赤井紫蘇

詩を書いたり読んだりするのが好きです。性格は暗いし性別はない。

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自己紹介をします

赤井紫蘇 あかいしそ そこそこの年齢  一人称迷子 迷子は好き 写真は愛する犬 3万8000円の1DKに暮らしてる 1日6時間ぐらいしか働きたくない 朝は苦手だし夜も苦手なのにロングスリーパー 鬱だったり躁だったりいそがしい お金持ちじゃなくていいけど お金は欲しい タオルケットが好き ハンドクリームが好き 泳げないけど海が好き いつか海の底から空を見上げてみたい 鉱物と深海生物に興味がある 青色が好き 角が欠けて丸くなったガラス瓶が好き 旅先では観光地よ

    • 【雑記】「この犬は私だ」という感覚

      2日前、犬の去勢手術をした。 発情期があることでのストレスや、先々の病気のリスクを考えて去勢手術をしたものの、まだ体調が安定せずしんどそうにしている姿を見るとハラハラしていて、ゴールデンウイークはずっと犬の隣で過ごすことになりそう。 そんな中、最近の犬との暮らしで感じたことを覚書的に残しておこうと思う。 ~去勢手術の経過を見ながら考えたこと~ ・自分はこの犬であり、同時に犬の母である 去勢手術から数時間経つと、犬はひゅんひゅん泣きはじめた。 麻酔が切れたことで傷口が痛

      • 【詩】わたしたち

        何度も同じページをめくるみたいに 爪でぎりぎりと痛めつけて 腫れあがった心のしこり わたしたち、という無縁仏 実家の墓じまいの計画を練りながら 使い古された夢の扉を開く よその国で使われるらしい安楽死の薬が わたしたち、にとっての暮らし 扉の向こうでは歯がぽろぽろ抜けて 子どもの頃住んでいたアパートの外階段を ゆっくり落ちて、落ちていく 一度も会ったことはないけれど 電車の向かい側でいつか 視線を交わすかもしれません わたしたち、きっと一人じゃないですね 何度も何度も

        • 【詩】タチアオイ

          生きてく生きてく生きていく なんでなんで生きていくのか 100均で買った便利グッズ捨てて また100均で新品を買う パンチ一発命消せるピックで 真っ赤なタチアオイ奥まで突き刺す 人生を台無しにしそうな昼下がり 道にぐちゃっとなっている 主に赤茶や黒の物体が どうか猫や鳥ではありませんようにと願う いっぽう足元から影を伸ばした私は もっとグロテスクなものが見たいと 目を爛々とさせている どちらも強烈な本心だったから 季節が巡る限り希望が生まれ続けてしまう この世のシステム

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        • 犬との暮らし
          3本

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          【詩】実存おらぁ

          あまりにも陰惨な太陽系を私は指さして これでお願いしますと言ったばかりに 雨がビルに覆い被さる どろどろと人の形が溢れ出した 生気を奪われたマリオネットが 階段からぶら下がっている それも私の三倍ほどの大きさのやつだ あまりに湿気がひどいので 傘の代わりにアイスで太ももを刺した 痛い目に合わせてくれないと空を飛ぶ夢を見えない 頭を斧でかち割られたいし そのあと脳みそに甘い痺れが伝わりたい 川の切れ端に縫い付けられた宇宙人の 金属光沢が指し示す成育歴から出火した Q.E.D.が

          【詩】実存おらぁ

          【詩】死体練習

          たまには死体になってみたい と思ったあなたへ まずは首をだらーんとさせてみましょう すると肩が凝りはじめます 肩の力も抜いてみると 今度は腰が痛くなるので そこで椅子からズルズル下りて 頭を地面につけてみれば お尻がぐっと高く上がり ナチュラルな死体ができあがります       無垢の木で建てられた円形舞台に     透明な黒子たちが音もなく現れ     あなたの体をどこかへ運び出す 死人のあなたの心はおだやか 無限につづく空間にいます もうなにも恐れるものがない

          【詩】死体練習

          【詩】未確認の夜

          それは満月の夜 大きな記念樹の洞に 全校集会のような棒読みの どうか (どうか、) 斎藤を(斎藤を、) 地面に(地面に、) 声が広がる どうか(どうか、) 牛を(牛を、) 帰して(齋藤を) ください(食べないで、) ください(ください) メッセージを受信した 木霊たちが一斉に笑い出す (斎藤だって)(斎藤)(斎藤)(斎藤は) (斎藤)(みんな)(斎藤は)(斎藤) (みんなは)(み)(斎藤)(斎藤)(ははは、) みんな、 (もうとっくにいないじゃないか!)

          【詩】未確認の夜

          【詩】優しくされなかったら

          チエちゃんはすこしぼんやりしている それは学校公認のぼんやりなので みなさんチエちゃんに優しくしてあげてね と先生は言う チエちゃんブランコ押してあげるね チエちゃん仲間に入れてあげるね 放課後わたしはチエちゃんに 一緒に帰ろうと誘った チエちゃんはついてくる 角の駄菓子屋 野良猫の集まる道 ススキの原っぱ チエちゃんはついてくる どこまでも 自分の家と反対方向を どこまでもついてくる うちの近くで じゃあまた明日といって別れた チエちゃんもまた明日といって どこかへ歩い

          【詩】優しくされなかったら

          【詩】パンツに穴が

          パンツに穴が空いていたので 最後に一度履いて捨てようと お風呂上がりに履いてみた 穴に指を突っ込むと 太腿の付け根あたりに触れた 穴から触れる自分の体は 他人のように柔らかくて 普段とは違った角度から 自分を受け入れようとしてるみたいだった しおらしい絹ごし豆腐のようだと 人差し指は感心した 触れられた太腿は戸惑っていた 突然開けられた穴からやってきた侵入者が 自分を乱暴に触るので どうしたもんかと困り果てて 太腿は思わず 穴を見上げて微笑んだ 脳が今日の疲れを癒すべ

          【詩】パンツに穴が

          【雑記】犬と暮らせば心配してもらえると思っていた

          私は共感が好きな人間だと思う。 なにか美味しいものを食べて「あ、これおいしい」と呟いた時に、一緒にいる相手から「おいしいね」と返してもらえると嬉しくなる。 共感というか、「受け取り」なのかもしれない。「あなたの気持ちを受け取りましたよ」と言ってもらえるのが好きなのかも。 自分が誰かと接する時にも、なるだけ「受け取る」を大事にしたいと思ってる。 会話に一生懸命だったりするとつい疎かになってしまいがちなんだけど、人との対話において、「あなたの言葉を受け取ってるよ」という姿

          【雑記】犬と暮らせば心配してもらえると思っていた

          【詩】ぎゃーまた

          ぎゃーまた生きてる生きてる今日も 昨日をまたいで今日にやってきた 生きてる限り伸び続ける爪を 切り続ける日々何かの罪か 喉はカラカラで目は開かないし 鼻くそたまって息がしづらくて 背丈に合ってない台所には 昨日のお皿お皿コップ 明日のために米を炊ける夜と 涅槃は近いと思う夜がある もうこれ以上なにも食べなくても 生きていけそうな気さえしてくる どうせこれ以上何も食べないなら あの子がみせてくれた青い石を 口に含んで持ち歩きたいな 誰にも内緒でこっそりと口に やがて体が

          【詩】ぎゃーまた

          【詩】溶けだして漂う

          日陰にいてね小さな頃から 自己紹介が迷子でかわいそうに 誰かを好きになるたびに お葬式で流す予定の曲が増えていく 味わう暇もなく甘く どうしても許せない人を許したくて 放浪するプレイリストを翻訳機にかけると あなたの聖書で私の病名を当ててよ と彫られてあった 指でなぞると糸を引く明朝体 いつか二人を括りつけていた 言葉が血まみれになって さようならに置き換えられても わたしたちじゃない 誰かのために書かれた言葉を祈る 真夏の黒いゴミ袋 火葬場の香り溶けだして漂う

          【詩】溶けだして漂う

          【雑記】お焚き上げ

          もう何度も書いていることだけど、一緒に暮らしている子犬が愛おしすぎる。歯が抜けても可愛い。オナラも口も臭くて可愛い。顔をベロベロ舐められても可愛い。トイレシートからはみ出したおしっこさえも愛してる。親バカなのかもしれないけど、この子を愛してると思える自分をとても誇らしく思う。 生まれてから何度も、住む家や家族構成が変わった。特に父親は何度も変わった。酒を飲んで暴力をふるったり、とにかくお金がなかったり、大事な時に意思疎通が取れないような男ばかりだった。だけど男よりもっと大き

          【雑記】お焚き上げ

          【詩】椅子に座って

          だいぶ昔のことなんだけど 真っ暗な部屋でぼーっとしてたら 天井の隅っこから グレゴール・ザムザが ぽとんと落ちてきたんだ 僕はとっさに手元にあった辞書で グレゴールの体を潰した とっさっていうか 彼は役立たずだから 仕方ないと思ったんだ 潰されて頭だけになった彼は なにかブツブツ呟いてたけど 翌朝には真っ白になっていたよ それから僕は 真っ暗な部屋に寝転がる日々を過ごして しばらくしたら 何かの拍子にその部屋を棄てて 今は 各駅停車の真っ赤な椅子に座っている ここはどこ

          【詩】椅子に座って

          【詩】最適解

          これから一生同じものを 食べ続けるなら何がいい?の 最適解を出そうよ わたしたち きっといまごろ砂漠では 生きることの喜びに 子象が鼻をぶん回してる まだ幼さの残ったネジが ぎこちなく回転する音を 地球のすべてが目を細めて ミルクみたいに眺めているよ そろそろ夕方だね 一生同じものなら 日替わり弁当にしようよ え、それはずるくない?

          【詩】最適解