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求職リアル‼

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人生何度目かの求職活動。 生活の大半を占める仕事という、生きて行くための居場所探しは、社会に出て働くという現実の難しさと厳しさをまざまざと見せつける。 働くことは生きることなのか…
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#時間

7月5日

 母が通う美容室から、ヘナ講習会の誘いを受けた。講習費は無料で、材料やテキスト代もかからないらしい。人と出会うことのない昨今。それどころか、コロナ禍と無職の引き籠りが被って以来、身内やご近所以外と会話することさえなかった。特に興味を引かれたわけではないが、将来的に何か役立つかもしれないし、時間だけはある。気分転換に参加することにした。
 ルートを調べると車で10分の距離。しかしナビにその場所は表示

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6月24日 ①

 前職を離職してから、新年度開始を目途に再就職したかったこともあって、有休期間中も一日の生活リズムを極力変えないように努めていた。勿論、出勤して勤務し、終業後帰宅する…という、仕事に関わる一連を辿って暮らすことは出来ない。しかしその時間を畑仕事や家事に費やし、仕事の検索という作業に充てたことで、リズム自体は大きく変わらなかった。肉体労働が増えたことで、体力の消耗はこちらの方が激しかったほど…。
 

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6月19日

 自分の中に滞っている気持ちをどう処理して良いのか判らないまま、時間だけを持て余している。何もする気が起きないのに、時間の経過には焦りを感じる。しかし何をどうして良いのか、どうしたら良いのか、私の脳みそでは解決方法が見付からない。
辿り着くべき場所は必ずあって、いつかちゃんと辿り着けるという気持ちだけは何故か揺るぎなくあるのに、その〝いつか〟が一体いつなのか、私が望んでいる〝いつか〟はとっくに過ぎ

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6月8日 ①

 母の仕事が〝待機〟になっていたため、乗じて早起きせずにおいた。犬の食事介助も時間がずれるため、帰って来てくれなければ動けない。当日を迎えても気乗りしなかったが、面接は午後2時半から。早いうちから用事を済ませれば、平日の気分になり、午後からのローテーションが狂うことがストレスになる。極力何もしないことに反って緊張するが、体力だけでも温存しておかなければ気持ちが萎えそうだった。
 たらたらしていると

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6月7日

 応募を決めたものの、積極的になれない面接を辞退するかどうか、ぎりぎりまで迷う。やれることだけ全部やろうと思い立ち、深夜になってから応募書類を用意。応募の確認が取れていないもう1件に関しても準備し、翌日電話への責務から逃げないようにメモを記す。リストアップしていると、それをひとつひとつクリアしていく達成感を持てる。自分を鼓舞する必要があった。
 ずっと表示される保育関係の求職サイトの広告。待遇の良

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6月5日 ①

 2度目の認定日。嫌な気持ちで出掛ける。
 どう頑張っても、やはりハローワークは苦手。学校を卒業して初めて行ったときより、随分明るく綺麗になってはいる。それでも照明を落とした薄暗い室内や、天井の低い閉塞感は気を滅入らせる。そもそも窓…あっただろうか?
 失業保険の給付を受けるには行かざるを得ない場所だが、就活が進まない状態で、希望を持って出かけたくなるような場所では決して無い。
 バイクで行くと、

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5月25日

 今回の就活では、年齢の問題が大きな妨げになっているような気がして、前回ほど前向きでいられなくなっている。その一方で、【自分が辿り着くべき場所が必ずある】という確信だけが揺るぎなくある。何の保証もないのに、『そうでなければ困る』と思っているからであって、また、去年たった一度成功したせいで、今年何度失敗しては落ち込んで絶望的になっても、這い上がり続けているのだ。
 とはいえ希望が無いのには変わりなく

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5月18日

「9月に結婚します!」
 妹から昨日来た突然のメッセージに、生活が荒れる。
 派遣の仕事を始めて、少し落ち着いた様子だったせいか、珍しく一週間連絡がなく、犬の通院報告を兼ねて、その後変わりないか尋ねたところ、彼氏が出来たと聞いたのは先週金曜日。その二日後の結婚宣言だ。
 年末に、数ヶ月付き合った相手と破局したらしいと聞いたのはこの春。その後、ビョウキ再発で家族を振り回し、コロナの自粛で再び振り回し

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4月22日

 昨日と打って変わって、何も動かない。そして何ひとつ予定通りに行かない。
 生活リズムを整えようとしたら、余裕が出来たせいで自分を甘やかしただけになった。
 畑の水もスッキリ掃けず、新たな開拓が出来ない。中途半端に草を引き、同じところを辿っただけ。夕方、鳥に突かれた苺にネットを掛けて防御を図ったが…。
 自分のための時間の使い方が上手く行かない。家庭内貢献が出来ただけ善しと捉えなければ何の意味も持

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4月20日

 仕事のことを殆ど考えない土日を過ごした。情報が滞り、生活リズムも狂うので、優先順位も判らなくなってくる。土日はあらゆる意味で〝休み〟と思い、それに伴う行動に努めたいものの、まるでリズミカルにいかない。とっても時間を無駄にした気がしたまま、週が明けた。
 緊急事態宣言発令中の放送が3時間おきに3回鳴る。
 家の前の学校から子どもの声がしないことは、無職で求職中で転職が上手く進まない身の上には不幸中

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4月15日

 すっきりしない一日。
 収穫も無し。
 因って希望が無い。
 先日の雨で畑の状態も悪いので、捗らず、達成感も無い。他所の畑のおじさん、おばさんが声を掛けてくれるが、彼らに比べて随分若い私が、毎朝畑に来ていることを不審に思っているのが手に取るようにわかる。そりゃ、そうだ。コロナショックに陥って外出自粛規制が掛かっているとはいえ、仕事に出掛けている人もいるのだから…。
 仕事を引き継いだ相手と連絡が

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4月7日

 珍しく、電話がよく鳴る一日だった。
 深夜1時に鳴った妹からの電話。過呼吸で救急搬送されたという本人からの連絡だ。昨年に引き続き、恐らく2度目。そんな時間に連絡して来ること自体、意味がわからない。東京と大阪で、しかもこんな社会情勢の中、何をどうせいと言うのか。心配かけたいだけなのはわかるが、振り回されていては身が持たない。冷たいが、既に限界である。私はスルーしたが、電話を取った母は不眠に陥って睡

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