のぎすみこ nogisumiko
何十年も前から 書いては消しを繰り返してきた 「家族」についての話しの ほんの断片 わたしには、26年共に過ごしてきた女性がいる。 親しい友人は知っているけれど、会…
ここ数年、美術館でも写真を自由に取って良い所が俄然増えた。SNSでどんどん美術館の宣伝をして来館者が増える事は、美術館側や作者にしてみれば、喜ばしい事... なのだろ…
「老害」という言葉は好きな言葉じゃないから、使わないし忘れてた。 それでも、自分が無駄に年を重ねて「老」の文字に近づいて、他人事ともならぬ年になったのも事実。わ…
鶴岡政男の「重い手」の、実物を観た。おぼろげな記憶だけれど、小学生の時に美術の教科書で見たのが、初めてだったと思う。作者の名前も題名も覚えていなかったのに、絵だ…
わたしは「◯◯のために」という言葉が嫌いだった。 人は自分の為に「何か」をやり続けた結果、誰かのために「たまたま」なっているのだと思っている。 なので、誰かにむ…
わたしは、オーディション会場で審査員をしている。何のオーディションかと言うと、「犬のきぐるみを着た人達が『犬らしさ』を競う」という内容で、結構な応募者数がいる事…
４月の晴れた午後の柔らかな日が、心地よく大きな窓から差し込んでいる。カーテンは無い。１２畳ほどの天井の高い部屋。家具は趣味の良いアンティークで、テーブルと椅子と…
昔見た夢のメモを、引っ張り出してきて読み直している。 「今、演歌歌手のCDを買うと、その歌手のヒット曲で回るメリーゴーランドがもらえる」。というキャンペーンの看板…
ともだちの車に乗って、展覧会に行って来た。 昔は小さな町工場だったのだろうな、と一目で分かるような外観の、その２階にギャラリーがある。 鉄骨が剥き出しの内装は、…
「LINE交換しにきて」と言われたので鎌倉へ向かう。 立派な新築の庭を通って玄関手前で、ともだちがいそいそとペンキと塗装道具一式をわたしの目の前に置いた。 無言ながら…
父の名前は「正義」、母の名前は「真理子」。 娘の名前は「純子」。 名前を付けるのは、とても神経がいる。と思っている。 言霊はある。と思っている。 父親は内弁慶…
男の子と遊ぶのは楽しい。例えば口笛を吹けるようになるまで、１日中それだけをやって、ぐったりして眠ればいい。全ての子供がそうだとは限らないけれど、わたしと親しい友…
わたしの血を継ぐこどもはいないけれど、いままでに、親しい友人のこどもの相手を頼まれることが何人も、何回もあった。 保育士免許も持たないわたしに頼むのだから、お互…
こどもの頃に、「絶対に自分のDNAは残さない」と自分に誓って、それは守られた。５５歳のわたしは独身で、子供もいない。 世の中を見渡せば、わたしと同い年で孫がいる人…
わたしはこどもに「ガン見」をされる。 年齢が小さくなればなるほど、よーく観察してくる。初めて遭遇する生物に強い興味を持つことは、とても良いと思う。いきなり触って…
そもそも、何歳から「おばあちゃん」なのかと、ふと思う。先頭おばあちゃんの、「わたしなんて もう」の言葉の後に、「若い子には興味ないわ」「相手にされるわけもないわ…
2021年10月8日 17:17
何十年も前から 書いては消しを繰り返してきた「家族」についての話しの ほんの断片わたしには、26年共に過ごしてきた女性がいる。親しい友人は知っているけれど、会ったことのある友人は少ない。性的指向についてわたしはオープンだけれど、彼女はクローゼットだということも理由としてはある。けれど決定的だったのは、以前彼女の妹がわたしの名前を検索し、わたしの呟いたツイッターの内容を読んで、妹が姉、つま
2020年9月30日 21:40
ここ数年、美術館でも写真を自由に取って良い所が俄然増えた。SNSでどんどん美術館の宣伝をして来館者が増える事は、美術館側や作者にしてみれば、喜ばしい事... なのだろうか？１５年程前、友人がソロコンサートを行った際に、「どんどん写真や動画を撮って、宣伝してください」と、舞台上から言った時「おぉっ！すごいなぁ さすがだなぁ」と関心した覚えがある。当時はむしろ「演者を撮らないでください」と、携帯を
2020年9月26日 21:00
「老害」という言葉は好きな言葉じゃないから、使わないし忘れてた。それでも、自分が無駄に年を重ねて「老」の文字に近づいて、他人事ともならぬ年になったのも事実。わたしも、そう言われてる可能性はあるだろう。わたしは若い時、今よりもずっと生意気だった。今は生意気というのは、若者の特権だと思っているけれど、当時は何も考えずに、先生や先輩や上司に盾を突いて嫌われたりしながら、相手の器の大きさを測ったりし
2020年9月25日 23:10
鶴岡政男の「重い手」の、実物を観た。おぼろげな記憶だけれど、小学生の時に美術の教科書で見たのが、初めてだったと思う。作者の名前も題名も覚えていなかったのに、絵だけはずっと忘れられずにいた。東京都現代美術館へは、オラファー・エリアソン目当てで出掛けた。会場は大盛況で、携帯片手に「映える」事ばかりに精を出す観客に、早々に疲れそそくさとその場を後にした。作品を鑑賞するような雰囲気ではなかった。そして
2020年9月24日 21:16
わたしは「◯◯のために」という言葉が嫌いだった。人は自分の為に「何か」をやり続けた結果、誰かのために「たまたま」なっているのだと思っている。なので、誰かにむかって「あなたの『ため』にやっているのだ」というのは、違うと常々思っている。思っている。「誰かの為に『何か』をやれば、必ず自分に返ってくる」からやる。というのも、あまり好きではない。初めから見返りを求めるのは、どうもムズムズと気持ち
2020年9月23日 22:19
わたしは、オーディション会場で審査員をしている。何のオーディションかと言うと、「犬のきぐるみを着た人達が『犬らしさ』を競う」という内容で、結構な応募者数がいる事に驚いた。そこで優勝した場合、映画なのかドラマなのか、舞台なのかイベントなのか...。いったい、どんなステージが待っているのかは分からない。体育館のような場所に、満遍なく感覚をとった応募者達が、四つん這いになってスタンバっている。犬種と
2020年9月22日 15:25
４月の晴れた午後の柔らかな日が、心地よく大きな窓から差し込んでいる。カーテンは無い。１２畳ほどの天井の高い部屋。家具は趣味の良いアンティークで、テーブルと椅子とキャビネット、それと大きな棚が置いてあった。わたしはそこで、５歳の女の子と二人で遊んでいた。彼女は昆虫と植物の研究をしていて、虫を飼っている。５歳児ならすっぽりと入ってしまう大きさの、プラスティックのボックスには、彼女の言うことを聞くと
2020年9月21日 09:57
昔見た夢のメモを、引っ張り出してきて読み直している。「今、演歌歌手のCDを買うと、その歌手のヒット曲で回るメリーゴーランドがもらえる」。というキャンペーンの看板を商店街で見かけた。 CDショップのガラス窓に、写真が飾ってあるので近づいて見てみると、メリーゴーラウンドの白馬の上に、歌手のフィギアが乗っている。「なんて魅力的なんだ！ あぁ〜 石川さゆりも小林幸子もほしい」と、わたしの物欲が
2020年9月20日 15:03
ともだちの車に乗って、展覧会に行って来た。昔は小さな町工場だったのだろうな、と一目で分かるような外観の、その２階にギャラリーがある。鉄骨が剥き出しの内装は、本格的に改築した様子はなかった。重ねた年月には古臭さよりも、懐かしさの趣が勝っていて、展示されているものが、さらにそれを煽っていた。既製品なのか作家が作ったものなのか、新しいのか古いのか... 一見しただけではわからないけれど、子供
2020年9月19日 15:23
「LINE交換しにきて」と言われたので鎌倉へ向かう。立派な新築の庭を通って玄関手前で、ともだちがいそいそとペンキと塗装道具一式をわたしの目の前に置いた。無言ながら、ともだちの目は「やってくれるよね」と訴えている。「いやいや 聞いてないし 聞いてたらそれなりの格好で来るよ やらないよ」と、わたしが言うと。とてつもなく暗い雰囲気を醸し出し始めたので、回れ右して来た道を戻った。その途中「そう
2020年9月18日 19:34
父の名前は「正義」、母の名前は「真理子」。娘の名前は「純子」。名前を付けるのは、とても神経がいる。と思っている。 言霊はある。と思っている。父親は内弁慶外地蔵だった。家でのわたしへの暴力だけでなく、女癖も悪く、わたしが知っているだけでも４人いたので、きっともっといたのではないかと勘ぐる。わたしから見れば、父親のどこが良いのか解らないけれど、他所の女性から見ればイケてるメンズ、だったの
2020年9月17日 14:19
男の子と遊ぶのは楽しい。例えば口笛を吹けるようになるまで、１日中それだけをやって、ぐったりして眠ればいい。全ての子供がそうだとは限らないけれど、わたしと親しい友人の子だからか、そういう印象がある。もしかしたらこどもらが、しつこいわたしに付き合ってくれていたのかもしれないけれど、それは質問したことがないので分からない。実は女の子と遊ぶのは苦手だ。わたしは女性だけれど、女の子との遊び方が分からない
2020年9月16日 17:55
わたしの血を継ぐこどもはいないけれど、いままでに、親しい友人のこどもの相手を頼まれることが何人も、何回もあった。保育士免許も持たないわたしに頼むのだから、お互いに信用がなければいけないし、そう思ってもらえてることが嬉しい。おむつ替えをしたり添い寝をしたり、離乳食を作ったりお風呂に入れたり、少し大きくなった彼らと、一緒にごはんを食べたり遊んだりする事は、本当に楽しい。共働きの友人に感謝しかな
2020年9月15日 21:21
こどもの頃に、「絶対に自分のDNAは残さない」と自分に誓って、それは守られた。５５歳のわたしは独身で、子供もいない。世の中を見渡せば、わたしと同い年で孫がいる人は少なくはないので、たまに不思議な気持ちになる。その不思議な気持ちが、どこからくるのかと言えば、やっぱり自分の過去を探っていくしかないのだなぁ、と思う。わたしは父親から虐待を受けていた。わたしの生みの母は「鬼」だったらしく、よく「鬼
2020年9月14日 13:08
わたしはこどもに「ガン見」をされる。年齢が小さくなればなるほど、よーく観察してくる。初めて遭遇する生物に強い興味を持つことは、とても良いと思う。いきなり触ってこないのも正しい。なので、もちろんこちらとしても、気安く触ったりしてはいけないと思っている。「こどもに好かれるのね」とわたしにいう人がいるけれど、それはたぶん違うと思う。目を見て、「あぁ、こいつとはともだちになれないな」と思われている
2020年9月13日 10:50
そもそも、何歳から「おばあちゃん」なのかと、ふと思う。先頭おばあちゃんの、「わたしなんて もう」の言葉の後に、「若い子には興味ないわ」「相手にされるわけもないわ」「恋愛には疲れたわ」「昔はすごかったんだから」「彼より若い恋人がいるんだから」と言葉を繋げて、なんだか一人の女性の人生を勝手に妄想したけれど、肉体はわたしよりも若い事は、体操を見ていれば分かる。もしかしたら、もっとすごいセリフが用意されて
