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ある地名の風景

海風のムーラン-御前崎     omaezaki-2

ゴッホやルノワールが描いた
”ムーラン・ド・ラ・ギャレット”は、
御菓子に使う小麦を挽くための風車とか。

日本の海岸に多い風力発電の風車を
”ムーラン”と呼ぶかどうかは定かでありません(笑)

前回、岬の周りに神社はないと言いましたが、
たった一つ、駒形神社がありました。

御前崎について、江戸時代の国学者賀茂真淵は
「汐干れば馬の背の如く数々見える、
人々は七十五里の駒形と言いならし
神々を駒形明神と申す」と言っているそうです。

「七十五里の駒形・・」はよくわかりませんが、
干潮時に見える岩礁を
駒形神社の神様と結び付けているようです。

つまり神社の「御前」にある岩礁が
”御前崎”という地名の由来だと。

事実、岬の東3キロほどの場所に有名な岩礁があり、
多くの座礁事故を起こしています。

そのため今は「御前岩灯標」と呼ばれる
小さな灯台が立っています。

もう一つ、地元の説があります。
これは「御厩崎」(おうまやさき)が変わったというものです。

「延喜式」とういう平安時代の史料によると
このあたりには官牧が多くあり、
朝廷に馬を貢納する地域だった旨の記述が見られるといいます。

牧場に関する文献も多く
近くには”牧之原”などの地名もあることから
伝馬や駅馬を飼育する場所だったというのは
なかなか説得力があります。

賀茂真淵説、地元説、
知らない土地ですからどっちもありそうですねー。

でも、この広々した風景を眺めていると、
風車の下に馬がいて草を食んでいる・・
そんなメルヘンな景色が浮かんでくるのでした(笑)

(静岡県御前崎市)

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