マガジンのカバー画像

エッセイ

97
運営しているクリエイター

記事一覧

映画サバカンが最高すぎる

映画サバカンが最高すぎる

映画・サバカンが最高すぎる

金沢知樹監督の映画・『サバカン』があまりに良すぎて、なぜこんなに自分の胸に響くのか考えてみました。

1 サバカンはTKO木本さんのおすすめ

サバカンを知ったきっかけはTKOの木本さん。今年の四月にTKOさんの半生を僕が小説にした、『転落』を発売したのですが、執筆のために、木本さんと木下さんにずっと話を聞いていました。

基本お二人のこれまでの人生を丹念に聴く時間だ

もっとみる
人間はAIに勝てるのか?

人間はAIに勝てるのか?

以前、こんな短編小説を書いたことがあります。

内容はAIが進化した近未来。人間は労働すべてをAIにゆだね、働くという行為を放棄していた。

働くことに存在意義を見出していた主人公は、他の人間達のように遊び呆けることができず、鬱々とした日々を過ごしていた。

すると、ひょんなことから『ロボット磨き』という仕事を始める。

要は金庫を磨くように、金属製のロボットを磨くみたいなことですね。

子供の頃

もっとみる
2022年の振り返り

2022年の振り返り

大晦日です。2022年も今日で最後ということで、今年の振り返りです。

正直、今年は作家人生で最悪の年でした。

今年は小説の新刊がなく、『お父さんはユーチューバー』の文庫本しか出せませんでした。作家になりたての頃は、デビュー作から二作目を出すのに一年以上かかったんですが、一年で一冊も新刊を出せなかったのはそれ以来です。

というのも去年出した『ワラグル』で、若干燃え尽き症候群みたいになりました。

もっとみる
マンガ『巣魔子』、配信開始です

マンガ『巣魔子』、配信開始です

LINE漫画で、浜口倫太郎原作・JURI漫画の、『巣魔子』が本日より配信開始となりました。

初の漫画原作デビュー作です。

若い頃の夢が、放送作家になってバラエティー番組の仕事をすることと、小説家になって小説を書くことでした。

その二つは叶えたんですが、もう一つ『漫画を作りたい』というのがありました。その夢が叶いましたね。

巣魔子はウェブトゥーンと呼ばれる、縦読み形式の漫画です。ウェブトゥー

もっとみる
未経験なことをするには

未経験なことをするには

久しぶりの更新です。note更新に使っていたパソコンを別の部屋に移動したら、びっくりするぐらい更新できませんでした。いやあ習慣って怖いですね。

それともう一つ、漫画原作の仕事でちょっとバタバタしていました。

映像の脚本執筆、小説執筆は経験はあるんですが、漫画の原作ははじめてなんです。

同じストーリーコンテンツなんですが、まあ別物です。特に小説とはかなり違いますね。

しかも通常の横読みの漫画

もっとみる
プロ作家になるための唯一無二の考え方

プロ作家になるための唯一無二の考え方

作家を目指していると、早くデビューして人気作家になりたいと考える人が大半ですよね。

新人賞の公募に何度出してもまったく受賞できない。それどころか一次審査すら突破できない。

一方芥川賞とかで最年少で受賞して、いきなりベストセラーを出している人もいる。

そんな人たちを見て心が折れて、「もう作家なんか目指すのは辞めようか」とあきらめてしまう人も多いかもしれません。

でも作家って長い目で見ると、若

もっとみる
日曜作家を目指そう!

日曜作家を目指そう!

日曜作家という言葉があります。

平日は仕事して、土日などの休日を利用して小説を書く人たちです。兼業作家という表現もしますね。

作家ではないですが、画家のルソーはこのスタイルでした。市民がはじめて余暇に恵まれて、趣味で絵を描く人が増えた時代です。

作家志望者の方は、プロになって日曜作家を目指すのがおすすめです。

たまに、「会社員を辞めて、小説家一本だけでやっていきたいんです」とおっしゃられる

もっとみる
夢を叶えられる人、叶えられない人

夢を叶えられる人、叶えられない人

夢を叶えられる人と叶えられない人がいます。

放送作家として芸人さんの世界を見てきたんですが、圧倒的に面白い一部の芸人さんは除いて、「なぜこの人は売れて、この人は売れないんだろう」と感じることが多々ありました。そこまで実力に明確な差はないのに、結果が大きく違うんです。

1 自信がある

じゃあ何が違うのかを考えると、まず第一は自己肯定感です。

やっぱり自己肯定感がない人は夢が叶いにくい気がしま

もっとみる
『お父さんはユーチューバー』本日発売です

『お父さんはユーチューバー』本日発売です

『お父さんはユーチューバー』が本日7月14日発売となりました。

作家になっての醍醐味といえば、自分の本が書店さんに並ぶところじゃないでしょうか。

夢を叶える光景を強くイメージするといずれ現実になるといわれますが、僕も作家になる前は、自著が書店に並ぶシーンを思い描いていました。

作家という夢の象徴が、このイメージなんです。

ただ無邪気に発売日を嬉しがれるのは、最初のデビュー作がピークなんです

もっとみる
がっかりできる人生が最高の人生

がっかりできる人生が最高の人生

『がっかり』って誰もしたくないです。

類語だと失敗とか失恋とか失望ですね。漢字ってやっぱりうまくできてます。失うのは誰にとっても回避するべきものです。

特に最近はそう考える傾向の人が多いですよね。合理的思考、コスパ、タイパ、などは『がっかりを避けたい』という考え方が根底にあります。

でも頻繁にがっかりできる人って、豊かな人生を歩んでいる証拠です。

がっかりのメカニズムは、『挑戦→期待→結果

もっとみる
君はBUMP OF CHICKENを発掘できるか

君はBUMP OF CHICKENを発掘できるか

『プロデュースの基本』という本を読みました。

沢田研二、吉川晃司、槇原敬之などのプロデューサーをされてきた木崎賢治さんが書かれた本なんですが、これが面白かったです。

すべての内容がよかったんですが、特に響いたエピソードがありました。

それは木崎さんがBUMP OF CHICKENのプロデュースをはじめた頃です。

木崎さんは何人かの知り合いに、「またこんないいバンドが見つけられて、木崎さんラ

もっとみる
やりたいことが一瞬でわかる方法

やりたいことが一瞬でわかる方法

「自分が何がやりたいかよくわからない」っていう悩みってありますよね。

やりたいことが見つかり、その道を進んでいる人を見ると、何か自分が置いていかれたような気にすらなります。

やりたいことをやっているようでも、それが世間や他人の価値観に沿ったもので、自分が本気で願っているものではない可能性もあります。

人生において、やりたいことがあるというのは幸せの条件の一つです。

そんなやりたいことが一瞬

もっとみる
ベタでありきたりが最高

ベタでありきたりが最高

なんか気になるなと思いながらも見れていなかった映画で、『シェフ 三つ星フードトラック始めました』を見ました。

いやあ、これよかったです。

ログラインはこうです。『レストランを辞めた落ち目のシェフが、息子と共にフードトラックでサンドイッチを作りながらアメリカを旅し、再生していく』

まあストーリー的にはベタってやつです。

「はいはい。よくある話ね」「ご都合主義過ぎるだろ」と鼻で笑われるタイプの

もっとみる
映画を早送りで観る人たち

映画を早送りで観る人たち

『映画を早送りで観る人たち』という新書を読みました。

最近の若者たち、いわゆるZ世代と呼ばれる人たちがなぜ映画や映像を早送りで観るのかについて取材・考察した一冊ですね。

なぜ早送りで観るのか? その大きな理由が、時間とお金ですね。とにかく今の若者は以前の世代よりも両方が足りないんです。

まずお金はわかりますよね。大学生の親からの仕送り額はこの三十年間で4分の1になっているそうです。

バブル

もっとみる