マガジン

  • 平凡非凡の狭間にて

    平凡な日々の中で、時折ほんのちょっと顔を出す非凡な刺激が、人生を面白くする。それに生かされ、今がある。そんな見逃しがちな命の糧について綴りました。

  • 求職リアル‼ 2

    終わらない職探しの日々、第2弾。 十ヶ月を経て再開。

  • 求職リアル‼

    人生何度目かの求職活動。 生活の大半を占める仕事という、生きて行くための居場所探しは、社会に出て働くという現実の難しさと厳しさをまざまざと見せつける。 働くことは生きることなのか、生きることが働くことなのか。 すったもんだの現在進行を、リアルに綴ります。

  • 出戻り小学生

    根っからの学校嫌いが大人になって、まさかの学校で働くことに…。 現場における謎と不思議、笑いと感動に溢れた日々の記録。 今でも、戻れるのなら戻りたい…。

  • コロナ日記

    コロナになりました。今更…。 基本健康体も流行に乗った、コロナ生活の記録。

最近の記事

不味い蜜柑 ①

 みかんの季節になった。  今まで生きてきて、一番たくさん食べてきたものは何だろう…と考えた時、それはもしかしたら〝みかん〟かも知れないと思った。  母の里は産地の海沿いで、祖父母はみかんを育てていた。みかん農家というわけではなく、普通に自分たちで食べるために…である。  時には売ったりもしたようだが、それで生計を立てていたのではなく、沢山出来たから買ってもらう程度のもの。自分たちが食べる以上に、大方が親戚筋に配られ、送られ、無償で他者の口に入る運命のみかんたちだったというわ

    • 悔いと思考とお天気と ③

       天気がひとつではない理由は、実はそれが人の人生と同じだからなのかも知れない。天気が人生に似ているのか、人生が天気に似ているのか、そんなもの、人が勝手に思うだけで、そもそも何の関係もないのか、本当のところは判らない。勝手な解釈でしかない。  しかし気分が滅入っているとき、好天が続くのは酷だと身に染みて感じている。   明るすぎる。  眩し過ぎる。  特に春先の好天は暑すぎず寒すぎ、体には唯々快適なので余計に負担を感じる。つまらんこと考えてんと、しっかり前向いて元気に生きろ!と

      • 悔いと思考とお天気と ②

         彼は言った。  ポジティブな事を考えればポジティブに、ネガティブな事を考えればネガティブになる。そう信じる事によって自分が求めている物を引き寄せる。引き寄せの法則ってやつだ。言葉に出すのも同じで、ポジティブな発言を繰り返していれば、良いことは向こうからやって来る。ネガティブな発言を繰り返していれば、良いことは起こらない。〝言霊〟ってやつらしい。  依って、元気じゃなくても「元気か?」と聞かれれば「元気だ!」と言った方が良いというのだが、元気じゃないのに元気だなんて言えねぇよ

        • 悔いと思考とお天気と ①

           朝、起きるのが辛い。  元々夜型だが、だからというわけでも、低血圧だからという理由からでもない。明日という近い将来にも、一年先の少し未来にも、勿論もっと先のことにさえ、まるで希望が見出せないからである。  先のことを考えすぎてはいけないのは、過去の経験から充分学習した。それによって自分は随分変わったはずだった。確かに変わったのだ。  しかし今回はダメージが大きすぎて、未だに復活出来ていない。復活するきっかけが掴めないばかりか、兆しさえ見当たらない。方向転換のチャンスがあった

        不味い蜜柑 ①

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        • 平凡非凡の狭間にて
          54本
        • 求職リアル‼ 2
          57本
        • 求職リアル‼
          97本
        • 出戻り小学生
          51本
        • コロナ日記
          23本
        • 小説
          2本

        記事

          警察にお世話になりました? ③

           一番近くにあるガソリンスタンドは、金額を表示していない。方角的に、普段利用する機会はなかったが、ある時切羽詰まってバイクを乗り入れた。請求された金額を見てびっくり!相場の倍ほどの値段である。もう二度と行かないと決めた。  しかしそのガソリンスタンドは、公的機関御用達の店であるらしい。警察のバイクや役所の公用車が利用しているのをよく見かける。何故あんなに高い店が使われているのか、疑問ばかりが膨らむ。そのガソリン代、税金から払われているのではないのだろうか?  何のパトロールか

          警察にお世話になりました? ③

          警察にお世話になりました? ②

           仕事の帰り道、自宅まで残り数百メートル…という場所で火事があった。  住宅密集地で、車も通るが離合が難しい狭い道。消火活動のためこの先は通れないのだと、一人の警官が道を塞いでいた。車はダメだがバイクや自転車は通れるのだろうか…とそのまま進むが、「ここは通れません」と止められる。しかしここを通らなければ帰れないのですが…。この先の信号を渡らないと、住居へ続く道へは出られない。事情を説明し、何処をどう通ればこの先の信号へ出られるのか尋ねる。 「そんなんわかりません。自分でスマホ

          警察にお世話になりました? ②

          警察にお世話になりました? ①

           警官は日常的に見かけるが、積極的に関わるような場面は殆どない。と思っていたら、以前、珍しい形で声を掛けられたことがあったのを思い出した。  夜、例の十中八九行く大きめの公園に、犬と散歩に出かけた。  この夜は私たちしかいなかった。公の園のど真ん中で『よっこらしょっ』と腰を下ろす犬。彼の散歩には、半分くらい〝休憩〟が入る。休憩すると言い出したら押しても引いても動かないし、挙句の果てに身を横たえて寝だしたりするので、ある程度はこちらもお付き合いしなければならない。  公園のど真

          警察にお世話になりました? ①

          警察にお世話になりました ③

           二度書いて、『三度目はありませんように…』と思っていたのに、まさかの三度目が起こった。と言っても、全て自分から関わって行っているような事情。放っておけば関わらずに済んだのに、自分からって…これ、本当に必要だったのか?とそろそろ自らを疑い始めている。 〝出しゃばり〟とか〝お節介〟とか〝余計なお世話〟とか…。いずれも誰かに言われたことはないが、もしかしたらそう思われるようなことだったのかも知れないし、三度の間隔が一ヵ月半と短すぎるので、自分で自分に戒めを科す必要がある気にもなっ

          警察にお世話になりました ③

          警察にお世話になりました ②

           夜、大きめの公園に犬と散歩に出かけた。毎晩十中八九行く。彼が刺激を求めて他の旅路を要求しない限りは…。  園内に外灯はあるが、殆ど暗闇。時々若者が集って騒いだり、カップルが密会していたりするが、犬と我は気にしない。だって此処は公園。公の園である。税金払ってるんだから利用させていただきますよ。ってな具合で、犬と人間は、夜遊びしている人々を気に掛けない。不審がって近付こうとしないのは我が母親の方で、ある意味気遣いが出来るとも言えるが、無頓着と言うべきか、娘の方が妙に肝が据わって

          警察にお世話になりました ②

          警察にお世話になりました ①

           と書くと、とっても悪いことをして、頭を下げて出てきた感じだ。 〝二度あることは三度ある〟と言うし、三度目なんて無い方が良いと思うので、『三度ありませんように…』と願いつつ、こういうタイトルにしてみました。  とはいえ、お世話になるようなことをしたつもりはない。結果的にお世話になっただけなのだが、私の〝余計なお世話〟で〝お世話になった〟と言うのが正しい気がする。なんや、余計わからん感じもしますが…。  会議のため、たった一駅だが、電車に乗った。改札を出て階段を下っていると

          警察にお世話になりました ①

          承認欲求について調べてみた

           近年テレビで、【承認欲求】という言葉を度々耳にする。  あまりにも物事が上手くいかず、人並みに生きられていないと感じるばかりか、自分の存在価値に疑問を抱き始め、この世に私はいらないのではないか…と本気で考え始めている今日この頃。  一方、連日のように事件や事故が起こり、見知らぬ誰かの未来に突然幕が引かれてゆく。無駄に生きている私にはまだ明日という未来が残されているというのに、誰かから必要とされ、ありとあらゆる夢や可能性を秘めているかも知れない人々の人生が、突然無くされている

          承認欲求について調べてみた

          「就職氷河期世代」集中支援策

          【厚生労働省は二十九日、バブル崩壊後の就職難で安定した職に就けなかったり、引きこもったりしている「就職氷河期世代」の集中支援策を公表した。】  起き抜けの身支度中、朝のラジオで耳にしたのは数年前。  思いがけず浮足立ち、直後に早速調べてみた。  先ず、《就職氷河期世代》とは…  就職難に陥った一九九三年頃~二〇〇四年頃の約十年、就職氷河期と呼ばれた時期に高校や大学を卒業した、現在三十代半ばから四十代半ば頃の世代(支援策発表当時)を指す。  バブル経済崩壊後の景気後退で企業

          「就職氷河期世代」集中支援策

          〝比べる〟は愚かか?

           子どもは自分の親を選んで生まれてくるのだという。そうなのであれば、豊かな家庭を選んで生まれてくる子どもが多いことは当然とも思える。  では経済的に貧しかったり、親自身に課題が多すぎて不幸な末路を辿った子どもも、その親を選んで生まれてきたと言えるのだろうか?  一方、子どもを望んでいても、恵まれない家庭というものはある。望んでも、努力しても子どもを得られない親というのは、子どもに選んでもらえる価値がないということなのだろうか? 〝子どもは自分の親を選んで生まれてくる〟という話

          〝比べる〟は愚かか?

          愛と恋と死と

          『年下は何を考えているかわからない』  いつからか、そんな偏見が自分の中に沈むように潜んでいた。  年下といっても、何を考えているのか解らないのは、大人の男性に限る。必ずしも、すべての…というわけではなく、何の抵抗も無く心を開いて話をしてくれるタイプの人には当てはまらない。彼らは、私が決して苦手ではない子どもや年上の男性と大差がないからだ。年齢とは反比例して、ただ純粋に無邪気であるか、心が年齢以上に成長して、立派に大人であるかだから…。 〝年下〟というのには、我が弟も含まれる

          愛と恋と死と

          尽くす女 ②

           数ヶ月後、長らく連絡が途絶えていた友人二人と、約二年ぶりに再会して食事をする機会を得た。連絡が途絶えた理由が解らず、もやもやしていたのは私だけで、実際、それぞれ『おかしいな』とは感じていたらしい。唯、それ以上追及しなかったのは、一人は休日の度に恋人のところへ赴き、もう一人は思い立って起業。二人共、特に変わらずのうのうと生きていた私と違って、以前とは生活ががらりと変わり、多忙を極めていたせいであったのだと想像した。  恋人との関係が忙しい彼女は苦労人で、恋人が出来たことは喜ぶ

          尽くす女 ②

          尽くす女 ①

           先日出先で、少々理解に苦しむ光景を目にした。  この日は月に一度の観劇の日。駅から劇場へ向かう為、ショッピングビルを通って外へ出ると、丁度雨が降り始めた。  梅雨の最中、事前の天気予報でも雨マークを示していたので、傘は常備している。横断歩道の信号が赤だったこともあって、私は一旦、屋根のあるところまで数メートル戻ってから傘を差し、再び横断歩道まで進んで信号待ちをしていた。  歩行者の八割は女性。行き先も恐らく同じであろう。そこへ、大柄な男性が一人、女性の集団を掻き分けるように

          尽くす女 ①