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徒然日記

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日記てもあり、エッセイでもあり、コラムでもあり、評論でもあります。
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#時事問題

その怒りを1票に込めろ

その怒りを1票に込めろ

2021年のロッキンが中止になったという。
楽しみにしていた人々の怒りがTwitterにあふれる。
「なぜオリンピックは許されるのか」
ここ最近の常套句である。

このニュースを見たとき、先の都議会議員選挙の投票率と、投票率向上を訴える人たちの愚直さが真っ先に思い出された。
オリンピックばかりが優先されることに疑問や怒りを持つ人が多ければ、そして投票率向上を訴える活動のスマートさがあれば、投票率は

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これ以上毎日に疲弊したくないから、「無関心」という手段を選ぶ

これ以上毎日に疲弊したくないから、「無関心」という手段を選ぶ

最近のニュースで「若者は映画を早送りで楽しみ、論評やスポーツには興味を示さず、テレビドラマは苦手」という内容のものがあった。
賛否はさておき、そのニュースに対するコメントで興味深いものがあった。

やりたくもない仕事で疲弊した後に、何かを考えさせられるようなコンテンツに触れたいと思わないし、負けることで余計なストレスを溜めるスポーツは癒しにならない

正確ではないが、このような内容だったと思う。

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娯楽の犠牲の上に成り立つ娯楽

娯楽の犠牲の上に成り立つ娯楽

緊急事態宣言も3度目。
ここまで来ると流石にうんざりするというか、最近の諸々もあって協力するマインドには正直なれない。
国民にお願いしておきながら送別会をしてしまう国家公務員や政治家、ワクチンを廃棄するという信じかたい自治体の所業など、こういったことが協力マインドを奪っている。

その最たる例に挙げられるのが、オリンピックだろう。
今回の緊急事態宣言の時期を見ると、やはりというべきか、オリンピック

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満員電車ゼロ?

満員電車ゼロ?

満員電車は“ゼロ”にできるのか?
多分答えはNOだ。
なぜかというと、地方の赤字路線ですら、満員状態になっている電車があるからだ。

そもそも、朝の通勤客は単価が低い。
定期券は割引券のようなものなので、普通乗車券で乗ってくれる乗客よりも、もっと効率よく「詰め込んで」運ばないと、鉄道会社にとっても損である。

もう少し説明すると、例えばJR中央線の新宿→東京は、Suicaを使って利用すると198円

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国を滅ぼすのは「空気」

国を滅ぼすのは「空気」

妻の職場の同僚(男性)が、育休を取ることになった。
ところが、この育休に対する評価が、世代間で真っ二つらしい。

詳細を書くと特定される可能性があるため、ざっくりとした書き方になってしまうが、
この男性同僚の育休の取り方は、会社が認めた育休の中でも、立場的な問題から前例がないようだ。
だから賛否両論というわけである。

世代間で真っ二つ、というのは、妻をはじめとする20代-30代が概ね肯定的な一方

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仮説もゴールもない実験の中で

老人が溢れかえる社会は、おそらく有史以来経験がない。
そのせいか、今世間で行われているありとあらゆる高齢者に関する政策や方策が、全て実験のように思えてしまう。
そしてその実験の被験者も実行者も、社会に生きる我々である。

先日のこと、ラーメン屋でトラブルに遭遇した。
初老の女性アルバイトの券売機トラブルの対応が悪く、お客さんが怒って帰ってしまったのである。
女性アルバイトは終始仏頂面で「理解できな

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妊婦さんにコストがかかるのはわかるけど

妊婦さんにコストがかかるのはわかるけど

最近の花粉飛散に耐えきれず、クリニックに行った。
待合室で順番を待っていたところ、マタニティマークを下げた女性が入ってきた。

こんな出来事から、ふと「妊婦加算」という制度を思い出した。

端的にいうと、「妊婦さんは色々と丁寧に診ないといけないから、追加料金を払ってね」というのが、この「妊婦加算」である。
この妊婦加算が大炎上し、結局ほぼ無期限凍結に至ったのは、記憶に新しい。

「加算」が発生する

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日本は優しすぎるのだろうか

日本は優しすぎるのだろうか

昨日、NHKのニュースで、「外国人労働者に対する自治体の窓口設置が、4/1に間に合わないんじゃね?」という話題が取り上げられていた。

このニュースには、以下の記述がある。

原則として11の言語に対応することとされているんです。ネパール語、インドネシア語、ポルトガル語、スペイン語などで、特に地方の自治体では、通訳を探すのが難しい言語もあるでしょう。

なんと、11もの外国語が必要らしい。

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エスカレーターについての補足: 階段に足が向かない心理を考える

昨年末、「エスカレーターの右開け」について、下記のnoteを書いた。

この記事を投稿した後も、やはり「エスカレーターの両側に立ち、右側を歩くのはやめる」という新ルールは定着していないように思える。
年末年始の帰省シーズンは荷物が多くなるせいか、例外的に両側に立つ光景が見られたが、日常ではそうもいかないようだ。
これまでの行動様式を変えることが、いかに難しいかを思い知らされる。

一方で、自分はエ

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「おもてなし」と「お客様は神様」と

「おもてなし」と「お客様は神様」と

スマホでニュース記事を探していたら、面白いニュースを見つけた。

この記事を読んだ時に真っ先に思い浮かんだのが、「なぜそこまで丁寧に対応する必要があるのだろう?」という疑問だ。

=====

日本には「おもてなし」という言葉がある。

オリンピックが近づくにつれて、日本に来日する外国人観光客を、いかに「もてなすか」という話題が多くなってきた。
先日も、“外国人のタクシー運転手を採用して、外国人観

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エスカレーター、歩いてほしいのか、歩いてほしくないのか

エスカレーター、歩いてほしいのか、歩いてほしくないのか

「エスカレーターの両側に立たせる」という試みが、JR東京駅で始まっている。
・参考:NHKのニュース記事

この記事にもあるように、世間では賛否両論である。
自分はどちらかというと歩く側なので、どうしても「片側開け&片側歩き」の人の肩を持ってしまいたくなるのが正直なところである。
一方で、「歩くのはやめてください」と言われれば、それを無視してまで歩こうとは思わない。

エスカレーターの乗り方に関す

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多様性について

多様性という言葉が叫ばれて久しい。

トランスジェンダーの問題が大っぴらに議論されるようになったし、日本企業では外国籍社員も当たり前になった。
外国人材を増やす法案も、つい先日成立したばかりだ。
「多様性」はじんわりと生活に溶け込んでいる。

ところが、「多様性」はその定義が明確にされないまま、イタズラに使われている言葉でもあろう。
どこか「多様性」という言葉は危険性を孕んでいると感じる。

「多

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持たざる者の悪意なき嘘

先日日本を直撃した台風24号。
様々な爪痕を残して去っていったことは、記憶に新しい。

首都圏のJR在来線では、夜20:00以降の運行を取りやめる「計画運休」が行われた。
報道によると、首都圏のJR在来線でこれだけ大規模に運休を「計画する」のは初めてのことらしい。
以前から災害時の計画運休を実施しているJR西日本の対応に比べて些か急だったためか、情報を知らない乗客が散見されたほか、「翌朝は平常通り

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駆け込み乗車という、意志と意志のぶつかり合い

駆け込み乗車という、意志と意志のぶつかり合い

昨日から、「発車メロディをやめる実験」が常磐線各駅停車で始まっている。

実は、この手の実験は、今回が初めてではない。
今から約10年前の2009年1月には、こんなニュース記事が投稿されている。

これは、

・新宿駅では、完全に発車メロディをやめる
・東京駅では、発車メロディを極端に短くする

を、それぞれ一部のホームで行うという実験であった。

また、今回と同じように「車両から発車メロディを流

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