赤井紫蘇

詩を書いたり読んだりするのが好きです。将来の夢は幽霊。

赤井紫蘇

詩を書いたり読んだりするのが好きです。将来の夢は幽霊。

最近の記事

【日記】グミ20袋を3日で食べ切ったし

ハマったらそればかり食べてしまう性質だ。特に、ここ数か月の食生活は本当に終わってる。グミ20袋を3日で食べ切ったし、マーピー(というなんか辛くて美味しいピーナツ)10袋セットを1週間で空にした。マーピーの袋の底に沈んでいた唐辛子は辛麺(日清から出ているとても美味しいインスタントラーメン)に混ぜて食べた。その辛麺も何個かセットで買ったものだ。ミレービスケット(1袋1000kcalするらしい)を1日2袋食べたりもした。 数年前、まだ自炊をするつもりがあった時はカレーやおでんを1

    • 【詩】病院の待合室で

      病院の待合室でだらけた座り方の人 スマホ見ながらぶつぶつ言ってる 私は隣に座って読みかけの本を開いた この人の隣にいると まるで私がしっかりした人みたい あっちの壁にかけられた絵は 誰が描いたものだろう 灰色のコンクリートに 色とりどりの鳥の糞がぶちまけられている どこからか虫が飛んできて そこらじゅうを回りはじめた 隣の人はスマホを置いて肘を掻いている ずっとずっと掻いている 掻けば掻くほど漂ってくる 人間の汗と皮膚の臭いが 「誰のことも憎むなよ」と 鬼の形相で

      • 【詩】白い手のひら

        安心して眠るために夜な夜な ネットで悲惨な事件を調べているあなたへ 私はあなたを見ているよ 口に含んだレモンサワーをゆっくり飲み干す瞬間 愛してるよと握手させてよ 好きな時間に起きて 薄暗くなったらシャワーを浴びて 近所の河原を散歩しよう もしお祭りをやっていたら 綿あめを食べよう 体なんてないかのようにふるまう 夏の風があなたに絡まる 白い手のひらが 何かを掴もうとして やっぱりやめて 来た道を戻っていく

        • ごきぶり こわい 何処にでもいるから ごきぶり みつけたら この目の中にも まっくろな はおと カサコソ棲みつく この目で見たもの すべてになれる 円形のステージ あけがたの みずうみ すみれいろに ひかる じょおうさまの かんむり まっくろな めのおく 触手を 伸ばして

        【日記】グミ20袋を3日で食べ切ったし

        • 【詩】病院の待合室で

        • 【詩】白い手のひら

        • ごきぶり こわい 何処にでもいるから ごきぶり みつけたら この目の中にも まっくろな はおと カサコソ棲みつく この目で見たもの すべてになれる 円形のステージ あけがたの みずうみ すみれいろに ひかる じょおうさまの かんむり まっくろな めのおく 触手を 伸ばして

          箱の中身は何だろな ずぼっと手を入れてみて ザリガニ 綿あめ 砂嵐 憎しみ 憎しみ 真っ赤な茎 私は私の願いごとを叶えてはくれないから 呪い疲れた赤ちゃんおくるみ 歯の欠けた多肉植物 ベランダで蝉が死んでいる

          箱の中身は何だろな ずぼっと手を入れてみて ザリガニ 綿あめ 砂嵐 憎しみ 憎しみ 真っ赤な茎 私は私の願いごとを叶えてはくれないから 呪い疲れた赤ちゃんおくるみ 歯の欠けた多肉植物 ベランダで蝉が死んでいる

          【詩】永久歯

          ああ今おしっこしたいなって 体が言っている時に ああ今おしっこしたいなって 体が言っているその時に 私は頬を強くたたき 歯ブラシでお経を唱えて もっと苦しめ~と呪いをかけた しゃかしゃかしゃか オッオッオッ もっと苦しめ~ もっと苦しめ~ もっと苦しめ音頭がつづく 縄文から弥生まで 西から東まで 乳歯から永久歯まで めぐる体をめぐる 舌を伝って這い出るホゾシタ 願ってもないのに年を取るし そのうち死んでしまうし 体は私の中でいちばん他人だ 晴れの日、砂紋と海、まるい

          【詩】永久歯

          【詩】棒アイス

          目が覚めたら ぐぐぐぐぐ ぴたぴたぴた 手で確かめると アイスの棒がおでこに刺さっていた びっくりして引っこ抜いたら 棒には赤い文字で「あたり」と書かれてあった 誰がそんなこと決めたんや むしょうに腹が立ってくる 公営住宅当たれ 宝くじ当たれと 思って生きているけれど 誰か知らんやつに「あたり」とか言われる 筋合いはないような気がしてきて 舐めんなよ ひとこと言ったらぁと 長距離バス乗り継いで おかあちゃんが生まれたおじいちゃんちの 今はもうない扉を開けて 今はもうない畳

          【詩】棒アイス

          【詩】トローチ

          裏山のあの辺に水晶がたくさん落ちているらしい 拾ってバリボリ食べてみたいね 喉痛くないのに舐めるトローチ 変声期に失敗したぼくたち 本気で生きてきたから本気でぶっ壊れてしまった まるで青いレーザービームの影法師 君、いつかどこかの駅のホームに 飛び込んでくれないか 僕の代わりに

          【詩】トローチ

          【詩】山の母

          仁王立ちで嵐の上に立つ わたしは山山山の母 乳だって垂れていたい うんちが出ずに悶える犬の 尻を舐めてやりたいんだ そして胸がギュッとなる時ほど 堂々としていよう 左から来る苦しみを 右手でかわして本を読もう ピンク色の壁紙が 資本主義の玄孫が 汽車の窓から手を振っている

          【詩】山の母

          【雑記】「この犬は私だ」という感覚

          2日前、犬の去勢手術をした。 発情期があることでのストレスや、先々の病気のリスクを考えて去勢手術をしたものの、まだ体調が安定せずしんどそうにしている姿を見るとハラハラしていて、ゴールデンウイークはずっと犬の隣で過ごすことになりそう。 そんな中、最近の犬との暮らしで感じたことを覚書的に残しておこうと思う。 ~去勢手術の経過を見ながら考えたこと~ ・自分はこの犬であり、同時に犬の母である 去勢手術から数時間経つと、犬はひゅんひゅん泣きはじめた。 麻酔が切れたことで傷口が痛

          【雑記】「この犬は私だ」という感覚

          【詩】わたしたち

          何度も同じページをめくるみたいに 爪でぎりぎりと痛めつけて 腫れあがった心のしこり わたしたち、という無縁仏 実家の墓じまいの計画を練りながら 使い古された夢の扉を開く よその国で使われるらしい安楽死の薬が わたしたち、にとっての暮らし 扉の向こうでは歯がぽろぽろ抜けて 子どもの頃住んでいたアパートの外階段を ゆっくり落ちて、落ちていく 一度も会ったことはないけれど 電車の向かい側でいつか 視線を交わすかもしれません わたしたち、きっと一人じゃないですね 何度も何度も

          【詩】わたしたち

          【詩】タチアオイ

          生きてく生きてく生きていく なんでなんで生きていくのか 100均で買った便利グッズ捨てて また100均で新品を買う パンチ一発命消せるピックで 真っ赤なタチアオイ奥まで突き刺す 人生を台無しにしそうな昼下がり 道にぐちゃっとなっている 主に赤茶や黒の物体が どうか猫や鳥ではありませんようにと願う いっぽう足元から影を伸ばした私は もっとグロテスクなものが見たいと 目を爛々とさせている どちらも強烈な本心だったから 季節が巡る限り希望が生まれ続けてしまう この世のシステム

          【詩】タチアオイ

          【詩】実存おらぁ

          あまりにも陰惨な太陽系を私は指さして これでお願いしますと言ったばかりに 雨がビルに覆い被さる どろどろと人の形が溢れ出した 生気を奪われたマリオネットが 階段からぶら下がっている それも私の三倍ほどの大きさのやつだ あまりに湿気がひどいので 傘の代わりにアイスで太ももを刺した 痛い目に合わせてくれないと空を飛ぶ夢を見えない 頭を斧でかち割られたいし そのあと脳みそに甘い痺れが伝わりたい 川の切れ端に縫い付けられた宇宙人の 金属光沢が指し示す成育歴から出火した Q.E.D.が

          【詩】実存おらぁ

          【詩】死体練習

          たまには死体になってみたい と思ったあなたへ まずは首をだらーんとさせてみましょう すると肩が凝りはじめます 肩の力も抜いてみると 今度は腰が痛くなるので そこで椅子からズルズル下りて 頭を地面につけてみれば お尻がぐっと高く上がり ナチュラルな死体ができあがります       無垢の木で建てられた円形舞台に     透明な黒子たちが音もなく現れ     あなたの体をどこかへ運び出す 死人のあなたの心はおだやか 無限につづく空間にいます もうなにも恐れるものがない

          【詩】死体練習

          【詩】未確認の夜

          それは満月の夜 大きな記念樹の洞に 全校集会のような棒読みの どうか (どうか、) 斎藤を(斎藤を、) 地面に(地面に、) 声が広がる どうか(どうか、) 牛を(牛を、) 帰して(齋藤を) ください(食べないで、) ください(ください) メッセージを受信した 木霊たちが一斉に笑い出す (斎藤だって)(斎藤)(斎藤)(斎藤は) (斎藤)(みんな)(斎藤は)(斎藤) (みんなは)(み)(斎藤)(斎藤)(ははは、) みんな、 (もうとっくにいないじゃないか!)

          【詩】未確認の夜

          【詩】優しくされなかったら

          チエちゃんはすこしぼんやりしている それは学校公認のぼんやりなので みなさんチエちゃんに優しくしてあげてね と先生は言う チエちゃんブランコ押してあげるね チエちゃん仲間に入れてあげるね 放課後わたしはチエちゃんに 一緒に帰ろうと誘った チエちゃんはついてくる 角の駄菓子屋 野良猫の集まる道 ススキの原っぱ チエちゃんはついてくる どこまでも 自分の家と反対方向を どこまでもついてくる うちの近くで じゃあまた明日といって別れた チエちゃんもまた明日といって どこかへ歩い

          【詩】優しくされなかったら