由来するものだと
勝手に思い込んでいまし

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左門町のお岩稲荷 samoncho

夏といえば怪談!
怪談といえばご存知「東海道四谷怪談」!

でもお化けの話ではありません。
口絵だけ”納涼~”そんな感じ(笑)

私がヤボ用でたまに訪れる四谷三丁目近くに、
この「四谷怪談」の元になった
お岩さん所縁の”お岩稲荷”があります。

鶴屋南北作の歌舞伎狂言「東海道四谷怪談」では、
田宮家の婿になった伊右衛門がお岩を毒殺するという
凄惨なスト

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小名木川夏風景-猿江 sarue-3

梅雨のせいか
先週から涼しい日が目立ちます。
昼はともかく、
夜に涼しいのは本当に過ごしやすいですね。

ところで、何十年ぶりに浅草の”ほおずき市”に行ってきました。
暑いわ人混みだわ
夏の風情もへったくれもありません(笑)

それにしても欧米人が多かったなー

ところで猿江の最終回!
猿がいたとも思えないし、崖もない土地だとすると
あとは言葉の変化

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ある地名の風景

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夏の柑橘、猿江神社にひとつ sarue-2

江東区史によると
中世には今の江東区のうち、
亀戸より南は広大な干潟や湿地だったろうとあります。

江戸時代になってすぐに小名木川が開削されるのですが、
河道を掘ったということは、この当時はすでに
ある程度土地が固まっていたのでしょうね。

前回、”猿藤太”伝説のところで
猿江のあたりは埋立地?と言いましたが、
正確には小名木川以南が埋立地で、

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午後の公園は梅雨明かり-猿江 sarue

江東区を東西に流れる小名木川。
いつだったか
「ひょっとしてコナキジジイはこのあたりの生まれか」

友人の一人がこんなこと言ってました。

でも、この川は「おなぎがわ」です。
また妖怪”子泣き爺”も四国出身だそうで。
残念!何の関係もありませんでした(笑)

ちなみに小名木川は、開削した人の名前が由来とか。

ところでこの川沿いに”猿江”という地

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”油面地蔵通り”に、雨 aburamen-2

ここは油面の地蔵通り。
絵の左にあるお堂が”高地蔵”と呼ばれるお地蔵様です。
子育てにご利益があると昔から親しまれているそうです。

ところで”油面”の油は、燃料や食料の油でしょうか。

これは偶然なのですが、
藤沢に”地蔵面”という古い地名があることを知っています。

これは、お地蔵さまに花や菓子、水を供えたり
定期的に掃除したり、お堂の修繕

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油面公園のすべり台 aburamen

今年の梅雨入りは遅れそうですが、
昼は真夏全開!
でも朝晩は、まだ涼しい風がカーテンを揺らしています。

三軒茶屋で用事をすませ、バスで目黒に向かったのですが
その途中、面白い停留所に気が付きました。

面白いといっても停留所の姿形ではなく、
もちろんその名称。
「次は油面公園・・」

”あぶらめん”?
あれ、こんな所にそんな地名があるのか・・。

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塔ノ山の三重塔 tonoyama

先日、中野区の地下鉄中野坂上駅から
徒歩で山手通りを東中野方面へ向かう途中、
”塔ノ山町会”という掲示板を目にしました。

中野区に”塔ノ山”なんて町名あった??

疑問に思いつつ、後から地図を広げてみると
私が歩いたあたりは中野区中央という町名です。

しかしよく見ると
塔山小学校とか塔の山ハイツなどを発見。

どういう事?地名探偵の血が騒ぎます(笑)

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駅へと続く名もなき坂道-大塚 otsuka-2

タイトルにある駅とは山手線の大塚駅ではなく、
地下鉄丸ノ内線の”新大塚駅”のことです。

そう、ここも紛れもなく”大塚”。
文京区大塚・・

山手線の”大塚”という駅名は
いったいどこから取ったのか。

その南北には北大塚・南大塚の町名があるものの、
ただの”大塚”という地名は
昔からこのあたりにはなかったようです。

いろいろ調べて
この駅

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都電が行き交う初夏の午後-大塚 otsuka

ここは東京豊島区にある山手線大塚の駅前。
コーヒーを片手に駅ビルの窓から眺めています。
ゆっくり走る都電の姿はまるでオモチャのよう。

以前から気になっていたのですが、
”大塚”というからには
どこかに塚がある、あるいはあったのでしょうか。

”塚”の付く地名は珍しくありません。
大塚をはじめ小塚、犬塚、塚原、塚本、塚田・・・

”塚”とはそ

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午後は雨、骨通りの白猫 kotsudori-2

最近、ずいぶん風の強い日が多いと感じます。
雨よりマシという人もいますが
私は雨の方が好き。

そういえば、沖縄はもう梅雨入りとか・・
私も今年初めてカエルの声を聞きました。

ところで”骨通り”の謂れとはどんなものでしょう。
いろいろな説があるのですが、
荒川区の説明では「小塚原の略称を冠して骨通りという」とあります。

「こつかはら」「こ

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ある地名の風景

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”骨通り”という街角 kotsudori

その昔、江戸には鈴ヶ森、小塚原という
二つの刑場がありました。

鈴ヶ森は今の品川区南大井、小塚原は荒川区南千住。
現在はどちらも史跡となり、お寺の敷地です。

時代劇で聞くくらいで
どちらも行ったことはなかったのですが、
ちょっと前に知人から
「南千住に”骨通り”(こつどおり)という道がある」
そんなことを聞きました。

歴史が歴史だけに、いか

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小豆沢の崖に咲く躑躅 azusawa-3

ずっと小豆の話ばかりでしたが
小豆と言えば、妖怪”あずき洗い”を思わずにいられません。

徳島生まれの友人。
子供のころに帰りが遅くなると
「”あずき洗い”に連れていかれる」と親に言われたそう。

それから小豆といえば
”あずきバー”で有名な井村屋。

実は井村屋のホームページに、小豆の語源について
こんな記事がありました。

「「あず」「あづ」は

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