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スキ数関係なく、思い入れのある記事をまとめました.
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#読書

滲み出るものは嘘じゃないから

滲み出るものは嘘じゃないから

言葉で伝えられないってことは自覚してないってことだと思っていた。

言葉はいくらでも嘘を吐ける。言葉はいくらでも取り繕うことができる。それに比べて行動は嘘を吐かない。

そう言われることは知っていて、それが現実になることがあるってことも知っていて、でもその上で、行動はサルにでもできるけど言葉を尽くせるのは人間だけなんだから、言葉で行動の意図を伝えたり、伝えた言葉を嘘にしないよう行動すればいいのに、

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夢が叶うと決まった瞬間のこと

夢が叶うと決まった瞬間のこと

神に導かれたかのように “私は今、この本を手に入れなければならない” と感じて、一冊の本を手に取ることがある。

昨日の私にとって、それは原田マハさんの『たゆたえども沈まず』だった。

その日、私は本屋大賞20周年フェアの小冊子目当てに新快速で2駅先の大型書店を訪れていた。

お目当ての冊子を本屋に足を踏み入れて30秒でゲットして任務を完了した私は、“せっかく本屋に来たのに何も買わずに帰るなんて…

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宝物のような本たちとの出会いに祝福を #2022ベスト本

宝物のような本たちとの出会いに祝福を #2022ベスト本

うまくいえないけれど、「この本は自分の人生にとって財産になりうる」という本のなかには、景色を忘れられない本と、言葉を忘れられず思考を促される本とがある。

そんな本を、私自身の言葉で抱きしめたい。

2022年最後のnoteは、今年読んだ72作品の中でも特別な8冊について。

ひとこと読書記録のバックナンバーはこちら↓

*ネタバレはありません

①「アートを巡る旅に出よう。きっと何か、変わるから

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善良さ を貫くための 傲慢さ をもって。

善良さ を貫くための 傲慢さ をもって。

人は、自分の世界の中でしか生きられない。

人は他人になることはできないのだから仕方がない。

自分が持つ、ものの見方、考え方、そこから生まれる視点、それによってできたフィルター。そこからしか世界を見ることはできない。

それが初期値のままだと、家庭環境や社会的に望ましいとされてきたもので構成された、"自分"が反映されていないフィルターのまま世界を見ることになる。だから”勉強”して、新しい視点を得

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大人になって思い出すのは、きっとこの夏。

大人になって思い出すのは、きっとこの夏。

ゼミの初回課題で自己紹介と研究進捗ついでに夏の思い出をしゃべるスライドがあるらしい。

大学に入ってからの2年はコロナコロナで、旅行とかできなかったけど、この夏はやっと旅行にも行けて、大学生らしい充実した夏になったかなぁと思えている。

というわけで、せっかくなのでこちらでもまとめてみよう。

with 彼

彼とはずっと約束していたことを着実に叶えることができた夏だった。

祇園祭にはじまり、プ

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とるにたらない愛おしき日々たち

とるにたらない愛おしき日々たち

風が心地良くなってきて秋の気配が色濃くなってきた。

という話は以前も書いた。

今日も朝起きてみたら少しひんやりしていて夏用の布団が心地よかった。少し外を出ていなかった期間に涼しくなってしまったかもしれない、お気に入りの夏服がもうすぐ着られなくなってしまうかもしれない、と焦ってノースリーブのサマーニットを着た。

すると確かに風は心地よかったけれど、日差しは焼かれているかのように熱くて、まだまだ

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パリに焦がれて

パリに焦がれて

原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を読みはじめた。

マハさんのアート作品を読むのは4冊目。

いつもなら夢中になるあまり読む手を止められないはずなのに、私は手を止めた。

フランスへ、パリへ、行きたい。

想いが溢れて苦しくなって本を読む手を止めた。本の中にいるテオや、忠正や、重吉(ゴッホすらまだ出てきていない)に強い共感をおぼえると同時に、パリにいられる彼らに嫉妬した。

この夏、読んだ本1

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原田マハさんに魅せられて

原田マハさんに魅せられて

知っていたら人生が豊かになることっていくつかあると思う。

たとえば、歴史と美術。

いわゆる"教養" "リベラルアーツ"といわれるものの中でも、
「歴史なんて過去のこと知ってなにになる」
「芸術の世界はわけわからんね」
と軽視されがちかもしれない、この2つ。

学校教育では“文化史” “美術史”という括りで、受験を突破するための手段にされてしまうこの2つ。

中学受験時代から歴史の勉強は好きだっ

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物語に浸る。

物語に浸る。

中学の頃、ミステリー小説に夢中だった。教室や登下校中に独りでいる寂しさを紛らわすかのようにミステリー以外の小説も手にとるようになり、人間関係の悩みに対する答えを本の中に求めるかのように自己啓発本も読むようになった。

高校生になって知識を本の中に求め、ビジネス本や参考書を読むようになった。

そして、受験期を経て大学に入学した。

久々に本を手に取ると、読むスピードが遅くなっていた。中学の頃、1日

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