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昔語り : イギリス英語が間違った英語だった時代
今から約30年前ほどのこと。
筆者は大学で英語を専門に学ぶ学科に入ったのだが、そこで一か月以内に同級生からかなり厳しい言葉を浴びせられた。
ある同級生が授業の後つかつかと寄ってきて、大声で「あなたの英語は間違っているのよ!」と言った。
大学に入る前、筆者は親の仕事の関係で中学の途中からイギリスで暮らしていた。かの地ではなかなかアメリカ英語に触れることも無く、そのまま地元の発音やスペリングを学
小説:バブル期の日本 : 帰国子女はずるい
あたしは人に負けない。絶対。
小さなころからあたしはアメリカに憧れてた。
昭和の時代、日本はアメリカの情報で溢れていた。
アメリカはやっぱりすごい。
何においてもすべての分野で世界で抜きん出て優れている国。
スケールが日本の何倍も大きくて、自由がある国。
世界一強くて影響力のある国。
豊かで、一流の物が数限りなくある国。
模範にすべき国。
追いつけ、追い越せの国。
素晴ら
昔語り : インターナショナルスクールの日本人生徒の狭い世界
その朝はどんよりと曇っており、雪でも降りそうなくらいの寒さだった。
カーテンを開けるとようやく朝日が昇ってくるのがわかる。
昭和61年。一月のロンドンの朝は気の滅入るものだった。まだ朝も明けきらないうちから起き出し、朝食をとる。出かける支度、といっても筆箱と小さいノートとお財布、そしては母が作ってくれたお弁当を入れるだけだ。
「じゃあ行ってきます」
「気をつけてね」
「うん」
そう言って
エッセイ:「ありがとう」と「お願いします」を巡る階級闘争
飛行機が成田空港を出発し,私達家族は日本を離れた。
昭和の終わり頃,父の急な転勤で私達家族は海外生活を余儀なくされた。
当時は単身赴任という選択肢が無かった様で,子供がどんなに年齢が行っていても海外赴任に同行させられた。
現地の言葉など全く使いこなせない我が家は,到着後,一足先に現地に入っていた父と合流し,新しく住む家に連れていかれた。
屋内で靴を脱ぐ習慣の無い国とは聞かされていたが,玄関
嫌いな人から学んだこと(企画参加)
山根あきらさんの「#嫌いな人から学んだこと」の企画に参加している。
人生、折り返し地点に来ているが、十代の頃から苦手を通り越して嫌いなのが日本にいる日本人にアメリカンイングリッシュを強制する英語教師だ。
中学の時、JETプログラムに参加している教師が、英語のクラスにやって来た。
当時のJETプログラムは、アメリカの大学の単位所得の一環だった。短期間来るその教師たちは自分の教えていた期間に生徒