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ある地名の風景

午後は雨、骨通りの白猫    kotsudori-2

最近、ずいぶん風の強い日が多いと感じます。
雨よりマシという人もいますが
私は雨の方が好き。

そういえば、沖縄はもう梅雨入りとか・・
私も今年初めてカエルの声を聞きました。


ところで”骨通り”の謂れとはどんなものでしょう。
いろいろな説があるのですが、
荒川区の説明では「小塚原の略称を冠して骨通りという」とあります。

「こつかはら」「こづかっぱら」を略して
「こつ」と呼んでいたから
「こつどおり」になったという解釈です。

小塚原は奥州道・日光道の街として栄え、
千住大橋のたもとにあるので
旅人を当て込んだ旅籠が多くあったそうです。

その中には飯盛り女を置くいかがわしい店もあり、
近隣の利用客は「コツへ行く」などと言っていたとか。

まぁ、なんとなくそれもありそうです。
”骨”の字を当てたのは刑場や火葬場があったためでしょうか。

でも、江戸時代には
この通りを”小塚原繩手”と呼んでいたらしいのです。
繩手とは真っすぐな道や田畑を通る小道のこと。

これは江戸時代後期の地誌に書かれているのですが
”骨通り”の名は出てきません。

だからといって、当時この呼び名はなかったことにはなりませんが、
”骨通り”としたのは、案外新しい時代なのでは・・?
疑ってみたくなります。

一般に”こつ”が付く地名は
海岸の岬など、出っ張った地形に付くと言われ、
千葉県南房総市千倉の忽戸(こっと)、島根県出雲市の小津(こづ)、
福井県小浜市の岡津(おこづ)などが挙げられています。

私も最初はそんなこと考えました。
荒川の岸にそんな出っ張った入り江でもあり、
そのあたりが”こつ”と呼ばれていた・・

でも、どうもそんな感じでもなさそうです。
うーん、今回は荒川区の説をとりたいと思います(笑)

(荒川区南千住)

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