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現役大学生ラッパーが留年するまでの話・卒業3/4
更新が滞っており申し訳ございませんでした。理由としてはこんな後ろ向きな文章を進んで面白がる自分自身といいねを押す読者が怖くなったのと、日雇いで入った居酒屋の皿洗いのバイトが今日にいたるまで終わらなかったからです。今は気持ちも安定しており、精神的未熟さを理由に他人の足を引っ張ることにちゃんと罪悪感を覚えています。それでは第3話どうぞ。
五年目の大学生活は言うなれば「俺何やっているんだろう」とい
おもしれぇ現実 4月編 3話「握力」
4月5日、桜満開のこの日、俺は大濠公園の桜並木通りを全力で走っていた。彼女との花見デートの待ち合わせに遅刻した俺は腰痛が突っ張るのをこらえながら、とにかく足を少しでも早く前に突き出すことを繰り返しながらどうやって謝ろうか考えていた。
いや、そもそも謝って済む話ではないことくらい頭では分かっている。ただ一つ俺が他人の気持ちを踏み躙ってしまったという事実だけが胸中に深く突き刺さっている、届かない