深海

このふざけた世界をサバイブするニュースサイトYour News Onlineの記者・編…

深海

このふざけた世界をサバイブするニュースサイトYour News Onlineの記者・編集。旅と音楽と食と鴨川を愛する京都在住者。 Web:https://yournewsonline.net/ Mail:shin_kai@yournewsonline.net

記事一覧

介護崩壊という遠からず絶対に避けられない不都合な現実

歯止めの効かない少子高齢化がスピードを増す日本で、今後避けられず起こる悲劇は介護崩壊である。これは予測でも何でもない、単純な算数の話だ。 だからこそ、その避け…

深海
5か月前
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ChatGPTは真実と同じ顔で嘘をつく

鳥取県の対応から考えるCHAPちゃんとジーミーチーおじさんこと鳥取県知事、ChatGPTに対する理解の解像度がめちゃくちゃ高くて驚く。 特に以下の危機感を把握して言語化で…

深海
1年前
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AI時代にライターの役割はどう変わるのか?

AI時代の「文章を書く職業」の役割とは?ChatGPTを用いたなかなか面白い実験についての記事を読んだ。 筆者が文中で指摘しているように、こだわりを持つAIは遠からず出て…

深海
1年前
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AIチャットはライターを殺すのか

Bing AIという脅威の出現ちょっとこの記事を見て驚く以上に危機感を覚えた。数年以内にライターという職業は無くなって、AIの生成した原稿をチェックしてクライアントの要…

深海
1年前
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「正直」と「誠実」の違いについての話を読んだ話

誠実と正直の違いについてよく分かる文章だった。小説仕立てで面白く読めたし、そうするだけの意味のある選択だったと思う。 この筆者の言葉を借りるなら、筆者は村上春樹…

深海
1年前
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シャープの「洗濯機に広告配信」サービスに見る広告への理解と誤解

シャープは広告の立ち位置を理解しているか?Your News Onlineに「シャープの「洗濯機に広告配信」サービス、消費者にメリットなさ過ぎて話題に」という記事を掲載した。 …

深海
1年前
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おじさん構文をおじさんが回避する唯一の方法

またおじさん構文が炎上している おじさん構文がまたTwitterでトレンドになっている。何年ぶり何度目かは分からないが、おじさん構文は定期的にSNSでやり玉に挙げられる。 …

深海
1年前

「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」京都の呼吸の速度に包まれる体験

本記事はYour News Onlineに掲載されたものです。 6月3日に始まったブライアン・イーノ展「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」に行ってきた。 ようやくあの体験を少し消化できた…

深海
1年前
2

「一億総株主」と「金融所得課税強化」のコンボで、資産所得倍増プランがヤバいことに

本投稿はYour News Onlineからの転載となります。 岸田首相が5月に打ち出した資産所得倍増プランですが、いろいろときな臭いことになっています。 金融所得課税強化によ…

深海
2年前
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連休明けで何も手につかないほどダルい人のための対処法

ゴールデンウィークが終わった。3年ぶりに移動制限もなく、遊びに出ることを誰にも妨げられない最大10日間の大型連休だった。 そう、そんな日々もすでに過去のものとなり…

深海
2年前

「ピカチュウ婚約指輪」事件に見る、サプライズという破滅の罠

先日話題になった「ピカチュウの婚約指輪をプレゼントしたら泣かれた」というはてなブログの記事が心に引っかかっている。 この文章は結婚における合意や金銭感覚など、多…

深海
2年前
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Twitter投稿に「編集」機能実装で確実に起こるヤバいこと、「変更履歴」では対応不可

本投稿はYour News Onlineからの転載となります。 これまで一度ツイートしたらそのまま残すか削除する(ツイ消し)するしかなった短文投稿サイトTwitter。 イーロン・マ…

深海
2年前
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休むのはリセットすること、だから「リセットできる休み」が必要なのだ

人間には休みが必要だ。これは数少ない真理のひとつである。 創世記の神ですら6日働いた後に休みを取ったのだ。それより少ない休みで人間が生きていけるわけがない。 休…

深海
2年前
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「コーヒーの蒸らし」は無意味か、そして香りは情報か実体か

毎朝、コーヒーを豆から挽いて飲んでいる。忙しい時間のささやかな贅沢だ。1日を始める儀式と言ってもいいかもしれない。 そんなコーヒーを美味しく淹れるにはどうすれば…

深海
2年前
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白いワンピースの少女と、「ドラえもん のび太と『白百合のような女の子』」のパラドックス

日本人の多くが胸に秘める夏の日本の原風景。その中にいる白いワンピースの少女について考える。不思議なことに、知らぬ間に彼女は私の心の中にも存在していたからだ。 色…

深海
2年前
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「人工子宮」がもたらす差別と分断と富の集中

ニューズウィーク日本版が「女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚から育てる人工子宮システムを中国が開発」という記事を掲載している。 中国で、人工子宮の…

深海
2年前
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介護崩壊という遠からず絶対に避けられない不都合な現実

介護崩壊という遠からず絶対に避けられない不都合な現実



歯止めの効かない少子高齢化がスピードを増す日本で、今後避けられず起こる悲劇は介護崩壊である。これは予測でも何でもない、単純な算数の話だ。

だからこそ、その避けられない現実について可能な限り早いうちから認識しておく必要がある。誰しもが影響を避けることはできないが、全く受け身を取れないよりは幾分かマシな可能性があるからだ。

ついに越えてしまった介護離職超過という分水量朝日新聞が12月3日、介護

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ChatGPTは真実と同じ顔で嘘をつく

ChatGPTは真実と同じ顔で嘘をつく

鳥取県の対応から考えるCHAPちゃんとジーミーチーおじさんこと鳥取県知事、ChatGPTに対する理解の解像度がめちゃくちゃ高くて驚く。

特に以下の危機感を把握して言語化できてるのは凄いことだといえるだろう。

問題なのはChatGPTが嘘をつくということだけでなく、その嘘と真実の見分けが付かないことだ。このことについて考えてみたい。

ChatGPTは真実と同じテンションで嘘をつく現時点のCha

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AI時代にライターの役割はどう変わるのか?

AI時代にライターの役割はどう変わるのか?

AI時代の「文章を書く職業」の役割とは?ChatGPTを用いたなかなか面白い実験についての記事を読んだ。

筆者が文中で指摘しているように、こだわりを持つAIは遠からず出てくるだろうし、人間がAIにこだわりを持つように指示もできるようになるだろう。

そうなると、今後はいわゆる「文章を書く職業」ではAIに負けない文章を書ける人以上にAIをうまく利用できる人が求められることになる。

これは長距離走

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AIチャットはライターを殺すのか

AIチャットはライターを殺すのか

Bing AIという脅威の出現ちょっとこの記事を見て驚く以上に危機感を覚えた。数年以内にライターという職業は無くなって、AIの生成した原稿をチェックしてクライアントの要望に合わせて編集する仕事になるんじゃないだろうか。

もちろん現在のライターの仕事にもクライアントの要望に合わせた文章を書く案件は少なからずある(というかまあ多い)けど、力点が確実に変わる。

文体がここまで細かく指定できて違和感も

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「正直」と「誠実」の違いについての話を読んだ話

「正直」と「誠実」の違いについての話を読んだ話

誠実と正直の違いについてよく分かる文章だった。小説仕立てで面白く読めたし、そうするだけの意味のある選択だったと思う。

この筆者の言葉を借りるなら、筆者は村上春樹が好きなことを存分に文章に盛り込む程度には正直で、語り手に「やれやれ」といわせない程度には誠実だと言えるだろう。

正直ってなんだよという話個人的な考えを言うと、正直というのは抜き身の刀で触るもの皆傷つけまくるような行為だ。

好意や愛情

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シャープの「洗濯機に広告配信」サービスに見る広告への理解と誤解

シャープの「洗濯機に広告配信」サービスに見る広告への理解と誤解

シャープは広告の立ち位置を理解しているか?Your News Onlineに「シャープの「洗濯機に広告配信」サービス、消費者にメリットなさ過ぎて話題に」という記事を掲載した。

シャープが公表した「洗濯機に広告配信」というサービスを見て、企業の広告への理解が消費者のそれと致命的に違っているのではないかと感じたからだ。

広告が企業の利益を左右するほど重要なものであることは言うまでもない。そのために

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おじさん構文をおじさんが回避する唯一の方法

おじさん構文をおじさんが回避する唯一の方法

またおじさん構文が炎上している
おじさん構文がまたTwitterでトレンドになっている。何年ぶり何度目かは分からないが、おじさん構文は定期的にSNSでやり玉に挙げられる。

おじさん構文が話題になるのは常に炎上である。例外はない。あるとしたらそれは、炎上後にネタとして消費される時くらいだ。

なぜそこまでおじさん構文が嫌われるのか、そしておじさん達はいかにしておじさん構文を回避できるのか考えてみよ

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「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」京都の呼吸の速度に包まれる体験

「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」京都の呼吸の速度に包まれる体験

本記事はYour News Onlineに掲載されたものです。

6月3日に始まったブライアン・イーノ展「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」に行ってきた。

ようやくあの体験を少し消化できたような気分になったので、レポートを記してみようと思う。

ただし他のレポート記事やSNS上ですでに語られており、動画も載せられているため、展覧会の内容については特に触れない。

音楽鑑賞ではなくア

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「一億総株主」と「金融所得課税強化」のコンボで、資産所得倍増プランがヤバいことに

「一億総株主」と「金融所得課税強化」のコンボで、資産所得倍増プランがヤバいことに

本投稿はYour News Onlineからの転載となります。

岸田首相が5月に打ち出した資産所得倍増プランですが、いろいろときな臭いことになっています。

金融所得課税強化によって、せっかくの資産所得倍増プランに冷や水が浴びせられるという話は5月中旬時点で出されていました。

そして5月30日に自民党が「一億総株主」の目標を掲げた提言を申し入れたことで、全体としてなかなか怖い話となっています。

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連休明けで何も手につかないほどダルい人のための対処法

連休明けで何も手につかないほどダルい人のための対処法

ゴールデンウィークが終わった。3年ぶりに移動制限もなく、遊びに出ることを誰にも妨げられない最大10日間の大型連休だった。

そう、そんな日々もすでに過去のものとなり、今日から私たちはまたのんべんだらりと繰り返される日常へと復帰しなくてはならない。

当然ながらダルい。何もかも放り出して数日前の初夏めいて暖かかった休日に戻りたい人も多いだろう。私もそのひとりだ。

でもそうはいかない。連休明けに急な

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「ピカチュウ婚約指輪」事件に見る、サプライズという破滅の罠

「ピカチュウ婚約指輪」事件に見る、サプライズという破滅の罠

先日話題になった「ピカチュウの婚約指輪をプレゼントしたら泣かれた」というはてなブログの記事が心に引っかかっている。

この文章は結婚における合意や金銭感覚など、多様な論点を提供してくれたが、私が注目したいのは誕生日などでよく見られる「サプライズ」という行為についてだ。

この行為は誰のためのもので、何をもたらすのか考えてみたい。

「ピカチュウ婚約指輪」事件とは何か
勝手に私がそう呼んでいるだけで

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Twitter投稿に「編集」機能実装で確実に起こるヤバいこと、「変更履歴」では対応不可

Twitter投稿に「編集」機能実装で確実に起こるヤバいこと、「変更履歴」では対応不可

本投稿はYour News Onlineからの転載となります。

これまで一度ツイートしたらそのまま残すか削除する(ツイ消し)するしかなった短文投稿サイトTwitter。

イーロン・マスク氏の取締役就任により投稿内容を後から「編集」できる機能が追加されることになりそうですが、これまで以上にフェイクニュースや詐欺行為の温床となる可能性があります。

イーロン・マスクの取締役就任と編集機能の試験導入

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休むのはリセットすること、だから「リセットできる休み」が必要なのだ

休むのはリセットすること、だから「リセットできる休み」が必要なのだ

人間には休みが必要だ。これは数少ない真理のひとつである。

創世記の神ですら6日働いた後に休みを取ったのだ。それより少ない休みで人間が生きていけるわけがない。

休みの効能休むことに大きな効能があることは自明である。水が低いところに流れるくらい当たり前のことだ。

だから古来よりどこにでも休日はある。休みがなければ人の仕事の効率は下がり、幸福度も下がる。

中長期的に見れば、うまく休ませて長く高効

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「コーヒーの蒸らし」は無意味か、そして香りは情報か実体か

「コーヒーの蒸らし」は無意味か、そして香りは情報か実体か

毎朝、コーヒーを豆から挽いて飲んでいる。忙しい時間のささやかな贅沢だ。1日を始める儀式と言ってもいいかもしれない。

そんなコーヒーを美味しく淹れるにはどうすればいいのか。ググってみると、時に互いに矛盾する大量の情報が検索結果に表れる。どうしたものか。

京都というコーヒーの都私の住む京都は、コーヒーの消費量がパンと共に日本一だ。和食のイメージのある京都だが、多くの京都人は朝食にパンとコーヒーを選

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白いワンピースの少女と、「ドラえもん のび太と『白百合のような女の子』」のパラドックス

白いワンピースの少女と、「ドラえもん のび太と『白百合のような女の子』」のパラドックス

日本人の多くが胸に秘める夏の日本の原風景。その中にいる白いワンピースの少女について考える。不思議なことに、知らぬ間に彼女は私の心の中にも存在していたからだ。

色褪せることのない白いワンピースの少女というファンタジー抜けるような青空と入道雲、きらめく海、蝉時雨。田園風景を抜けるまっすぐな道、寂れたバス停、誰もいない神社。ひまわり畑、あぜ道と用水路、むせかえるような夏の匂い。

そんな日本の少年時代

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「人工子宮」がもたらす差別と分断と富の集中

「人工子宮」がもたらす差別と分断と富の集中

ニューズウィーク日本版が「女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚から育てる人工子宮システムを中国が開発」という記事を掲載している。

中国で、人工子宮の中で胎児に成長する胚を監視しながら世話をする人工知能システム「AIナニー(乳母)」が開発されたというのだ。

まだまだ人工子宮で受精卵を新生児にまで育て、産み落とす技術への到達までは時間が掛かるかもしれないが、そんな世界は確実にディストピ

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