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日常

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みるちから

みるちから

ここ数年、美術館でも写真を自由に取って良い所が俄然増えた。SNSでどんどん美術館の宣伝をして来館者が増える事は、美術館側や作者にしてみれば、喜ばしい事... なのだろうか?

15年程前、友人がソロコンサートを行った際に、「どんどん写真や動画を撮って、宣伝してください」と、舞台上から言った時「おぉっ!すごいなぁ さすがだなぁ」と関心した覚えがある。当時はむしろ「演者を撮らないでください」と、携帯を

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老害

老害

「老害」という言葉は好きな言葉じゃないから、使わないし忘れてた。
それでも、自分が無駄に年を重ねて「老」の文字に近づいて、他人事ともならぬ年になったのも事実。わたしも、そう言われてる可能性はあるだろう。

わたしは若い時、今よりもずっと生意気だった。今は生意気というのは、若者の特権だと思っているけれど、当時は何も考えずに、先生や先輩や上司に盾を突いて嫌われたりしながら、相手の器の大きさを測ったりし

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◯◯のために

◯◯のために

わたしは「◯◯のために」という言葉が嫌いだった。

人は自分の為に「何か」をやり続けた結果、誰かのために「たまたま」なっているのだと思っている。

なので、誰かにむかって「あなたの『ため』にやっているのだ」というのは、違うと常々思っている。思っている。

「誰かの為に『何か』をやれば、必ず自分に返ってくる」からやる。というのも、あまり好きではない。初めから見返りを求めるのは、どうもムズムズと気持ち

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わかいからだからなのか ③

わかいからだからなのか ③

そもそも、何歳から「おばあちゃん」なのかと、ふと思う。先頭おばあちゃんの、「わたしなんて もう」の言葉の後に、「若い子には興味ないわ」「相手にされるわけもないわ」「恋愛には疲れたわ」「昔はすごかったんだから」「彼より若い恋人がいるんだから」と言葉を繋げて、なんだか一人の女性の人生を勝手に妄想したけれど、肉体はわたしよりも若い事は、体操を見ていれば分かる。もしかしたら、もっとすごいセリフが用意されて

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わかいからだから ②

わかいからだから ②

散歩を初めて一ヶ月、朝の体操はやればやるほど奥深く、なかなか思ったように筋肉が使えない。雨と雪の日以外、毎日欠かさず続けてきた人達に、そんなにすぐに追いつけるはずなどないよな、年齢など関係ないのだ「継続は力なり」を身に沁みて思う。

体操は、切り株に置かれたDVDプレーヤーを、持ち主のおじいちゃんがONにすることで始まる。音楽は聴こえるけれど画面が小さいので、いつも先頭にいるおばあちゃんを手本にし

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わかいからだ ①

わかいからだ ①

今年に入ってから何かと身体の調子が悪く、わたしの時間だけが通常の半分しか無いのではないかと疑ってしまうほどの日々が続いていた。

家にいて座っている時間がだんトツに増え、心も身体も怠惰な窪みにころがして、言い訳の全てを「新型コロナ」にまかせておく事にも限界がある。自分に甘ったれるにも飽きて、数ヶ月経って遅蒔きながら心身共に苦痛を感じる様になってやっと、「早起きして散歩でもするか」と重くなった腰をあ

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