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#58[600字]おとなの放課後,あの橋をみに行こう![短文挑戦中]

久しぶりに晴れたね!
そう言ってきみは僕をドライブに誘ったね。

それでね、その橋のライトアップがきれいなの。
今日はこの時間に行けば、きっと夕日サンセットがみられると思うんだよね~。あと1時間はかかると思うから、寝ててもいーよ?

彼女の目線の先は、あの緑色の看板よりももっと先、僕たちがこれから行くその場所へ注がれている。
楽しそうにしているきみを見ているだけで、僕は十分に幸せだ。

――6月は陽が長い。

退屈な仕事を早々と抜けて、
僕らは夕日を追いかける。
西へ、西へ……。

ねえ、あの…… わたしの話、つまらない……?

僕は咄嗟とっさに、どう答えていいか分からず、キョロキョロしたり、もじもじしたり、怪しさ満点だったと思う。この際、正直に答えることにした。

「そ、その……。目のやり場にこまって……。」

え? 目? 彼女は前をしっかり見つつも、ちらりと僕の顔を見ようとする。僕の視線を察したと思う。一瞬、きょとんとした顔をして、冗談まじりのパンチを僕にお見舞いして、照れながらこう言った。

「あのね。それじゃ、こうしとく?」
アームレストに僕の手を引き寄せて、僕らは手をつなぐことになった。

「しばらく、まっすぐだから。それまでね」
なるほど。手だけ見ておけばいいわけだ。

そんな彼女に、僕はイルカのペンダントをあげた。

これなら、うっかり胸元に
目が行っても大丈夫だろう。

子どもみたい。と言いながら
「毎日つけるね」と笑う。


ご注意:作品はフィクションです。
 登場するできごと、発言、エピソードは、架空のものです。特定の人物、団体とは一切関係ありません。

おわりに:
おとなの放課後。デートの余韻に浸りながら眠りにつく。朝がきたら、今日のことを思い出して思い切りにやけよう。メロディと伴奏だけ聴いて、あとで解説を読んだら、もう一度ゆめの中へ……。

頭によぎったことをしっかり繋つなぎ止める。ひらめきを、逃がさない。ちゃんと言い切る。これを繰り返して、意味のある、作品性の高い文章を送り出す。1歳おめでとう。小さなあかりを胸に、大人の放課後もわるくないよ。


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今日は、フォロワーさんのプレイリストからヒントを得て物語にしてみました。


まとめ <PR>
300字シリーズ、本作で11作目! 投稿頻度調整中。
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