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#197 自分も周りも劇的に変える、たった1つの質問。

のべ数千人の方々に研修を企画し、講師も行って来ました。また、その関係で多くのハイパフォーマーの方々とお話しする機会を持つことができました。そこで気づいた「ある簡単な質問の力」についてメモ。


1、フィードバックを受けるのは好きですか?

フィードバック。使われる場面で捉え方が異なります。

☑️ 上司と部下であれば、評価や指導のため
☑️ 企業やお店と顧客であれば、製品やサービスに対しての評価や改良のため
☑️ 工学や電気であれば、センサーなどで得た結果を次の動作に反映することやハウリング

というわけで、フィードバックにはする方とされる方があるわけですが、

フィードバックを受けるのは好きでしょうか?
フィードバックするのは好きでしょうか?


2、たった1つの質問、とは?

かなり「盛った」タイトルだなぁ、と思われたかもしれません。
一体どんな凝った質問なのだろう?とも思われたかもしれません。

「自分も周りも劇的に変えるたった1つの質問」とは、

「感想を聞くこと」です。

正確にいうと、「面談やミーティングの最後に必ず感想を聞くこと」、です。


…それだけ?  はい。それだけです。


3、どんな効果があるのか?

なんじゃそりゃ、という声が聞こえてきそうですが、以下のような効果が見込めます。

① 多くのフィードバックを受けることで成長できる
② 伝わったことと伝わり方が把握できる
③ 相手を知ることができる
④ 相手を喜ばせることができる
⑤ 面談全体を好印象で終わらせることができる
⑥ 次回へ持ち越しがあっても確実に課題を把握できる
⑦ 相手を協力者に変えることができる

順番に見ていきます。

①は「感想を聞く」で最初に思い浮かぶ効果だと思いますので省きます。

②は「感想を聞く」ことで最初に出てくることは「伝わったこと」です。
当たり前ですが、「伝わらなかったこと」は出てきません。
そして、相手の口から出てくる内容で「どう伝わったか」もわかります

③は②と関係するのですが、感想を聞いた答えによって、相手がどんなことに興味を持ち、どのような表現をする人物なのかがわかります

④は冒頭に質問させていただきましたが、フィードバックをするのは好きな人が多いので、喜んでもらえます。

⑤は人は感想を聞かれると、ほとんどの場合良いことを言おうとします
これにより「終末効果」が働きますので、面談全体が良かったという印象が刷り込まれます。

⑥は感想を聞いて、もし、疑問点や課題などのネガティブなことが出てきたら、ラッキーです。面談の最後にまだ双方向でコミュニケーションができる状態で聞けましたから、次回までに回答を用意しますという約束ができますし、それまでにしっかりとした回答が準備できます。

⑦は人はフィードバックをしたり、相談に答えたりすることで、相手を応援する気持ちを持つものです。加えて「自己説得」の効果もあるので、協力をお願いするような面談であれば実際の行動に移してもらいやすくなります


このように、「感想を聞く」ことで、フィードバックの回数が増え、自分が成長できることはもちろん、相手をより知ることができ、相手には面談の目的に当事者意識を持ってもらいやすくなり、協力者、応援者になってもらえるのです。

加えて、毎回の面談やミーティングの後に必ず感想を聞こう、と考えると、ゴールは面談やミーディング、ではなく、相手から良いフィードバックを貰いたい、というところがゴールになります。となると、自然と事前準備の質が向上する、という効果も得られるのです。

さらに、感想を頂いたら、その後、面談のお礼のメールなどに盛り込んだり、次回面談時にその感想を参考にして行動を変えたり工夫したこと、を報告してみましょう。

ハイパフォーマーの人たちはこうして「感想を聞く」ことで、成長しながら、協力者や応援者を日々増やしているのです。


4、まとめ

ハイパフォーマーの人たちは色々な方法で「感想を聞く」を実行しています。

その際のポイントが2つあります。

1つ目が「フィードバックを聞く」ではないことです。

「今日の面談に対してフィードバックをお願いします。」
これでは、答える方も堅苦しくなってしまいます。

2つ目が「タイミング」です。

面談が終わって、片付けながら、とか、帰りのエレベーターまでの間、というタイミングで「感想を聞く」ことです。
ノートを広げてペンを握りしめたまま、で感想を聞いても本音が聞けないことを理解しているのです。

今ですと、Web会議ですから、ちょっとコツがいるかもしれません。
先日、あるハイパフォーマーの方とWebでミーティングを行ったところ、終了予定時刻の5分前までに次回のアクションまで合意し、お互いお礼を言い合って、というタイミングで感想を求められました。

思わず、「感想を聞くための時間を確保してたんですか?」と聞いてしまいました。

答えはYesでした。


コミュニケーションで苦労する人が多いのか、書店に行くと関連したHow to本が溢れていますし、ネットでもたくさんの情報があります。

そういうものに比べれば、「感想を聞く」というのは、拍子抜けするぐらい簡単なことですが、効果はあります。

ハードルは「感想を聞く」人をあまりみたことがないので、「そんなことをしたら変わっている人と思われるかも…」という心理的なものだけでしょう。

でも、人がやっていないからこそ、人と違う結果が得られるのです。


最後までお読みいただきありがとうございました。

何か参考になることがあれば嬉しいです。

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