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イベント

「LINE交換しにきて」と言われたので鎌倉へ向かう。
立派な新築の庭を通って玄関手前で、ともだちがいそいそとペンキと塗装道具一式をわたしの目の前に置いた。
無言ながら、ともだちの目は「やってくれるよね」と訴えている。
「いやいや 聞いてないし 聞いてたらそれなりの格好で来るよ やらないよ」と、わたしが言うと。
とてつもなく暗い雰囲気を醸し出し始めたので、回れ右して来た道を戻った。

その途中「そういえば 面白いイベントがあったよな」と思い出し、時計を見ると13時の開催時間に間に合いそうなので、そのまま足を向けた。
イベント会場といっても、シャッターの閉まった商店街の青空広場なのだけれど...

丁度いい時間に到着するが、観客らしい人もいないので「宣伝しなかったのだろうか」と、不安になりながら路肩のガードレールに腰を下ろして待っていると、右からは、兜と甲冑を身にまとったピエール瀧。その後ろには、白いふんどしにマゲを結った10名の若衆が神輿を担ぎ、その背後にも10名ほどが取り巻いている。左からは やはり同じような体制で、しりあがり寿が先頭に立っている。

両者の神輿は、「あ〜 しりあがり寿が作ったんだろうなぁ」と一目でわかるような、ゆがんだ白いハリボテに墨でゆるく絵が描いてあった。

両者が距離を取り向かい合う形で整うと、ピエール瀧がおもむろに「かしこみかしこみ〜」と、何やら口上を始め、ひとしきり何かを述べた後に続いて、しりあがり寿もまた 同じように何かを述べた。 

と突然、「やーーーーっっっっ! わーーーーーーっっっ!」と、相手の陣に向かう事もなく、その場で若衆が騒ぎ立て、それもしばらくして、ピタリと止まった。
いつの間にか横にいた男性に、「終わりましたけど この後飲みに行きます?」、と声を掛けられたので、「あ〜 いいですね〜〜〜」、と答えて

夢から覚めた

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