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生まれて初めて自分専用にパン(鍋(調理器具))を買ってみた その4.1 汗の結晶たる箱書/取扱説明書フェチ 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 生まれて初めての自分専用のパンを買いましたという話です。

経緯

 吾妹に初めて作ったオムレツ(もどき)。見た目イケてたのに…美味しいけど…
 作ってくれとお願いしたオムレツではないよね…
とのコメント

 でも、超前向きなので…

いける

 これなら大好きな玉、だし巻き卵作れそうじゃん…

と思ったのでした。

 その2は、出汁巻き用のエッグパンを探していたら、素敵なパンに出会っちゃいましたというお話。

 その3は、熟慮の末に買ったコストコで買ったエッグパンの機能美の話でした。ソニーの業務用機器の機能美への想いと重なって…
 鑑賞に耐えるので、勿体なくて今は使わず眺めて居るという処まで。(笑)

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 今回は、箱書き、取扱説明書フェチの私の本領発揮。

 ふんーんで終わっちゃうのかも知れませんが、この紙に込められたお客様からの多様なご意見を反映した深いノウハウや思いを想像してみて頂きたく。大の大人が訴訟とか抱えて苦い思いをして、会議を積み重ねて分かりやすくコンパクトに最大効果を狙った汗の結晶…

 医師の方々が良かれと思って人生を賭して最善を尽くしても、結果責任で訴訟に晒される…

 アナロジーかなぁ…

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 箱書き、取扱説明書には、ものづくりの側の誠意が滲み出ます。社会人として作る側の人生を歩んだのでインサイダーとしてもそれを実感しています。読者の皆様に於かれましても是非、そのメッセージ媒体としての機能をお楽しみ頂ければと思います。

 先ずは箱書き、取扱説明は家庭用品品質表示法によって最低限の内容は担保されています。
 そもそも家庭用品品質表示法は、昭和37年法律第104号として生まれています。

家庭用品品質表示法

 まぁ私が生まれた頃と一致するのですが… 当時は第二次世界大戦の匂いがまだまだ残っていて、結構荒っぽい世の中でした。復興して何とか生きて行くことに重点が置かれ、今の様な落ち着いた社会ではありませんでした。 
 それまでは繊維製品品質表示法(昭和30年法律第166号)というのは有った様ですが、そもそも時代的に製品の品質も怪しく、多少化粧してスペックを表示したり、過大な表現をしたり、そもそも表現ノウハウがまだ稚拙だったりしてと残念な状況でした。誠意の前に先ずは復興かな。
 それでも法整備が進むことで、消費者保護に物作り側も目が行く様にはなって行きました。

閑話
 当たり前過ぎて意識しなくなっていることですが、当時は大気局=悪の権化(ごんげ)みたいな風潮もありました。しかし子どもながらに冷静に大人の動きを観察していると、ヤッパリ大企業の方がまともだなぁと感じていました。公害対策なんかの動きの早さは、大企業は凄かった… 

 近所の小学校の生徒が光化学スモッグ

の被害に会うなど、公害が深刻化していました。NHKのニュース何かを見ていると大手の鉄鋼会社、石油会社、化学会社などが次々と公害対策を進めているのを目の当たりにして、流石は大手だと感心していました。

 米国のマスキー法とそれへの対応

そして日本版マスキー法に

大手自動車会社が、各社各様の技術で期限内に目標をクリアしていく姿には子どもながらに大人を見直した(笑)感じでした。


 将来大企業に入ることを選ぶ、その基礎的な認識がこの時生まれたのだと思います。

閑話休題

 実際、この取扱説明書の裏面の最後に有る品質表示と題された表は、上述の家庭用品品質表示法のお作法に則ったものです。特に製品の断面図を入れて、各部の材質を分かり易く表示しているのは好印象。
 この表1つにしても、人々の努力の積み重ねによるノウハウの塊なんだと染み染み思う私なのです。

 取扱説明書の全体の構成としては、こんな感じ。

1 使用前の注意点

2 使用にあたっての注意点
 全般
 各調理器具別の注意点
  電磁調理
  ガス調理
  オーブン調理

3 長持ちのためのノウハウ

4 メンテナンスの方法

 ここで特に本文中に太字でハイライトされている部分は、過去の販売実績から得た不具合のフィードバッグが反映されているのだとお見受けしました。不具合多発、大クレーム、訴訟沙汰とか、そんな苦い経験からの注意喚起やノウハウの伝授なのでしょうね。

 電磁調理での高温、過熱による焼付塗装の色移りなんていうのは、如何にもそんな想定外のトラブルとクレームがあったんだろうなと。普通は焼付塗装が溶けてしまうまで加熱しないですよね。

 また、ガス調理の強火の回り込みでの持ち手部分のへの加熱も同様かと。普通はそんなことしないですが、きっと設計時の想定外の使い方をされた方がいるのだと思います。この辺が設計者としては、悩ましいところですよね。

 全般的に焦げ付き防止のフッ素樹脂の取扱というのが、気配りの大きなポイントという感じです。この辺りは、フッ素樹脂コーティングされている調理器具全般に今や普通に記載されていますよね。

 ハイライトされていませんが、長持ちさせるなら一晩以上パンに調理物を放置するな、水の中に漬け置きするなというのも面白いですね。確かに異種の金属が接合されているものを(アルミニウム合金、アルミニウム、ステンレス鋼(18クロム0ニッケルなのかなぁ。ニッケル8だと耐食性は良いのだけれど))水の中につけるとイオン化傾向の差から腐食が進むのだと思います。

 株式会社マイヤジャパンさんのホームページを鑑賞するのも楽しいですよね。

会社情報
MEYER JAPAN
社 名 株式会社マイヤージャパン
代表取締役 ジェイソンクイン
設 立 1997年9月16日
資本金 9500万円
出資比率 マイヤーインターナショナルホールディングス社 100%出資
従業員数 27名 (2021年9月現在)
本社所在地 〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南3丁目10番6号
ミヤケホームズ 102号
TEL / FAX 03-6452-3980 / 03-6452-4101

何時も通りGoogleマップで訪問。

こんな会社なのね。コロナ禍でも従業員数 27名 (2021年9月現在)で頑張って凌いだのね…

 とまぁこんな感じで取扱説明書を楽しめるのです。

取扱説明書 表面


取扱説明書 裏面

 因みに、この製品のシンプルな梱包なので、箱書きはありませんでした。

つづく

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