マガジンのカバー画像

創作、クリエイト

97
運営しているクリエイター

記事一覧

まずは五感で観察、理論は後

もう10年近く前になるけれど、「すいえんさー」というNHK教育の番組が面白くて。特に衝撃的だったのは、大学対決。私が初めて大学対決を見たのは、京都大学との対決だった。A4の紙で作った物体の滞空時間を競うという競技。京大の学生は博学さと理論知を発揮して、様々な形の物体を作った。かたや。

アイドルグループのすイエんサーガールは、中学高校生の女の子たち。飛行体の知識も理論もなく、流体力学ももちろん知ら

もっとみる
【おしえて!キャプテン】#36  2023年総まとめ! 心に残った海外コミック4選

【おしえて!キャプテン】#36  2023年総まとめ! 心に残った海外コミック4選

キャプテンYことアメコミ翻訳者・ライターの吉川悠さんによる連載コラム。今回は「本当は昨年末に掲載しなきゃいけなかったのに編集部の都合で掲載が遅れてしまったアメコミ2023年総まとめ記事(!)」をお送りします。(年末の業務に忙殺されていて、記事の編集が間に合いませんでした……! ごめんなさい、吉川さん!)

2023年ベストコミック4選2024年最初のコラムです! 今回は、2022年12月に掲載した

もっとみる
【おしえて!キャプテン】#38『生誕85周年記念!バットマンの苦難の時代について』

【おしえて!キャプテン】#38『生誕85周年記念!バットマンの苦難の時代について』

DCタイトルの『フラッシュポイント・ビヨンド』が3月14日頃より発売中です。本書は、ブルース・ウェインの父、トーマス・ウェイン(並行世界のバットマン)が主人公の作品で、息子を救うために奔走する父トーマスの物語が狂気的かつドラマチックに描かれています。

さて、そんなバットマンですが、彼は1939年に初めて『ディテクティブ・コミックス』#27の表紙を飾りました。その記念すべき初登場から、今年(202

もっとみる
【おしえて!キャプテン】#26「……絶対に、妥協しない」~ロールシャッハ誕生秘話~

【おしえて!キャプテン】#26「……絶対に、妥協しない」~ロールシャッハ誕生秘話~

『ロールシャッハ』ついに邦訳

2020年から2021年にかけて刊行された、トム・キングとホルヘ・フォルネスによる『ロールシャッハ』の日本語版がいよいよ今月刊行されます。読者の皆さんの中にも待望していた方が多いのではないでしょうか。

同書は、ヒーローコミックス界の金字塔『ウォッチメン』の続編の一つとして発表時から大きな話題を呼んでいたタイトルです。自分も原書を毎号、完結までずっと買っていました。

もっとみる
『デーモン・デイズ』日本語版刊行記念! 桃桃子スペシャルインタビュー

『デーモン・デイズ』日本語版刊行記念! 桃桃子スペシャルインタビュー

世界が注目する日本人アーティスト、桃桃子(ピーチ・モモコ)。2021年のアイズナー賞で最優秀カバーアーティストに選ばれただけでなく、マーベル期待の新鋭作画家を集めた「ストームブレイカーズ」の一員に選ばれるなどして快進撃を続ける彼女は、どのようなキャリアを辿ってきたのでしょうか。本人がアートとストーリーを手がけた話題作『デーモン・デイズ』の日本語版刊行を記念して、特別インタビューを実施しました。

もっとみる
『ベスト・オブ・キャプテン・アメリカ』刊行記念! キャップの本質とは何なのか?

『ベスト・オブ・キャプテン・アメリカ』刊行記念! キャップの本質とは何なのか?

キャプテン・アメリカの本質に迫ったエピソードを選りすぐってまとめた単行本『ベスト・オブ・キャプテン・アメリカ』が、7月21日頃に発売されます。今回はそれを記念して、本書の翻訳者であり、構成も担当している石川裕人氏による解説記事をお届けします。第二次世界大戦前夜に「反ナチス・ドイツの超人兵士」として誕生したキャップは、なぜ時代や国境をも超えたスーパーヒーローとして愛されるようになったのでしょうか?

もっとみる
【おしえて!キャプテン】#39 アンチヒーロージャンル作品について

【おしえて!キャプテン】#39 アンチヒーロージャンル作品について

キャプテンYことアメコミ翻訳者・ライターの吉川悠さんによる連載コラム。今回は、読者の方からいただいた「既存のヒーローコミックに対する批判的パロディとしてのアンチヒーロージャンルについて知りたい」という質問にお答えいただきました。

連載コラム39回目です。今回は「アンチヒーロージャンル」について頂いたご質問に回答していきます。

アンチヒーローって何?“アンチヒーロー”……なかなか込み入ったお題で

もっとみる
「坂本龍馬は大したことしてない」「織田信長は常識人」のような新説が生まれる意味を考える。(”司馬史観”の歪みはどこにあるのか?)

「坂本龍馬は大したことしてない」「織田信長は常識人」のような新説が生まれる意味を考える。(”司馬史観”の歪みはどこにあるのか?)

こんにちは、経営コンサルタント兼思想家の倉本圭造です。

今回は、最近「坂本龍馬は史実では大した事をしていない」という話がちょいちょいネットの噂話で聞かれるようになってきて、実際のところどういう感じなのか興味あったので調べてみる記事を書きたいと思っています。

あと、織田信長も、「実は信長は常識人で、長篠の戦いの鉄砲三段打ちとかもなかったと言われていて」みたいな話を聞くんですが、なんかこういう「時

もっとみる

短所を見るな、長所を伸ばせ

父はよく「短所を見るな、長所を見ろ、長所と短所は表裏一体、長所を伸ばせば短所は隠れる、長所を伸ばせ」と言っていた。
弟たちは成績優秀で、特に上の弟は美術、技術がオール5、下の弟は体育がオール5。かたや私はどれもパッとしない。オール3、時々2。

才能では全く恵まれていなかったと思う。そんな三兄弟のそれぞれの長所を、父はどう評していたかというと、「信の粘り、次男のひらめき、三男の集中力」と繰り返して

もっとみる

過剰に「正解」が供給される時代に何が価値になるのか?

ChatGPTの5がそろそろ出るそうですね。3から4にバージョンアップした時ははっきりとそれがわかるくらいにアウトプットの質が上がったので、また楽しみです。

しかし、こうなってくると、いよいよ「正解を出す能力」の労働市場における価値が激減していくことになります。

今日の日本では、いまだに「正解を出せる人=優秀な人」という人々のイメージは変わっていません。

カンファレンスなどで「優秀な人と聞い

もっとみる
ノーム・チョムスキー 『我々はどのような生き物なのか ソフィア・レクチャーズ』 : 巨人チョムスキーへの 〈誤解の構造〉

ノーム・チョムスキー 『我々はどのような生き物なのか ソフィア・レクチャーズ』 : 巨人チョムスキーへの 〈誤解の構造〉

書評:ノーム・チョムスキー『我々はどのような生き物なのか ソフィア・レクチャーズ』(岩波書店)

本書は、

・ 上智大学における、チョムスキーの2回にわたる講義・質疑応答の記録(ソフィア・レクチャーズ)
・ 翻訳者との対話(「チョムスキー氏との対話」)
・ 翻訳者によるチョムスキー紹介(「ノーム・チョムスキーの思想について」)

をまとめたものである。

そして「ソフィア・レクチャーズ」の第1回

もっとみる
僕はインスタやFacebookがそろそろ終わると思っている

僕はインスタやFacebookがそろそろ終わると思っている

「承認欲求」をベースにしたSNSは続かない いま流行っているFacebookやTwitter、インスタなどのSNSは、基本的に「承認欲求を満たす」ことがベースになっています。

 ぼくは、これは今後長くは続かないと思っています。

 特にインスタは、ただ「いいね」をほしいがために「フェイクの生活」を送って「フェイクの写真」をわざわざ撮るわけです。みんなからの「いいね」をもらうことを目的にすると、ど

もっとみる
1枚の写真を制作するのに3年もかかってしまった、その記録。 "Light Sculpture"

1枚の写真を制作するのに3年もかかってしまった、その記録。 "Light Sculpture"

丸山です。

先日、ウェリントンのビクトリア大学で「Light Sculpture」プロジェクトを紹介する機会を得ました。技術的な内容が多かったのですが、思いのほか好評でしたので、内容を一部整理して、こちらでもご紹介したいと思います。

水を撮ることの難しさ、面白さを感じていただければ幸いです。

Light SculptureHave You Ever Really Seen a Rainbow

もっとみる
本を読む習慣 — オバマ、ゲイツ、バフェット、出口 | きのう、なに読んだ?

本を読む習慣 — オバマ、ゲイツ、バフェット、出口 | きのう、なに読んだ?

こちらのQuartz の記事を読んだ。タイトルは「週5時間を学びに充ててない人は無責任だ」くらいの意味だ。

冒頭部分をざっくり訳す。

オバマ元大統領は、世界で最も多忙な人のひとりだったが、在任中、毎日1時間を読書に充てていた。なぜか?
史上最強の投資家であるウォーレン・バフェットは、若い頃から現在まで、時間の80%を読むことと考えることに充てていた。なぜか?
世界一の大富豪、ビル・ゲイツは、そ

もっとみる