杉山大二郎

作家/経営コンサルタント。「大江戸かあるて シリーズ」(集英社文庫)、『信長の血涙』(…

杉山大二郎

作家/経営コンサルタント。「大江戸かあるて シリーズ」(集英社文庫)、『信長の血涙』(幻冬舎時代小説文庫)、「さんばん侍 シリーズ」(小学館時代小説文庫)、『至高の営業』(幻冬舎)他。 歴史小説イノベーション操觚の会 会員。 一般社団法人日本推理作家協会 会員。

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記事一覧

2023年の終わりに

日本レコード大賞ですが、Mrs. GREEN APPLE『ケセラセラ』が受賞しましたね。 私もAmazonMusicでヘビロテしていた大好きな曲でしたので、まさに予想通りの大賞受賞でした。…

杉山大二郎
4か月前
5

うちはお金がなくて夕ごはんが出ないから、恥ずかしいけど給食を2、3人分食べます。

私の両親は私が産まれてすぐに別居し、私が0歳6ヶ月のときに離婚しました。 その後、母一人子一人の暮らしが始まります。 小学4年生の頃の話ですが、食卓にご飯と白菜の…

杉山大二郎
5か月前
25

『大江戸かあるて 鍼のち晴れ』(集英社文庫)

患者の命か、金か。 江戸一番の医者をめざす心優しい青年に 現実が突きつけられたとき――幼い頃に父と母を亡くし、貧しさと戦ってきた17歳の駿。誰よりも辛く苦しい経験を…

杉山大二郎
5か月前
6

『信長の血涙』(幻冬舎時代小説文庫)

チーム信長の成功譚。 そこから見えてくるのは、信長のリーダーシップだ。 ――作家 伊東潤氏、推薦!生き馬の目を抜く戦国の世――国は荒み、民百姓は飢えていた。 「俺に…

杉山大二郎
5か月前
7

『さんばん侍〈二〉 麒麟が翔ぶ』(小学館時代小説文庫)

拝金老中、歯ぎしり!  心を商う侍が戦う! 老中格の田沼意次は、駿州田中藩の改易を企んでいた。 田中藩が借金している酒問屋麒麟屋を倒産に追い込み、藩と店を共倒れにし…

杉山大二郎
5か月前
2

『さんばん侍 利と仁』(小学館時代小説文庫)

江戸の企業再建エンターテインメント!二十四歳の鈴木颯馬は、元は町人の子。幼くして父を亡くし、母とふたりの貧乏暮らしが長かった。 縁あって、手習い所で働くうち、大器…

杉山大二郎
5か月前
4

『アンソロジーしずおか 戦国の城』(静岡新聞社)

徳川、武田、今川、北条…名だたる武将が割拠した戦国時代の静岡。当時、駿河、遠江、伊豆の三国に分かれていた静岡の要衝に築かれた幾つもの城。 そこは武門の意地と誇り…

杉山大二郎
5か月前

『あのとき、僕らの歌声は。』(幻冬舎/構成:杉山大二郎)

AAAデビュー11周年記念オフィシャルブック。「これまでのAAAの活動で、もっとも記憶に残っている出来事はなんですか?」  メンバーへの個別ロングインタビューを元に構成し…

杉山大二郎
5か月前

『営業を仕組み化し、部下のやる気を最大化する、最強のチーム創り ザ・マネジメント』(幻冬舎)

小説で学ぶ、究極のマネジメント改革!  「業績が悪いのは、営業マンのせいじゃない。 すべてリーダーの責任なんだ!!」大手IT機器メーカーの販売代理店で東京営業部部長を…

杉山大二郎
5か月前
2

第43回「関ヶ原の戦い」

わたしは石田三成に似ているらしい。関ヶ原の戦いが終わりましたね。 実は私事ですが、若くして急逝された友人の誉田龍一先生から生前に、「杉山さんは石田三成みたいだよ…

杉山大二郎
5か月前

第39回「太閤、くたばる」10月15日

秀吉が、ついにくたばりましたね😄 ドラマでは茶々さん、「秀頼はあなたの子だと、お思い?」と、ここでゆっくりと首を左右に振り、「秀頼は、この私の子。天下は渡さん」…

杉山大二郎
5か月前
2

第25回「はるかに遠い夢」7月2日

築山殿は悪女ではありません。 「世の者どもは、そなたを悪辣な妻と語り継ぐぞ」 「平気です。本当のわたくしは、あなたの心におります」 今回も神回でした。 大河ドラマ史…

杉山大二郎
5か月前

第16回「信玄を怒らせるな」4月30日

武田四郎勝頼が登場しました!眞栄田郷敦さんの勝頼はカッコイイですね。 私は高校生の頃に新田次郎先生の『武田勝頼』(講談社文庫)を読んで以来、勝頼が大好きな武将で…

杉山大二郎
5か月前
1

第10回「側室をどうする!」3月12日

今回も前回に引き続き、神回でした! 大河ドラマって歴史ドラマと思われがちですが、実は過去の作品は歴史小説(創作)の原作があるものが多くて、史実というよりその時代…

杉山大二郎
5か月前
2

第6回「続・瀬名奪還作戦」2月12日

岡部元信という名将について語りたい!今回も面白かったですね。まさに映画「ミッション・インポッシブル」のような手に汗握る展開の連続でした。 今川氏真が駿府の今川館…

杉山大二郎
5か月前

第4回「清須でどうする?」1月29日

今回の見所のひとつが、清須城の再現でした。ドラマですから物語が史実だけを追う必要はないのですが、『どうする家康』の制作陣は、時代考証にはかなりこだわりがあるよう…

杉山大二郎
5か月前
1

2023年の終わりに

日本レコード大賞ですが、Mrs. GREEN APPLE『ケセラセラ』が受賞しましたね。
私もAmazonMusicでヘビロテしていた大好きな曲でしたので、まさに予想通りの大賞受賞でした。
今年のレコ大ですが、なぜかわかりませんが大本命だったYOASOBIの大ヒット曲『アイドル』が本賞ノミネートから外れ、特別国際音楽賞なんてものになっていましたので、まさに大本命ミセスと対抗馬adoの一騎討ちかなぁ

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うちはお金がなくて夕ごはんが出ないから、恥ずかしいけど給食を2、3人分食べます。

うちはお金がなくて夕ごはんが出ないから、恥ずかしいけど給食を2、3人分食べます。

私の両親は私が産まれてすぐに別居し、私が0歳6ヶ月のときに離婚しました。
その後、母一人子一人の暮らしが始まります。
小学4年生の頃の話ですが、食卓にご飯と白菜の漬物だけの日が3日ほど続いたことがありました。
お金に困って、味噌も買えないような生活だったのです。でも、食べ盛りの男の子なので「こんなもの食えるか。肉が食いたい」とごねたんですね。
すると、いつも気丈な母親が初めて涙を見せて、
「あなた

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『大江戸かあるて 鍼のち晴れ』(集英社文庫)

『大江戸かあるて 鍼のち晴れ』(集英社文庫)

患者の命か、金か。
江戸一番の医者をめざす心優しい青年に
現実が突きつけられたとき――幼い頃に父と母を亡くし、貧しさと戦ってきた17歳の駿。誰よりも辛く苦しい経験をした彼は、弱き者を守る医者になるべく、江戸にある日本一の講習所"杉坂鍼治学問所"に入所する。腕は確かだが、偏屈で守銭奴の間市についた彼は、間市が患者の命よりもお金を優先する姿勢に疑問を抱く。そんな中、余命幾ばくもない吉原の元遊女とその息

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『信長の血涙』(幻冬舎時代小説文庫)

『信長の血涙』(幻冬舎時代小説文庫)

チーム信長の成功譚。
そこから見えてくるのは、信長のリーダーシップだ。
――作家 伊東潤氏、推薦!生き馬の目を抜く戦国の世――国は荒み、民百姓は飢えていた。
「俺に力を貸せ! この地獄の世を、新しき天下に変えるのだ」
天下静謐の理想に燃える大うつけの信長だが、常に国境を敵に脅かされ、その貧弱な兵力では尾張統一すらままならない。
小豪族の集合体である尾張は、重石となっていた信秀の死後、力の均衡が崩れ

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『さんばん侍〈二〉 麒麟が翔ぶ』(小学館時代小説文庫)

『さんばん侍〈二〉 麒麟が翔ぶ』(小学館時代小説文庫)

拝金老中、歯ぎしり!  心を商う侍が戦う! 老中格の田沼意次は、駿州田中藩の改易を企んでいた。
田中藩が借金している酒問屋麒麟屋を倒産に追い込み、藩と店を共倒れにしようとしているのだ。
片や、次代藩主の本多正供は、算盤に長けた勘定方の鈴木颯馬を麒麟屋に送り込む。
麒麟屋の大番頭へと身を変えた颯馬は、田沼の罠を次々と打ち破るが、ついに破綻の危機が訪れてしまう。
麒麟屋は一年の商いの大半を春の新酒の買

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『さんばん侍 利と仁』(小学館時代小説文庫)

『さんばん侍 利と仁』(小学館時代小説文庫)

江戸の企業再建エンターテインメント!二十四歳の鈴木颯馬は、元は町人の子。幼くして父を亡くし、母とふたりの貧乏暮らしが長かった。
縁あって、手習い所で働くうち、大器の片鱗を見せはじめた颯馬だが、十五歳の時に母も病で亡くし、天涯孤独の身となってしまう。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
町道場で下働きしている際、ひょんなことから、田中藩江戸屋敷に勤める「さんばん殿」鈴木武治郎に才を買われ、めでたく養

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『アンソロジーしずおか 戦国の城』(静岡新聞社)

『アンソロジーしずおか 戦国の城』(静岡新聞社)

徳川、武田、今川、北条…名だたる武将が割拠した戦国時代の静岡。当時、駿河、遠江、伊豆の三国に分かれていた静岡の要衝に築かれた幾つもの城。
そこは武門の意地と誇りと悲哀が渦巻く戦いの最前線だったー。
気鋭の実力派、歴史・時代小説作家10人が、静岡の10の城を舞台に書き下ろした珠玉の短編集。華麗なる戦国絵巻が、ここに誕生!

歴史小説家の団体「操觚の会」に所属する10名の作家(秋山香乃、芦辺拓、彩戸ゆ

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『あのとき、僕らの歌声は。』(幻冬舎/構成:杉山大二郎)

『あのとき、僕らの歌声は。』(幻冬舎/構成:杉山大二郎)

AAAデビュー11周年記念オフィシャルブック。「これまでのAAAの活動で、もっとも記憶に残っている出来事はなんですか?」 
メンバーへの個別ロングインタビューを元に構成した、落涙必至のドキュメント小説、ここに完成! 
今だからこそ伝えたい、大切な記憶がある――。
数多の挫折や痛みを乗り越えてきた7人の、希望と絆の物語。
今まで語られることのなかった真実の言葉がここに綴られています。
別々のオーデ

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『営業を仕組み化し、部下のやる気を最大化する、最強のチーム創り ザ・マネジメント』(幻冬舎)

『営業を仕組み化し、部下のやる気を最大化する、最強のチーム創り ザ・マネジメント』(幻冬舎)

小説で学ぶ、究極のマネジメント改革!  「業績が悪いのは、営業マンのせいじゃない。 すべてリーダーの責任なんだ!!」大手IT機器メーカーの販売代理店で東京営業部部長を務め、エースとして会社を牽引している五十嵐卓也(40歳)。あるとき、社長に乞われ、業績が急激に悪化している従業員50人程度の中小企業に出向することになる。
ときに出向先の社員たちとぶつかりながらも、[ビジョンの共有][仕組みの構築]

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第43回「関ヶ原の戦い」

第43回「関ヶ原の戦い」

わたしは石田三成に似ているらしい。関ヶ原の戦いが終わりましたね。
実は私事ですが、若くして急逝された友人の誉田龍一先生から生前に、「杉山さんは石田三成みたいだよね」と言われたことがあります。
作家仲間の鈴木英治先生と誉田龍一先生と私の三人で、来日したTOTOのライブを日本武道館に観に行った 帰り道。三人でバーで飲んでいるときのことでした。
もちろん、誉田さんは最大の褒め言葉として、私を三成に例えて

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第39回「太閤、くたばる」10月15日

第39回「太閤、くたばる」10月15日

秀吉が、ついにくたばりましたね😄 ドラマでは茶々さん、「秀頼はあなたの子だと、お思い?」と、ここでゆっくりと首を左右に振り、「秀頼は、この私の子。天下は渡さん」と死にかけている秀吉に突きつけていましたね。
これをどう読むか?
わたしは間違いなく、秀頼の父親は秀吉ではないと思いました。
秀吉は茶々以外の妻とは子供ができなかったことや、秀頼が高齢時の子であったことから、父親には諸説があり、歴史ミステ

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第25回「はるかに遠い夢」7月2日

第25回「はるかに遠い夢」7月2日

築山殿は悪女ではありません。
「世の者どもは、そなたを悪辣な妻と語り継ぐぞ」
「平気です。本当のわたくしは、あなたの心におります」
今回も神回でした。
大河ドラマ史上に残る名作になりつつある『どうする家康』ですが、まさに今回は歴史に残る神回でした。古沢良太脚本の素晴らしさに、心を鷲摑みにされました。
昭和時代に歴史小説(フィクション)を原作にしていた大河ドラマの影響か、いまだに築山殿(瀬名)が悪女

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第16回「信玄を怒らせるな」4月30日

第16回「信玄を怒らせるな」4月30日

武田四郎勝頼が登場しました!眞栄田郷敦さんの勝頼はカッコイイですね。
私は高校生の頃に新田次郎先生の『武田勝頼』(講談社文庫)を読んで以来、勝頼が大好きな武将でしたので、今回の眞栄田郷敦さんは、まさにイメージ通りでした。
かつて、武田信玄には義信という嫡男(長男)がいました。歴代の武田氏において初めて足利将軍家や清和源氏の通字である「義」の偏諱を受けた正室の子です。
甲相駿三国同盟の契りに、今川氏

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第10回「側室をどうする!」3月12日

第10回「側室をどうする!」3月12日

今回も前回に引き続き、神回でした!
大河ドラマって歴史ドラマと思われがちですが、実は過去の作品は歴史小説(創作)の原作があるものが多くて、史実というよりその時代の価値感や旧来の定説(人気の逸話)を反映したフィクション要素が高かったと思います。
ところが近年は原作をやめて、脚本家と時代考証に入る歴史研究者が最新の学説を採り入れるので、昭和の頃から大河ドラマや歴史小説を楽しんできた人たちは、すごく違和

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第6回「続・瀬名奪還作戦」2月12日

第6回「続・瀬名奪還作戦」2月12日

岡部元信という名将について語りたい!今回も面白かったですね。まさに映画「ミッション・インポッシブル」のような手に汗握る展開の連続でした。
今川氏真が駿府の今川館(正しくは今川館で、まだ駿府城はありません。駿府城は江戸時代に大御所家康が建てた城です。戦国時代の今川家の詰城は賤機山城になります)を出立するシーンで、今川家の重鎮岡部丹波守元信が瀬名や関口氏純の手縄を切る描写がありました。
あれは単に歩き

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第4回「清須でどうする?」1月29日

第4回「清須でどうする?」1月29日

今回の見所のひとつが、清須城の再現でした。ドラマですから物語が史実だけを追う必要はないのですが、『どうする家康』の制作陣は、時代考証にはかなりこだわりがあるようですね。
清須城の描写も、最新の学説や発掘調査などを採り入れ、見事に再現されていました。
現在の清洲城(あえてこちらの字)は、実はなんちゃって清須城なんです。もともと信長が居城した時代の清洲城は平城で、櫓はありましたが、天守閣は存在していま

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