4月7日

 珍しく、電話がよく鳴る一日だった。
 深夜1時に鳴った妹からの電話。過呼吸で救急搬送されたという本人からの連絡だ。昨年に引き続き、恐らく2度目。そんな時間に連絡して来ること自体、意味がわからない。東京と大阪で、しかもこんな社会情勢の中、何をどうせいと言うのか。心配かけたいだけなのはわかるが、振り回されていては身が持たない。冷たいが、既に限界である。私はスルーしたが、電話を取った母は不眠に陥って睡眠不足。現在唯一の稼ぎ手なのに…。コロナウイルスによる緊急事態宣言発令に伴い、朝から俄かにバタつく。
 面接の時間変更の電話が鳴るが、面接は明日。相手が勘違いしていた。
 夕食の下ごしらえが長引き、畑に行ったが、妹のことを地主に愚痴るのに時間を費やしたせいで、作業は進まず…。犬だけが金柑の木の下で気持ち良さそう。猫が至近距離まで近付いても気が付かないほどよく寝ていた。起こして帰るのが申し訳なかったが、昼も過ぎて帰らなければ、何も出来ない。忍びないが起きてもらった。
 家電にも携帯にも着信アリ。二度目で受けたらしい父のメモで、妹の無事を知る。報告に対し、連絡は控える。同じ話の繰り返しで疲れ、時間を取られるだけになるのは目に見えている。
 面接予定の施設情報をHPで探る。求人の内容がどれだけ本当なのか疑うような概要。話を聞かなければわからないことだらけな気がする。一先ず社会勉強と思って臨むしかない。
 他の求人はまるで収穫なし。相変わらず他府県の求人が多い。ハローワークは数の割に、ろくなものが無い。法定時間さえ守られていないのに、いずれも馬鹿にされているのかと思うくらい薄給揃いだ。
 今朝のニュースで、2月の一人当たりの平均月収が、26万円だったと言っていた。平均で26万も貰っているなんて考えられない。いかに私は収入が低いのかと凹んだ。
 明日、面接だが、やはり給料は安すぎるのだと考えたら意欲が失せる。かと言って、26万もくれるような求人、何処にあるんだろう…。就職氷河期世代の転職に、明るい未来はないのだろうかと思ったら、余計に身動きが取れなくなる気がしている。
 夕方、図書館から電話。緊急事態宣言により、明日、引取り予定だった予約本が、受け取れなくなった。図書館自体は休館中だが、予約が届いている人に関しては、引取りを実現させるための策だった筈。更に予約を追加し、再開まで本が尽きないように…と思っていたのに…。活字中毒なのに、もう、読む本が無い。予定がどんどん狂って行く。
 夜、前の職場のトップから電話が入る。緊急事態宣言の影響で、明後日の離任式は中止になったという。そうであろうと思ったし、元々行かないと伝えていたので驚かなかった。
 不要不急の外出を控えるように…とのお達しが、今まで以上に幅を利かせる事態になる。百貨店も何処も休業を発表し、個人店などは廃業を決めたところもあるとか…。失業者が溢れるであろう中、私は自分の事しか出来ない。こんな状態で、明日、本当に面接に行っても良いのだろうか…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?