記事一覧
時計史小説(4) 1900 model1899 BridgeModel /ウォルサム・「良いモノを上手に売る」の果てに
良い事業とは何か 私(筆者)は某メーカーに会社員として勤めている。私の勤める会社は複数の事業をもっており、状況によって新規事業の開拓を試みたり、既存事業から撤退したりしている。私は幸運にも、これらの判断の理由について多少の情報を得られることがあるのだが、読者の皆様は、どのような時に会社が事業への参入(または、事業からの撤退)を選択すると思うだろうか。
自社製品の性能が、同価格帯の他社製品より、
第13回 「メトロポリタン美術館 武器・甲冑室」を訪ねて/「レトロ火器ご飯セット」を組む
最強の武器は何だろう 「最強の武器は何だろう」という素朴な疑問は、子供っぽい好奇心として、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。一方で、この質問の「的を得ていなさ」は、軍事の専門家ではない私でも、さすがにわかる気がします。
もし軍事が、「無力化した敵兵の人数を競う競技」あるいは「ぶんどった領土の広さを競う競技」であるなら、最強の武器という考えに意味があるのかもしれません。しかし現実
平凡なサラリーマンがFIRE(経済的独立と早期退職)に至った経緯と現在の関心事
40代前半でFIREを実現した(安全マージンと仕事への興味のため、もう少し勤務予定)という私の経歴に興味を持ってくださる方が時々いらっしゃいます。
一方で、仕事関係の知人には、なぜターゲットも定かでない美術関連記事を公開しているのかと尋ねられたこともあります。
このあたりの経緯について、自己紹介がてらプロフィールを作成いたしました。長い話になりますが、もしお時間がありましたら、ぜひお付き合い
第10回 「東京国立博物館 東洋館」を訪ねて/「紫檀木画槽『匙』」をつくる
博物館のあけぼの 博物館の起源は「驚異の部屋<ヴンダーカンマー>」にさかのぼると、西洋ではよく説明されます。「驚異の部屋」とは、個人が自分の趣味で集めたコレクションを自分の美意識で飾り立てた、陳列室のことです。自分で楽しむだけという場合もありましたが、こういったものは他人に自慢したくなるのが常ですよね。
このような文化が洗練されてくると、好き嫌いで集めた珍品自慢ではなく、学問的な見地からテーマを
第7回 「プラネタリウム技術史講座」を受けて/「手乗り三球儀」をつくる
技術史を知ることの意味 突然ですが、みなさんは、いわゆる発明家がどのように「特許」をとっているかご存知でしょうか。国によって多少の差はあるものの、「いいアイディア」を思いついた発明者が、特許庁に自分のアイディアを説明する方法は、実は本質的に同じです。発明者は「三つのステップ」で特許庁に自分のアイディアを説明しています。(特許法上は「発明家」ではなく「発明者」という呼び方をされています)
(1)