石川 葉
リリィとリリィの連作短歌
石川葉の日々のこと。その虚実。
私の世界はどこまでも平ら、レイヤーの目を入れたり消したりして、時々君の前に現れよう。 石川葉による小さなお話の連作。
ボルヘスの『幻獣辞典』から、モチーフの幻獣をピックアップして描く。そして、それをアイテム化する。 幻獣を着るのでウェアウルフ。狼男、wereをwearにして幻獣を纏う。
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0181 雨になる雲の不思議がわかったのふわふわのわたぎゅうっとするの
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0180 公園にコットンキャンディ売りがきて顔より大きな雲を渡され
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0179 ピカピカの朝は誰が磨いているの? あたし知ってる毛虫のジョーよ!
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0178 雨降りで双子とローズは眠ってるクローゼットにメグくるまれにゆく
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0177 日だまりの幽霊たちは伸びをして遠い子どもの駆け足を見る
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0176 洗濯のシーツを被り幽霊の真似する双子メグのかみなり
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0175 幽霊がまばゆい光の奥にいる双子はそれを友達と呼ぶ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0174 まどろみの双子の髪はきらきらと光こぼれる日だまりになる
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0173 果てしない中に君らは含まれる物語をし歌い踊れよ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0172 珍しく寝坊をしている双子たち互いの夢から未だ帰れず
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0171 はしゃぎあいついては離れを繰り返す花辺の蝶より賑やかに舞う
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0170 登園の双子は静かに雨の中はしゃいでいいよ追いかけるから
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0169 心にも降る雨のこと鳥が鳴き慰めの歌誰かの口笛
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0168 むなしさの海が心にあふれても漕ぐ手をやめることもできずに
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0167 窓を抜け飛び込んできた鳥の影心の中の何か掠めて
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0166 たんぽぽの綿毛を吹いて飛ばしてる花の願いを知らず叶える