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また読み直したいものを勝手に放り込んでゆくところです。 勝手に入れますが、御容赦ください。
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2022年12月の記事一覧

岩崎さんの居る世界

岩崎さんの居る世界

Wi-Fiの調子が悪いのか、パソコンに表示されたZoomの画面が固まってしまった。いつもなら、焦ってしまうのだけれど、その時はあまり焦らなかった。我が家のWi-Fi回線は二つあるので、違う回線に切り替えてZoomに接続し直した。なんとか上手く切り抜けた。

Zoom上に集まったメンバーで、各々が書いた文章を読み合って感想を述べ合うことをした。テーマを決めずに即興で書くのは久しぶりで、どう書けば良い

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そうだ、遊ぶのだ。『「たま」という船に乗っていた』を読んで

敬愛する石川浩司氏(たま、パスカルズ、ホルモン鉄道など)の原作マンガ、
『「たま」という船に乗っていた さよなら人類編』(画:原田高夕己 双葉社)
を読み終えて数日。改めて、たまや石川浩司氏をスゴいと思ったのだった。

このマンガは石川氏が上京し、たまのメンバーと出会い、バンドを結成、以後のブレイクの前夜までを描いたもの。全体が藤子不二雄Ⓐのタッチで描かれ、所々につげ義春や水木しげる、楳図かずおの

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武術家が書いた上達論から。音楽でもスポーツでも何にでも通ずることが多くて、情報伝達を飛距離とコントロールに例えてたのも面白い。特に指導者の方は参考になると思います。

画像内文章引用元
『上達論』
amzn.to/3ThaSZT

青玄羅漢はどこだ

青玄羅漢はどこだ

羅漢寺に来春の笑羅展のポスターとチラシを届けに行った。
風の強い寒い日だったが、羅漢場に着くと雲の合間から陽もさした。
こういうことがよくある。
石仏たちは晴男晴女が多いのかもしれない。

クレーの妖精のような一体の前に野菊が咲き群れていた。

陽射しを片頬に受けて、白く美しく輝いていたひと。

ワビスケ、サザンカの花、マユミの実、ドウダンツツジの紅葉の彩り。

この日のもう一つの目的は、とある句

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尾崎放哉と種田山頭火

尾崎放哉と種田山頭火

 題の通り、このノートは尾崎放哉と種田山頭火についてのノートである。

 俺の好きな歌人の一人に、種田山頭火という歌人がいる。旅の途中で山口を通過することになったが、山口県防府市は山頭火の生まれ故郷である。旅を始めた最初はそのことを知らなかったが、岡山から山口に行く途中の電車の中で防府が山頭火ゆかりの街であるとネットの記事で読んだ。山口には山口市に湯田温泉という白狐が見つけたといわれる温泉があり、

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バカ日記『ナチュラルなヤク』

漢方薬を飲んでるんですけど

いえケミカルの薬ももちろん飲んでるです
(もちろん、と言った
(飲んでるです、にはこの際目をつぶった

ケミカル(が、どちらかというと自然だから
私は
たぶん、大げさに自然をした
たぶん、大げさな自然だった
ナチュラルはどちらかというと不自然だから

ナチュラルは不自然に強調しなければ
いけない
してもし過ぎることはない
値段も高すぎるぐらいが、いい
近づきがたいぐら

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【詩】文脈のなか

【詩】文脈のなか

夜中、誰かに呼ばれた気がして目覚める時がある
仕組まれたとおりの動きで麦茶を飲んでいると
地続きの自分がよく分かる

20万年前から町の片隅にいるホモサピエンスの文脈
その中に入れてもらえないことが
私ずっとこわかったのね

一歩の遅れが百歩の遅れで、診断名は知恵遅れ
私は今年35になるはずなのに
知的には25さいぐらいらしい

それは子どもの頃には狂いそうなほどの極彩だったけど
年を取るにつれ砂

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〔詩〕言葉を紡ぐ

〔詩〕言葉を紡ぐ

心の中をふわふわ漂う
細い細い繊維を
いっぽんずつそっと捕まえて
撚り合わせてゆく
ちぎれないように
優しくゆっくりと

できれば真っ白に
できれば滑らかに
絹糸のように紡ぎたいけれど

頑張りすぎると捩れて
ぼんやりしていると解けてしまう
真っ白からはほど遠く
不規則に混ざる色に溜息をつきながら
ゆっくり
ゆっくりと
いつまでも撚り合わせている

混ざり合ったピンクとグレーは、愛に似ていた

好きだった頃の気持ちに恋をしていた。愛に恋をしていたんです、きっと。ピンクとほんの少しのグレーが渦を巻いて、マーブルのような歪んだ模様を形成している。愛の残り香を拾い集めては無機質な情として放出している。あの頃食べ残した愛を必死に掻き集めて、引き伸ばしている。違和感を飲み込み、なんとか消化しようとする。飲み込み続けた毒はやがて体内を侵食し、ゆるやかに濁っていく。ゆるやかに、堕ちていく。始発を待って

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ミディアムポエムとは何か ~短くも長くもない自由詩~

ミディアムポエムとは何か ~短くも長くもない自由詩~

1 はじめに先日このようなツイートをした。

ここで提案したミディアムポエムという枠組みを使って、いろいろな人に自由詩を書いて発表してもらい、それを通してネット上に交流の場を生み出すことができたら良いなと考えている。提案者としてハッシュタグ #ミディアムポエムの使い方にルールを設けるつもりはないので 、興味のある人は気軽に使ってみて欲しい。

ミディアムポエムの簡単な紹介は以上で終わりなので、ミディ

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【spin a yarn】

【spin a yarn】

雪と妖精を眺めていると、時間が止まるような、そこだけ永遠に繰り返されているような錯覚を起こす。なぜかは分からないけれど、充分満たされた、という気分になる。それはきっと願望なのだろう。世界がここに集約されれば何も煩わしいことなどないのに、という。

幾つかの死と【エッセイ】

幾つかの死と【エッセイ】

 かつて、入院療養中にこんなことがあった。
 私は結核で入院していたが、呆れたことに、肺の病気を患っているというのに煙草を止めないのであった。更に呆れたことに、病棟には私の同類が女性も含めて他に何人もいるのだった。
 療養所の早い朝食を終えると、病棟の西の出口に一人、二人と顔を出し、ある者は短い階段に腰を下ろし、ある者は地べたにしゃがみ込んで、食後の一服というわけだ。
 ある朝、私はいつものように

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神の存在証明など永遠に成されることもないし、超越的な法則などあったとしても人の理知では解けないだろう。なので信仰とは、まずはその価値や意味を問うことをやめて始めてみるしかない。理知と盲目的信念の二重基準。真面目な人はここに疑義を抱く。だが始めることでしか信仰の道はひらかない。

箱の中の点❶シュ博士の診断

箱の中の点❶シュ博士の診断

なるほど。”できもの”以外に、なにか症状はありますか?
寒いのに、熱い。痒いのに、どこが痒いかわからない。疲れてるのに、眠れない。お腹いっぱい、なのに食べちゃう。これらの症状が起こり始めている、と。もしや、頭の中でカンカンカンカンと踏切の警報音のようなものが、ええ、鳴っていますね。大体のことは解りました。
それでは取り急ぎ、処方箋を出しておきましょう。まず、朝晩1回ずつパフェを食べてください。なに

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