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【詩】わたしたち

何度も同じページをめくるみたいに
爪でぎりぎりと痛めつけて
腫れあがった心のしこり
わたしたち、という無縁仏

実家の墓じまいの計画を練りながら
使い古された夢の扉を開く
よその国で使われるらしい安楽死の薬が
わたしたち、にとっての暮らし

扉の向こうでは歯がぽろぽろ抜けて
子どもの頃住んでいたアパートの外階段を
ゆっくり落ちて、落ちていく

一度も会ったことはないけれど
電車の向かい側でいつか
視線を交わすかもしれません
わたしたち、きっと一人じゃないですね

何度も何度も同じページをめくると
何度目かに一回は優しいことばと目が合うから
わたし、しぶとく生きてしまっている

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