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IDx | IDL magazine

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多様な背景を持つIDLメンバー(=IDLists)が、国内外のデザイントレンドや、仕事や生活するうえで日々感じているちょっとした「問い」や「気づき」を、わかりやすいストーリーとと…
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#デザイン

「音」により創造性を飛躍させる人材育成プログラム「Sound & Thinking」の最前線

「音」により創造性を飛躍させる人材育成プログラム「Sound & Thinking」の最前線


第12回Xデザインフォーラムに登壇暦は9月。
所属するインフォバーンの新しく小さな部署である「組織文化デザイン事業部」に異動し、6ヶ月目が始まった。

その間、「Sound & Thinking」というサービスの開発・リリースに中心的に携わってきたわけであるが、先日2024年9月1日(日)に開催された第12回Xデザインフォーラム『カルチャー×チーム×デザイン』の「オープンセッション:口頭発表」枠

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デザインストラテジストとは何者なのか

デザインストラテジストとは何者なのか

私は「デザインストラテジスト(Design Strategist)」という肩書で仕事をしている。
いわゆる”デザイナー”の肩書としては「UXデザイナー」あたりは、いまや市民権を得て、通りがよくなってきているように思うが、デザインストラテジストはまだまだ知名度は低い。
はたして「デザインストラテジスト」とは何者なのか?

高度デザイン人材育成ガイドラインの定義2019年3月に経産省と株式会社コンセン

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アウトプットではなくプロセスから価値を生み出す、デザインリサーチの新規性とは - IDL/R Design Dialogue vol.17

アウトプットではなくプロセスから価値を生み出す、デザインリサーチの新規性とは - IDL/R Design Dialogue vol.17

IDLが様々な角度からデザイン実践をテーマに対話するPodcastコンテンツIDL/R Design Dialogue。第17回のテーマは「デザインリサーチ」。

5月27日に登壇するRESEARCH Conferenceに向け、改めてIDLのコアとなる「デザインリサーチ」という方法論をテーマに、辻村と遠藤のディスカッションを記録しました。

日本ではまだ、市民権を得ているとは言い難いデザインリサ

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「N=1発想」について考える

「N=1発想」について考える

先日、敬愛する木村石鹸工業株式会社の木村さんのツイートに(勝手に)とても共感というか、インスパイアされた点を感じたので脊髄反射的に反応して、考えが未だまとまらないうちに下記のようなツイートをしてしまいました。

木村さんのツイートは、作家の高橋源一郎さんが『さようなら、ギャングたち』という作品を書かれた際に、同じく作家の吉本隆明さんたったひとりに向けて書いたというもので、そのことにシビレたわけなん

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「デザイン思考」って、何のことを言うてはりますのん?

「デザイン思考」って、何のことを言うてはりますのん?

この記事、すごく良記事だと思いました。皮肉です。

https://www.technologyreview.com/2023/02/09/1067821/design-thinking-retrospective-what-went-wrong/

なぜかというと、「デザイン思考(design thinking)」が、いかにIDEOとd.schoolが色々な事情を加味して手法論化した「創造的問題

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手触り感のあるコンセプトメイキング:ゲストTangity 村岸 史隆さん / 石澤 知紀さん -IDL/R Design Dialogue vol.16

手触り感のあるコンセプトメイキング:ゲストTangity 村岸 史隆さん / 石澤 知紀さん -IDL/R Design Dialogue vol.16

IDLが外部のデザイナーの方々をゲストにお迎えするPodcastコンテンツIDL/R Design Dialogue。第16回のゲストは、数々のプロジェクトでIDLと協業するNTTデータのデザイナー集団「Tangity」の村岸 史隆さんと石澤 知紀さん。

BUSINESS INSIDER JAPANでのインタビュー記事に寄せて、「コンセプトメイキング」をテーマにアフタートークを収録しました。

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京都のモノづくりをアップデートするデザインとは?北林 功 × 井登 友一対談イベントレポート

京都のモノづくりをアップデートするデザインとは?北林 功 × 井登 友一対談イベントレポート

人間中心デザイン・UXデザインの分野で、20年以上実務家として活躍してきたインフォバーン取締役副社長 井登 友一が上梓した初の単著『サービスデザイン思考 ―「モノづくりから、コトづくりへ」をこえて』。IDLは、この一冊を軸に様々なゲストと共にイベントを開催し、多様な視点から「デザイン」や「モノづくり」について対話を重ねています。

本記事では、2022年12月に開催されたイベント「京都のモノづくり

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デザインリサーチ:デザインとリサーチの絡まり合い

デザインリサーチ:デザインとリサーチの絡まり合い

Research Canferenceに登壇させてもらった関係でアドベントカレンダーに参加させてもらってます。何年か前からアドベントカレンダーなるものがあるなぁと思ってましたが初めてお呼びがかかって参加している次第です。
木浦さんからデザインリサーチやらユーザーリサーチやら自由にお題を設定していいと言うことで気が楽になるなか、最近書いている論文のことが頭から離れず、それと関係するリサーチとデザイン

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小さなコンポストがひらく「循環」のデザイン

小さなコンポストがひらく「循環」のデザイン

ここ数ヶ月、立て続けにコンポストを扱う機会に恵まれた。それ自体のポテンシャルを実感するとともに、サステナビリティにおけるしくみの大切さについて考えをめぐらせることになったので、ひととおり書き綴ってみたい。

子どもたちへの感嘆と、さらなる可能性と今年はやたらと「コンポスト」づいていた。
コンポストとは、生ごみをはじめ有機物を分解・発酵させて堆肥をつくる取り組みのことだ。近年は扱いやすいプロダクトも

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デザインとコンポストの交差点

デザインとコンポストの交差点

庭がなくても、一人暮らしでも、ベランダさえあれば簡単にコンポストができる。まだまだ耳馴染みのなかった「コンポスト」というライフスタイルをグッと身近にした、グレーのフェルトのバッグ。SNSや雑誌で見覚えのある方も多いのではないだろうか。

コンポストバッグの製造販売を手がけ、ブームの立役者となったのが、ローカルフードサイクリングさん。(以下LFC)堆肥化のスピードを速め悪臭を抑える独自の土の配合は、

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ビジネスチャンスは転がっているものではなく、探索するもの【TLLイベントレポート #4】

ビジネスチャンスは転がっているものではなく、探索するもの【TLLイベントレポート #4】

7月29日に行われたイベント「“しごと“を見つめ直すフィールド 〜ローカルイノベーターの宝庫:京丹後に学ぶ〜」のレポートシリーズ最終回。京丹後へ事業を立ち上げたお二人と、コンソーシアムを率いる長瀬さん、そして外部企業としての立場で参画するIDLの白井さんの4人で、それぞれの異なる視点から「京丹後×仕事」のテーマでディスカッションしました。
(ここまでの流れは下記3編をご参照ください。)

まず一つ

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イノベーションにコミュニティは不可欠。リビングラボの価値創造とは【TLLイベントレポート#2】

イノベーションにコミュニティは不可欠。リビングラボの価値創造とは【TLLイベントレポート#2】

7月29日に行われたイベント「“しごと“を見つめ直すフィールド 〜ローカルイノベーターの宝庫:京丹後に学ぶ〜」のレポート第2弾。当日に会場に流れていた空気や登壇者の熱をお伝えすべく、トークセッション形式で記していきます。

山下:司会を務めます、丹後リビングラボの山下と菊石です。最初のセッションは「丹後リビングラボから見る“先進的”な京丹後の特性」と題し、京丹後市行政から若林さん、丹後リビングラボ

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【丹後リビングラボイベントレポート#1】 “しごと“を見つめ直すフィールド 〜ローカルイノベーターの宝庫:京丹後に学ぶ〜

【丹後リビングラボイベントレポート#1】 “しごと“を見つめ直すフィールド 〜ローカルイノベーターの宝庫:京丹後に学ぶ〜

自然豊かな、京都北部の海沿いのまち京丹後市。人口5万人程度の、決して大きくはないこのまちで今、感度の高いイノベーターが集まり、共創の循環が生まれているのをご存じでしょうか。IDLが立ち上げから参画している「丹後リビングラボ」は、この地での新たな取り組みに挑戦しやすい環境づくりを担っています。7月29日には、京丹後のユニークな取り組みを知ってもらうことを目指し、「“しごと“を見つめ直すフィールド 〜

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企業にとってのフィールドの意味

企業にとってのフィールドの意味

価値を探り、生み出すためのフレームワーク前の記事では、これまで僕自身が取り組んできたソシエタルデザインについて、さわりとなる考え方を書いた。
それは社会と企業、生活者とをつなぎ、新たな価値を生むデザインのこと。
リビングラボをはじめ、さまざまな共創の取り組み・しくみが生まれている。

これらのプロジェクトが生まれる前段に、価値探索フェーズがある。
課題や価値の源泉は、所与のテーマや固有の産業だけと

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