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自分との対話

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#日記

For you

For you

あなたのことを知りたくて
あなたの日記を読んで
あなたの思いを知って
あなたの姿を
あなたの声を
想像する

あなたは時に辛辣で
あなたは時にチャーミングで
あなたは時にユーモアにあふれていて

あなたが日記を書き続けたのは
あなたがあなたであり続けるため

あなたが生きていたならば
あなたは何になっていただろう

あなたはあなたの日記が世界で一番読まれた日記だとは知らない

でもあなたはわかって

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美しい とは

美しい とは

「美しい」とは何であろうか。
と、今更ながら語源を調べてみた。
「羊」+「大」=「美」
その昔、羊は神事の際の献物として供えられており、大きいものほど価値が高く、善いものとされていた。そこから「美」という漢字が生まれ、「美しい」の意味に用いられるようになった。

つまり、大きくて立派なものが善い、
それこそが美しい
ということだ。

が、いまいちピンとこない…

大きい羊を想像してみたが
美しい…

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仕事始めに思う

仕事始めに思う

今年の干支は牛
牛と言えば
ゆったりした、おおらかなイメージがあるが、
世間はのんびりムードとはいかない。
好転の兆しがまったく見えない中、緊急事態宣言を検討すると話す総理に対しては
いくら牛年だからと言っても
スピード感がなさすぎる、と言わざるを得ない。
 
首都圏の医療現場、病床はもう、ぎゅうぎゅう

ぎゅうぎゅう詰めで、それこそ「みつ」

ふざけていません、本当の話。

年は明けても
明けま

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陰と陽と

陰と陽と

カメラを洗う
ぬるま湯の中で
泡立てたスポンジでやさしく洗う
ボタンを外して
ブラシを使って
中までゴシゴシ洗う
シャワーで流して
洗浄機の中へ入れて機械浴
消毒済んだら
いっちょう上がり!

「あと何分で上がる?」
「あと2分!」
「じゃあ、次の人、もう呼び入れていいね。」
「いいよー」

カメラを洗う?
洗えるの??
機械浴?消毒?

カメラとは写真をとるカメラであるが、
体の中、胃の中、腸の

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空っぽ

空っぽ

予約リストにその人の名前を見つけると
もう年末だなぁと思う。

年に一回しか会わないが
インパクト大なその人とは

ズバリ年末デトックスのために病院へやって来るAさん(仮)
胃腸を空っぽにしてやって来る。

つまり胃カメラと大腸カメラをセットで受けに来る
ということである。

毎年年末に検査を受ける事がAさんにとっては恒例行事、儀式のようなものである。
普段外来にかかっているわけではないのに、先生

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冬の花火

冬の花火

クリスマス礼拝に参加した母
私は仕事、娘は学校であったため参加できなかったが、母からチャプレンのお話を聞いた。

感慨深く、温かなお話であった。

その教会は病院の敷地内にある。
ある日、近くの河川敷で花火が上がった。 
秋まつりだろうか
昨年の台風被害に続くコロナ禍、各地での大きな花火大会は軒並み中止
しかし、復興への願いやコロナ禍を乗り切ろうという応援、祈りを込めた花火が規模を縮小して打ち上げ

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「自分」という「パズル」

「自分」という「パズル」

noteを書きながら ふと思った。
書くことで「自分」と対話しているんだなと。
そして、このnoteは自分自身に向けて書いているのだと。 
他の誰でもない「自分」に向けて書いている。
いちばんの読者は「自分」なのである。
だから自分が書いたものを何度も何度も繰り返し読んでいる。
「スキ」の数以上に読んでいるんじゃないかと思うぐらいである(笑)
だから自分が読みたいことを書けばいい。
「自分」という

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医療従事者による医療従事者への差別 「差別発言」から「読書の意義」について考える

医療従事者による医療従事者への差別 「差別発言」から「読書の意義」について考える

コロナ禍において、その最前線で働く医療従事者への偏見・差別の問題がある。

私は現在病院で外来、内視鏡室、ドック健診の3部門を兼務している。なんでも屋みたいな感じである。
発熱外来を設けて、トリアージ診療を行っている病院は多く、自身の勤務する病院でも発熱外来にてコロナウィルスの抗原検査を実施している。
厚労省のマニュアルを基に院内マニュアルを作成し、正しい知識と技術にもとづき実施しているので、自身

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「やさしさ」は「つよさ」があってこそ

「やさしさ」は「つよさ」があってこそ

世間では看護師といえば「やさしい」という形容詞で語られることが多い。
また、「人の世話をするやりがいのあるいい仕事」というイメージもあるだろう。
確かにやりがいがある仕事だと自身は感じているがそれは全てではなく、一部である。
よいイメージが強調されると、交代勤務の厳しさや医療事故などのリスクと隣合わせの現実は薄らいで見えてしまう。
一部が全体のイメージを構成してしまうことに違和感を感じるのである。

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「落ち着け〇〇、落ち着け!」発言から考えたこと

「落ち着け〇〇、落ち着け!」発言から考えたこと

「看護師にはパッション、熱いこころも必要だ。
けれども、それ以上に冷静なこころも必要なんだよ。」

ある日、主任と一スタッフの話し合いがヒートアップし、お互い主張を譲らず、言い争いへ発展した。
周りのスタッフは口を挟めずにいたところ、診察室でやり取りを聞いていた先生が放った一言である。
まさに鶴の一声、お互いバツが悪そうに黙ってしまった。
「頭を冷やせ」ということなのだが、こうしたことは日常的によ

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医師と看護師の日常の一コマから「信頼関係」について考える

医師と看護師の日常の一コマから「信頼関係」について考える

とある冬の日の帰り道
横断歩道にて信号待ちをしていた時である。
ふと今来た道に目を向けると、ひとりの人が手を振る姿が見えた。私に手を振っているんだろうか?
周りを見渡してみたが、私しかいない。でも…誰??

「おーい、オレだよ、俺。やっと気付いたか。手を振ってもキョロキョロして、私知りませんみたいな振りして、可笑しかったな〜」
「オレだよオレ、なんて言われて、オレオレ詐欺かと思いましたよ!まさか先

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「表現する」ことは「カミングアウトする」こと

「表現する」ことは「カミングアウトする」こと

好きなことや思いついたこと、考えたことなどを記録しておく自由帳のように使ってみよう、と思ったのが、noteを始めたきっかけである。
また、自分の日常とは離れた場で自分を表現してみたかった、というのもある。
なので、詳しいプロフィールはあえて書かずに、発信し始めた。

看護師であることも名乗るつもりはなかった。
というのは、世間の看護師に対するよくあるイメージ、
いわゆる3K (もはや死語?今は9K

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「カルテを読む」ことから「文章を書く」ことについて考える

「カルテを読む」ことから「文章を書く」ことについて考える

時代はペーパーレスであらゆるものの電子化が進んでいる。病院も然りで、電子カルテが主流であるが、紙カルテも根強く存在する。

医師のみならず、看護師も看護記録を記載する。看護師の場合、記載にあたっては決まり事がいくつかある。まず書き方の型式や使ってもよい略語、正式名称で記載しなければならない用語、長々と書かないこと、簡潔明瞭に誰が読んでもわかるように書くこと、などなど事細かい決まり事がある。病院によ

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「メメント・モリ」 死を想え

「メメント・モリ」 死を想え

一枚の写真がある。
真ん中に映るおばあちゃんを家族が囲む団らんの風景。
現像した時、驚いた。
無数の発光体がシャボン玉のようにちらばっていたのである。
しかし、不自然さはなく、発光体によって穏やかな雰囲気をかもしだしていた。

数日後、おばあちゃんは亡くなった。

おばあちゃんは私の祖母ではない。
当時私が受け持っていた患者さんである。
今から10年以上前、看護師としてはまだまだ新人の頃である。

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