記事一覧
真面目で、平凡で、退屈で(エッセイ⑥)
真面目で、平凡で、退屈。
先日参加したTwitterのスペースで、「もし今の自分が新卒として就活するとしたら、強みは何か」という話になった。
面白いな、と思った反面、自分の強みを言語化したことがなかったので、難しく感じた。
私の強みは何だろう。塾講師として考えるなら、中学受験から大学受験、そして英語と国語の二つの言語科目を、「指導経験がある」というレベルではなく、現在進行形で同時進行で指導して
難関高校入試から考える現代社会入門③ 個性
はじめにシリーズ3つ目の記事です。
今回は「個性」がテーマです。現代は、「個性的」であることが価値であり、その結果特に何も考えず「自分探し」に駆り立てられてしまう、ということがあり、それを煽るような自己啓発本がよく売れます。ではそもそも「個性」とは何なのでしょうか。あるいは、「個性」は探したら見つかるようなものなのでしょうか。
難関高校入試の出典情報2021年度 筑波大学附属駒場高校 (村田沙耶
高校入試研究⑨ 2014年度 慶應女子高校 国語 大問3
はじめに今回は、慶應女子の国語です。女子校の最難関です。国語は非常に良問の多い高校で、同じ国語の良問を出す開成とは少し違います。全体の要旨・主題を読み取ることが要求される開成、一方で慶應女子の国語は細部の精密な解釈が要求されます。また、文学史や語彙など知識も非常に細かいところまで押さえておく必要があります。
本記事では、2014年度の評論を解説します。
出典情報出典はこちら。道徳や倫理の起源を脳
「でも、それだけじゃない」誰にでもある心の黒い部分とどう向き合うか〜『すずめの戸締まり』の鈴芽と環を見て思ったこと〜(エッセイ④)
*注意 この文章には一部『すずめの戸締まり』のネタバレが含まれます。
人には誰にでも心の中に黒い部分がある。それは明確な意志を持った悪意ではなく、単純な「嫌い」という感情でもない。それは、好意を抱く人や家族に対して向けられる。普段は心の奥底にしまっているが、ふとしたことをきっかけに口にしてしまい、相手を傷つけてしまう。もはや修復不可能なまでに、関係に深い影を落とすこともある。
新海誠監督作品の
花が咲くのを待つ忍耐(エッセイ③)
冬の初めは受験生にとって艱難の季節だ。夏にあんなに勉強したのに成績が上がらない。入試本番まで時間がないのに模試の判定は努力圏のまま。
もうやめてしまおうか。志望校を変えたほうがいいのか。
このような悩みを抱える受験生は多い。
そもそも受験勉強に限らず、努力の結果はすぐに出るわけではない。というか、そうでないもののほうが多いのではないだろうか。
成績は一次関数のグラフのように右肩上がりで上昇するわけ
高校入試研究⑧ 2021年度 筑波大学附属高校 国語 大問2
はじめに約1週間ぶりの投稿となりました。今回は2021年度筑波大学附属高校の小説の問題を解説します。今回は設問数も多いので少々簡易的に。冬期講習の準備に向けて、そして年明けの高校入試に向けて忙しくなる時期ではありますが、体調に気をつけて過ごしていきたいですね。
筑波大学附属高校の国語について筑波大学附属高校の国語は、50分の試験で、現代文2問が出題されます。例年は評論+小説という構成です。過去に
高校入試研究⑦ 2020年度 開成高校 国語 大問1
はじめに2日連続の投稿になります。今回は高校入試研究シリーズ、扱う問題は2020年度開成高校の評論です。この年の小説(門井慶喜『銀河鉄道の父』)もとても良い問題なので、またの機会に解説します。
出典情報
出典はこちら。三谷尚澄『哲学しててもいいですか?: 文系学部不要論へのささやかな反論』です。世間的には社会的に直接役に立つわけではないと考えられている、哲学などの人文学。大学で人文学を学ぶことの
難関高校入試の国語から考える現代社会入門② 倫理
はじめに前回の記事はこちらです。
シリーズ第二弾は「倫理」です。ここ数年の難関高校入試問題で非常に多くなってきています。2022年度久留米大学附設高校、2021年度ラ・サール高校、2018年度桐朋高校、2016年度渋谷教育学園幕張高校、2014年度慶應女子、2011年度お茶の水女子大学附属高校などで、倫理がテーマの文章が出題されています。特にコロナ禍以降は倫理の中でも「生命倫理」についての文章が
コートを着るという決断(エッセイ②)
「そろそろコートを着ようか...、それともまだやめておこうか...。」
季節の境目はいつだって曖昧だ。毎年この時期の出勤前に悩む。私にとってコートを着るということは、冬の訪れを意味する。コートが嫌いなわけではないし、むしろ早くコートを着たいとさえ思う。ただコートを着たことで「暑い」と感じるのは嫌だ。昼間はコートなしでも十分に過ごせる。特に電車は暖房が使われ始めて、汗ばむこともある。暑いのは嫌だ。だ
帰り道とシャワー (エッセイ①)
はじめにこのシリーズは私が日々考えたこと、ふと思ったことを気楽に書いていくエッセイのようなものです。初回はタイトルの「帰り道とシャワーで考えたこと」についてです。ぜひご覧ください。
帰り道とシャワー最寄駅から自宅へと歩く夜道とシャワー。この二つは全く関係のないように思われるが、実は共通点がある。
人にはそれぞれ自分にとって思考がまとまりやすい場所や時間があるのだと思う。例えば音楽を聴いているとき