おもしれぇ現実 4月編 2話「二刀流」

 酒だ、一も二もなく酒だ。サイファーから帰路に着いた終電でその言葉が脳内を低回する。缶ビール一本とカップ酒では物足りないよ、なぁ脳みそ(マイメン)?

 あいにくの雨、バイトの疲れと、程よい喉の焦げつきが既に体は準備万端であると信号を発してやまない。フリーターの身分でこんなに飲んでいいのだろうか、そもそも5時間後にはバイトに行かなくてはならないのに。しかしながら体はすでに家の最寄りのスーパーの酒コーナー。米焼酎か芋焼酎かで迷うくらいには思考の歯車は止まることを知らない。

 案ずることなかれ、今更である。飲まずに後悔するくらいなら飲んで後悔しよう、遅刻しても俺がめちゃくちゃ土下座して謝れば済む話である、なんて考え方だから人生その程度なんだよじゃっく君さぁ。

 

 さぁ旅立とう、俺と焼酎、2人だけの遊覧飛行、酒気の乱気流にいっそ身を任せて。左手に焼酎で右手に傘、さながら俺は宮本武蔵。見ているか翔平?これが二刀流だよ、翼と言い換えてもいい。

 これでいいんだよ

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