記事一覧
So over you - Charli XCX(意訳)
I'm so over you
あなたのこと忘れちゃったよ
Tell me, baby, are you over me?
教えて、あなたも私を忘れちゃった?
I'm so over you
あなたのこと忘れちゃったよ
Tell me, baby, will you ever regret me?
教えて、私のこと後悔しない?
Just a little girl on the TV scree
【連載長編】エナメルの夏-六月(初夏)
入部テストを終え、友人何人かとの帰り際、教科書を置き忘れたことに気づいた陽は一人教室に戻った。教室の横の廊下がいやに水浸しで不思議に思ったのを脳裏に、下駄箱場で新品の靴を履くのに苦労していると、後ろから「陽」と名前を呼ばれた。振り返るとそこには、阿須賀が頭からタオルを被り、野球のバットを片手に立っていた。一番上のロッカーに手を突っ込んで、靴を陽が座る隣に置く。
「陽ってどこに住んでんの」
近づ
【短編小説】ここは僕の国
私がその日、そこへ一人で訪れたのは、決して傷心していたからではない。一週間前に昔からの親友と喧嘩別れをしていたとしてもだ。言葉を当てはめるとしたら自暴自棄だったのだろう。それでも、彼女のことだけを気にしていたわけではない。三十を超えた私の生活にはいくつかの問題があった。仕事では管理職を任され始めたが、部下の教育が思うように行かなかったり、私生活では、一年前から申請していたイギリス行きの研修ビザが
もっとみる【連載長編】エナメルの夏 - 四月(春)
中学の登校初日、桜の香る開放的な昇降口で、雪見《ゆきみ》陽は立ち尽くしていた。自分のネームを探し回って、ついに見つけたと思えば一番上。身長の低い彼は背伸びをしても届かなかったのだ。同級生たちがその横をどんどん通り過ぎていく中、同じ色のシューズを手に持った背の高い少年が、陽と同じ段の一番下を眺めていることに気づく。彼は陽に、靴箱を取り替えないかと訊ねた。彼の靴箱は陽と真逆で一番低い場所にあり、その
もっとみる【#fetishism31】Day26 : 魔 / Magic
その年のある日、ブルーパークのクリスマスツリーの銀の星が盗まれた。銀の星は本物の星くずで出来ていて、僕の住む一日中真っ暗な夜の国を、そのツリーのてっぺんの銀の輝きが、いつも照らしてくれていた。町で暮らすみんなは、光がなくなって困っていた。僕の学校でも、銀の星を盗んだ犯人は誰だ? という話題で持ちきりだった。
この町には昔から、数人の魔法使いがいる。魔法使いたちは、大昔に別の世界から来た魔法使い
【#fetishism31】Day2 : 手 / Hand
山那緋夏は左手の指がなかった。小指と薬指の、第二関節から上がないのだ。二つの指の先はソーセージの端のようになっていて、力を籠めるとぷるぷる、と少しだけ動く。
彼は類まれなる美少年で、ちいさなその町の中でも目立つ存在だった。とにかく悪戯を好んで、彼はその中学生活を、人を笑わせることに注力していた。たとえば空手の授業中に、手本の方を見せるから相手をしてくれと先生に言われて挙手した彼は、先生が組手で
【短編小説】秋に催花雨
金沢駅に着いたのは土曜の夜だった。雨降る日本海の側の空気は凛と冷え、吐息が薄く紅色のライトアップに溶けいった。浅野川のほとり、予約していた和食屋で、一人日本酒を煽った。
この秋、私は三十歳になった。恋人はもう六年もいない。周りの友達はどんどん結婚していくのに、私には指輪をプレゼントしてくれる相手どころか、誕生日を祝ってくれるような男友達の一人もいない。年齢に比例して理想も高くなる。幼稚にもシン
Bloody Valentine / Machine Gun Kelly【意訳】
お騒がせラッパーとして有名なMachine Gun KellyのBloody Valentineを和訳。(というよりはほぼ意訳ですが)シンセポップが夏を彩る疾走感ある恋愛ソング。ぜひ聞いてみてください。
MGKは傾向としてHipHopよりもロックやパンクの色が強く、表現や主張が他のラッパーに比べ叙情的。また耳に残るキャッチ―なメロを生むのが上手いです。他のアーティストとのコラボ楽曲はヘイリー・スタ