赤井紫蘇 あかいしそ そこそこの年齢 一人称迷子 迷子は好き 写真は愛する犬 3万8000円の1DKに暮らしてる 1日6時間ぐらいしか働きたくない 朝は苦手だし夜も苦手なの…
2日前、犬の去勢手術をした。 発情期があることでのストレスや、先々の病気のリスクを考えて去勢手術をしたものの、まだ体調が安定せずしんどそうにしている姿を見るとハ…
何度も同じページをめくるみたいに 爪でぎりぎりと痛めつけて 腫れあがった心のしこり わたしたち、という無縁仏 実家の墓じまいの計画を練りながら 使い古された夢の扉を…
生きてく生きてく生きていく なんでなんで生きていくのか 100均で買った便利グッズ捨てて また100均で新品を買う パンチ一発命消せるピックで 真っ赤なタチアオイ奥まで…
あまりにも陰惨な太陽系を私は指さして これでお願いしますと言ったばかりに 雨がビルに覆い被さる どろどろと人の形が溢れ出した 生気を奪われたマリオネットが 階段から…
たまには死体になってみたい と思ったあなたへ まずは首をだらーんとさせてみましょう すると肩が凝りはじめます 肩の力も抜いてみると 今度は腰が痛くなるので そこで椅…
それは満月の夜 大きな記念樹の洞に 全校集会のような棒読みの どうか (どうか、) 斎藤を(斎藤を、) 地面に(地面に、) 声が広がる どうか(どうか、) 牛を(牛を…
チエちゃんはすこしぼんやりしている それは学校公認のぼんやりなので みなさんチエちゃんに優しくしてあげてね と先生は言う チエちゃんブランコ押してあげるね チエちゃ…
パンツに穴が空いていたので 最後に一度履いて捨てようと お風呂上がりに履いてみた 穴に指を突っ込むと 太腿の付け根あたりに触れた 穴から触れる自分の体は 他人のよう…
私は共感が好きな人間だと思う。 なにか美味しいものを食べて「あ、これおいしい」と呟いた時に、一緒にいる相手から「おいしいね」と返してもらえると嬉しくなる。 共感…
ぎゃーまた生きてる生きてる今日も 昨日をまたいで今日にやってきた 生きてる限り伸び続ける爪を 切り続ける日々何かの罪か 喉はカラカラで目は開かないし 鼻くそたまって…
日陰にいてね小さな頃から 自己紹介が迷子でかわいそうに 誰かを好きになるたびに お葬式で流す予定の曲が増えていく 味わう暇もなく甘く どうしても許せない人を許したく…
もう何度も書いていることだけど、一緒に暮らしている子犬が愛おしすぎる。歯が抜けても可愛い。オナラも口も臭くて可愛い。顔をベロベロ舐められても可愛い。トイレシート…
だいぶ昔のことなんだけど 真っ暗な部屋でぼーっとしてたら 天井の隅っこから グレゴール・ザムザが ぽとんと落ちてきたんだ 僕はとっさに手元にあった辞書で グレゴールの…
これから一生同じものを 食べ続けるなら何がいい?の 最適解を出そうよ わたしたち きっといまごろ砂漠では 生きることの喜びに 子象が鼻をぶん回してる まだ幼さの…
赤井紫蘇
2023年6月14日 21:23
赤井紫蘇 あかいしそそこそこの年齢 一人称迷子 迷子は好き写真は愛する犬3万8000円の1DKに暮らしてる1日6時間ぐらいしか働きたくない朝は苦手だし夜も苦手なのにロングスリーパー鬱だったり躁だったりいそがしいお金持ちじゃなくていいけど お金は欲しいタオルケットが好き ハンドクリームが好き 泳げないけど海が好き いつか海の底から空を見上げてみたい 鉱物と深海生物に興味
2024年4月29日 13:42
2日前、犬の去勢手術をした。発情期があることでのストレスや、先々の病気のリスクを考えて去勢手術をしたものの、まだ体調が安定せずしんどそうにしている姿を見るとハラハラしていて、ゴールデンウイークはずっと犬の隣で過ごすことになりそう。そんな中、最近の犬との暮らしで感じたことを覚書的に残しておこうと思う。~去勢手術の経過を見ながら考えたこと~・自分はこの犬であり、同時に犬の母である去勢
2024年4月28日 04:38
何度も同じページをめくるみたいに爪でぎりぎりと痛めつけて腫れあがった心のしこりわたしたち、という無縁仏実家の墓じまいの計画を練りながら使い古された夢の扉を開くよその国で使われるらしい安楽死の薬がわたしたち、にとっての暮らし扉の向こうでは歯がぽろぽろ抜けて子どもの頃住んでいたアパートの外階段をゆっくり落ちて、落ちていく一度も会ったことはないけれど電車の向かい側でいつか
2024年4月24日 18:12
生きてく生きてく生きていく なんでなんで生きていくのか100均で買った便利グッズ捨てて また100均で新品を買うパンチ一発命消せるピックで真っ赤なタチアオイ奥まで突き刺す人生を台無しにしそうな昼下がり道にぐちゃっとなっている主に赤茶や黒の物体がどうか猫や鳥ではありませんようにと願ういっぽう足元から影を伸ばした私はもっとグロテスクなものが見たいと目を爛々とさせているどちら
2024年3月29日 23:05
あまりにも陰惨な太陽系を私は指さしてこれでお願いしますと言ったばかりに雨がビルに覆い被さるどろどろと人の形が溢れ出した生気を奪われたマリオネットが階段からぶら下がっているそれも私の三倍ほどの大きさのやつだあまりに湿気がひどいので傘の代わりにアイスで太ももを刺した痛い目に合わせてくれないと空を飛ぶ夢を見えない頭を斧でかち割られたいしそのあと脳みそに甘い痺れが伝わりたい川の切れ
2024年3月24日 20:18
たまには死体になってみたいと思ったあなたへまずは首をだらーんとさせてみましょう すると肩が凝りはじめます肩の力も抜いてみると今度は腰が痛くなるのでそこで椅子からズルズル下りて頭を地面につけてみればお尻がぐっと高く上がりナチュラルな死体ができあがります 無垢の木で建てられた円形舞台に 透明な黒子たちが音もなく現れ あなたの体をどこかへ運び出す
2024年3月23日 04:16
それは満月の夜大きな記念樹の洞に全校集会のような棒読みのどうか (どうか、)斎藤を(斎藤を、)地面に(地面に、)声が広がるどうか(どうか、)牛を(牛を、)帰して(齋藤を)ください(食べないで、)ください(ください)メッセージを受信した木霊たちが一斉に笑い出す(斎藤だって)(斎藤)(斎藤)(斎藤は)(斎藤)(みんな)(斎藤は)(斎藤)(みんなは)(み)(斎藤)
2024年3月8日 00:00
チエちゃんはすこしぼんやりしているそれは学校公認のぼんやりなのでみなさんチエちゃんに優しくしてあげてねと先生は言うチエちゃんブランコ押してあげるねチエちゃん仲間に入れてあげるね放課後わたしはチエちゃんに一緒に帰ろうと誘ったチエちゃんはついてくる角の駄菓子屋野良猫の集まる道ススキの原っぱチエちゃんはついてくるどこまでも自分の家と反対方向をどこまでもついてくるうちの
2024年3月4日 20:18
パンツに穴が空いていたので最後に一度履いて捨てようとお風呂上がりに履いてみた穴に指を突っ込むと太腿の付け根あたりに触れた穴から触れる自分の体は他人のように柔らかくて普段とは違った角度から自分を受け入れようとしてるみたいだったしおらしい絹ごし豆腐のようだと人差し指は感心した触れられた太腿は戸惑っていた突然開けられた穴からやってきた侵入者が自分を乱暴に触るのでどうした
2024年2月28日 21:16
私は共感が好きな人間だと思う。なにか美味しいものを食べて「あ、これおいしい」と呟いた時に、一緒にいる相手から「おいしいね」と返してもらえると嬉しくなる。共感というか、「受け取り」なのかもしれない。「あなたの気持ちを受け取りましたよ」と言ってもらえるのが好きなのかも。自分が誰かと接する時にも、なるだけ「受け取る」を大事にしたいと思ってる。会話に一生懸命だったりするとつい疎かになってし
2024年2月12日 15:08
ぎゃーまた生きてる生きてる今日も昨日をまたいで今日にやってきた生きてる限り伸び続ける爪を切り続ける日々何かの罪か喉はカラカラで目は開かないし鼻くそたまって息がしづらくて背丈に合ってない台所には昨日のお皿お皿コップ明日のために米を炊ける夜と涅槃は近いと思う夜があるもうこれ以上なにも食べなくても生きていけそうな気さえしてくるどうせこれ以上何も食べないならあの子がみせてく
2024年2月3日 21:12
日陰にいてね小さな頃から自己紹介が迷子でかわいそうに誰かを好きになるたびにお葬式で流す予定の曲が増えていく味わう暇もなく甘くどうしても許せない人を許したくて放浪するプレイリストを翻訳機にかけるとあなたの聖書で私の病名を当ててよと彫られてあった指でなぞると糸を引く明朝体いつか二人を括りつけていた言葉が血まみれになってさようならに置き換えられてもわたしたちじゃない誰かの
2024年1月28日 18:26
もう何度も書いていることだけど、一緒に暮らしている子犬が愛おしすぎる。歯が抜けても可愛い。オナラも口も臭くて可愛い。顔をベロベロ舐められても可愛い。トイレシートからはみ出したおしっこさえも愛してる。親バカなのかもしれないけど、この子を愛してると思える自分をとても誇らしく思う。生まれてから何度も、住む家や家族構成が変わった。特に父親は何度も変わった。酒を飲んで暴力をふるったり、とにかくお金がなか
2024年1月28日 07:50
だいぶ昔のことなんだけど真っ暗な部屋でぼーっとしてたら天井の隅っこからグレゴール・ザムザがぽとんと落ちてきたんだ僕はとっさに手元にあった辞書でグレゴールの体を潰したとっさっていうか彼は役立たずだから仕方ないと思ったんだ潰されて頭だけになった彼はなにかブツブツ呟いてたけど翌朝には真っ白になっていたよそれから僕は真っ暗な部屋に寝転がる日々を過ごしてしばらくしたら何かの
2024年1月22日 21:40
これから一生同じものを 食べ続けるなら何がいい?の 最適解を出そうよ わたしたち きっといまごろ砂漠では 生きることの喜びに 子象が鼻をぶん回してる まだ幼さの残ったネジが ぎこちなく回転する音を 地球のすべてが目を細めて ミルクみたいに眺めているよ そろそろ夕方だね 一生同じものなら 日替わり弁当にしようよ え、それはずるくない?
2024年1月21日 12:52