マガジンのカバー画像

この本いいよ!

258
これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

第66回:努力は必ず「喜び」に変わることを実感した作品

第66回:努力は必ず「喜び」に変わることを実感した作品

こんにちは!あみのです。今回の本は、本葉かのこさんのライト文芸作品『やおよろず百貨店の祝福』(富士見L文庫)です。

主人公の笑顔が印象的なカバーに惹かれて手にした作品。神様と人とのつながりを感じられる「お仕事小説」です。ファンタジー要素が入った作品ではありますが、作中で取り扱っていた課題はなかなかに現実味があるものだと思います。

あらすじ(カバーより)「福本福子、福を呼び込みそうな、ええ名前や

もっとみる
第65回:料理で「推し」を応援!

第65回:料理で「推し」を応援!

こんにちは、あみのです!アイデアが非常に面白い、「料理」をテーマにした小説と出会えたので、紹介します。

今回の本は、秋杜フユさんの『推し飯研究会』(集英社オレンジ文庫)というライト文芸作品です。

小説でも「料理」をテーマにした作品は、数多くあります。「食」は誰もが魅力を感じるであろうテーマだし、この手の作品では美味しいものを食す「幸福感」を読み手も味わえる内容が多い印象があります。

今作でも

もっとみる
第64回:「親友」と過ごした日々は、一生分の宝物

第64回:「親友」と過ごした日々は、一生分の宝物

こんにちは、あみのです。とても心に刺さる青春小説に出会えたので紹介します!

今回の本は、櫻井千姫さんのライト文芸作品『16歳の遺書』(実業之日本社文庫GROW)です。「難病もの」ではありながらも「友情」に重点を置いたあらすじに珍しさを感じたことと、凄まじさを感じるカバーイラストに惹かれて今作を読みました。

今作は、「恋愛」よりも「友情」の要素が強い物語や、他人への「憧れ」が感じられる物語が好き

もっとみる
第63回:「心のゼイ肉」を落として、清々しく生きたい

第63回:「心のゼイ肉」を落として、清々しく生きたい

こんにちは、あみのです。今回の本は、垣谷美雨さんの『あなたのゼイ肉、落とします』という作品です。垣谷さんの作品は、タイトルが個性的な作品が多くて、以前から凄く読んでみたいと思っていました。

あらすじの「「心のゼイ肉」を落とす」という言葉に惹かれて、手にした1冊。読むととにかく前向きな気持ちになれます!幅広い世代の人物が登場するので、読む人、読む時によって物語への感じ方が変わりそうな作品でもあると

もっとみる
第62回:もっと仲良くなりたいから、「LINE」がしたい

第62回:もっと仲良くなりたいから、「LINE」がしたい

こんにちは!あみのです。
今回の本は、此見えこさんのライト文芸作品『今夜、きみの涙は僕の瞬く星になる』(スターツ出版文庫)です。
以前、noteにも感想を上げた『きみが明日、この世界から消える前に』の作家さんの2作目です。

日々の何気ない「生きづらさ」の描き方が印象的だった前作。個人的に気になっていた2作目は、多くの方が使っているであろう「LINE」が大きなカギとなる物語となっていました。

もっとみる
第61回:作家だけでは「物語」は完成しない

第61回:作家だけでは「物語」は完成しない

こんにちは!あみのです。今回の本は、葉月文さんのライトノベル作品『ホヅミ先生と茉莉くんと。』の第2巻です!登場人物たちの「物語」に対する思いに大感動した前作。続編も新たな感動を求めて早速読みました。

2巻で大きく取り上げられていたのは、ラノベ作品の「コミカライズ」。より多くの読者が手にしやすい漫画という方法で、原作小説の面白さを届けるコミカライズですが、作品に携わる人々はどのような思いを背負って

もっとみる
第60回:夢に出てきたあの子は誰?

第60回:夢に出てきたあの子は誰?

こんにちは、あみのです。今回の本は、広ノ祥人さんのライトノベル作品『モブしか勝たん!』(MF文庫J)です。この手の作品の感想文は久しぶりですね。

前シリーズ『あまのじゃくな氷室さん』が好きだったので、この新作も読んでみました。前作は、主人公にだけ聞こえるヒロインの「心の声」を巡るラブコメでしたが、今作は「夢」を手掛かりに、未来の嫁になるであろう人物を探すというこれまた不思議なラブコメです。

もっとみる
第59回:これは、現代の『シンデレラ』の物語

第59回:これは、現代の『シンデレラ』の物語

こんにちは、あみのです。今回の本は、宇山佳佑さんの『恋に焦がれたブルー』という作品です。宇山さんが描く恋愛小説は本当に「泣ける」物語が多くて、自分の心が洗われていくような感覚になりますね。

今作は、横浜が舞台の最高にロマンティックな恋愛小説。海がある街は、美しい恋愛物語によく似合うと思います。

劣悪な家庭環境、好きな人との別れ、難病と今作には主人公とヒロインを引き裂こうとする様々な困難が訪れま

もっとみる
第58回:好きな人との思い出って、宝石に似ている

第58回:好きな人との思い出って、宝石に似ている

こんにちは、あみのです。今回の本は、柴野理奈子さんのライト文芸作品『思い出とひきかえに、君を』(集英社オレンジ文庫)です。

何年かぶりに行った昔から好きな本屋で発見した作品。少女漫画のようなカバーイラストに惹かれてしまい、思わず購入しました。本屋って、お店ごとの個性があるので、行った本屋によっては予想外の本に出会うこともあります。(これが楽しい)

***

今作は、好きな人との「思い出」がカギ

もっとみる
第57回:「虎」にならないために大切なこと

第57回:「虎」にならないために大切なこと

こんにちは、あみのです。今回の本は、中島敦の名作『山月記』の「乙女の本棚」シリーズ版です。教科書でもおなじみの名作がこのシリーズにもあったので、読んでみました。

「虎」に変貌してしまった李徴が、この姿になったからこそ気が付けたこととは何かを考えながら読みたい1冊です。また、イラスト担当のねこ助さんが描く動物たちのもふもふぶりにも注目です!

あらすじ(巻末の既刊紹介より)「その声は、我が友、李徴

もっとみる