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ある地名の風景

小豆沢の崖に咲く躑躅    azusawa-3

ずっと小豆の話ばかりでしたが
小豆と言えば、妖怪”あずき洗い”を思わずにいられません。

徳島生まれの友人。
子供のころに帰りが遅くなると
「”あずき洗い”に連れていかれる」と親に言われたそう。

それから小豆といえば
”あずきバー”で有名な井村屋。

実は井村屋のホームページに、小豆の語源について
こんな記事がありました。

「「あず」「あづ」は崩れやすい意味で、
煮崩れしやすいことから「あずき」となった・・・」

ちょっと聞き捨てなりませんねえ。

また万葉集の中には
「安受(あず)の上に駒を繋ぎて・・」という歌の一節があり、
この訳は「崖崩れの上に馬を繋いで・・」となるそうです。

ということは、”あず”という言葉は
「崩れる、崖崩れ」を意味する古語ということになります。

”小豆沢”についてもこの「崖崩れ」説があり、
私は小豆や赤飯の話より当を得ていると思っています。

実際に小豆沢を歩いてみると
志村三丁目付近から小豆沢を通り、
北区赤羽の星美学園あたりまで
ほぼ直線で3キロほど崖が続いています。

この崖のどこかが崩れやすかったのか、
または崖そのものを言ったのか、
はたまた沢が流れ出て崖を崩していたのか・・

今となってはその場所など分かりませんが
”小豆沢”が崖崩れに因む地名だとする説は
この崖を見ていると大きな説得力があります。

古代か中世か、かつてこのあたりに住む人たちは
ずーっとこの崖崩れが気になって、
「あの”あず”の沢は危ねえから」
なんて言っていたものがいつしか地名になった・・

うーん、そんなところだろーなーと自分自身納得しました(笑)

でもそれが何百年も使われているわけです。
そこが地名のスゴイところ。
まぁ、字は”小豆”になっちゃいましたが。

また、埼玉の飯能を流れる入間川沿いに阿須運動公園があります。
付近は”阿須”(あず)という地名で、ここも”小豆沢”と同じだと思います。

さらに映画「二十四の瞳」の舞台となった
瀬戸内の小豆島(しょうどしま)は、
元々”あずき島”と呼ばれていたのを明治になって読みを変えたもので、
島内は崖地の多いことで知られているそうです。

私、個人的に神奈川の”厚木”もひょっとしたら・・と思っています。

だって似てますよね?
”あずき”と”あつぎ”、ここも相模川沿いだし・・

(板橋区小豆沢)

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