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記事一覧
ダウンフォール・オブ・ザ・トリックスター
「こわいこわいもうやだこわいやだこわい」
圭子はついにその場でへたり込み、うわ言を繰り返すだけの存在と化した。井上さんはまだ自分のネクタイを旨そうに咀嚼している。
館を焼き焦がす炎はいよいよ私たちに迫り、灼熱の空気が喉を焼く。脱出しなければ命は無いが、唯一の出口にはあの男が立ちはだかり、こちらに銃口を向けている。藤堂すみれは初めからこの男を蘇らせる事しか頭になかったのだ!
BLAM!!!
そして踵は打ち鳴らされる
野営の始末を終える頃、アイツはおれが与えたヒモをくわえて眠っていた。さっきまではちきれそうな桃色の肉球と僅かな爪でヒモと戦っていたというのに。銀色の柔らかい体毛に包まれた身体は呼吸運動の度、わずかに動く。「ネコ」とはかくも脆弱で無知性、単純な存在だ。
おれはヒモに神経を通す。ヒモのあちこちで目がぎょろぎょろと蠢き、おれの制御下に戻った。それでアイツの頭部後方を掴み、ゆっくりとケージに収納する。こ
逆噴射小説大賞の最終選考まで残った事によせて
おれだ。
とりあえず今日のことを知らさねばならない。
逆噴射小説大賞の結果が発表された結果から言うと、おれの産み出したリボルバーのひとつ、「こちら合成害獣救助隊」が最終選考まで残ったのだ。ありがとう。ありがとう。全てにありがとう。レイ、お前はすごいやつだ。
noteに新しく搭載された「記事を引用すると通知が飛ぶ」機能。これでおれは結果発表記事に何らかの形でおれがいることを知った。直前にねこの記
逆噴射小説大賞二次選考結果発表日記
コロナの奪い合いパルプ銃撃戦「逆噴射小説大賞」の二次選考突破作品が発表された。
むやみやたらと撃ちまくった9挺のリボルバー。おれの魂の断片。それはなんと4つもの爪痕を残していた。
この4つだ。ありがたい。コロナを得るためにはまだここから最終選考、そして大賞受賞の戦いが続く。256の断片には見知った顔もいれば、未接触の顔もある。これもひとつのピックアップとして読んでいきたいと思う。
それにして
逆噴射ライナーノーツその2
前回のライナーノーツ記事を上げた後、更に2ネタ思いついてしまったらので、それについても書いておこうと思う。
前回はこちら思いついたのは2篇だ。
ダイダラボッチvsポール・バニヤンちょっとイラッとする事があったので脳内でそのイライラを解消すべく大破壊の光景を繰り返していたらこんな低知能なやつが生まれてしまった。なんというか、自分は現代物のアクション映画とか見ていると「これ後始末どうするんだろう…
ダイダラボッチvsポール・バニヤン
「てめぇ俺のチョコ食っただろ!」
「早い者勝ちだッつってんだろが!」
仲良しのダイちゃんとポーくんがふとした事から大ゲンカ!マウントを取り合い涙を浮かべてポカポカと殴り合っています。やがて2人は壁を突き破って真っ逆さま!
気がつくとダイちゃんは一面砂にまみれた場所にいました。辺りを見渡してもポーくんの姿は見えません。とりあえず近くに生えていた手頃な枝をへしおり、ぶんぶんと振り回しながらポー
逆噴射プラクティスに至る道
よくきたな。おれは普段猫を撫でたりMMOをやったりしているが勢いで逆噴射小説大賞に参加してしまい、自ら放ったGUNの熱さに震えているところだ。
#逆噴射プラクティス
ここには数え切れないほどの真の男が跋扈し、毎日新たな銃弾が撃ち込まれる。おれの手元には1発だけ撃ち込んだGUNが7丁。これ以上増えるだろうか?わからない。確かな事はこのGUN達はおれの魂から生まれたものだ。残弾はわからないが「まだ
ヨコヅナ・フォートレス (邦題:横綱要塞を突破せよ)
心技体、そして霊。
人は知る由もないが、力士の身体にはニューロンの速度で動き回る小さな精霊「角霊」達が宿っている。猛き力士には角霊が集い、角霊に愛されし力士は力を得て横綱となる。この循環により、我が国の五穀豊穣は保たれて来たのだ。
だがある時、大関「鬼乃若」に宿る角霊の1人が取組中に発狂。多数の角霊を殺傷せしめ、力士管制は崩壊。力を失った鬼乃若は受身を誤り長い休場を余儀なくされた。さらにその角
超機神演舞マキナフェスト
古代貴族は歌を詠み、中世市民はロックンロールに熱狂した。そして現代の若者はスーパーロボットによる戦闘演舞に明け暮れている。
「畜生!」
キャノピーを蹴り開けて俺は地面に降り立ち、自主練の準備にかかる。共通規格の飛行ユニットにぶっ刺した禍々しい翼が美しい。変形収納など度外視した6本の武器腕も最高だ。俺が憧れる地獄合体演舞にぴったりの機体。問題はうちの超機部がソロ志向で、合体を却下された事だ。仲良
キュービィ・アンド・フーリィ -電脳変幻無双譚-
雲霞のごとき暴徒の群れが目標の集落を前に反転した。ここに向かっている?飛び起きた俺は映像を凝視する。カウンター洗脳か?クズ共にフェイク映像をばら撒いて1週間。熟成された憎悪が爆発する直前で!
副官を呼び戻す。モノアイヘッドが乳とキャタピラを震わせて駆け込んできた。こいつとファックする時間を奪ったのはどこの企業だ。怒りと焦りに囚われる。落ち着かなければ。眉尻のパネルをスワイプ。神経ブースト。ウィ
ブラッドストーム・イン・ジ・アビス
脱出艇連続特攻作戦は巨大海蛇を退散せしめ、第156太平洋深海開拓市は圧壊の危機を免れた。しかしそれは時間稼ぎにしかならない。魚人共に場所がバレた。奴らはいずれここに辿り着き全てを殺戮するだろう。オガサワラ大陸棚市まで脱出艇で片道3日。カミカゼのせいで艇の数が足りない。俺のような末端の開拓民は置き去りにされる。その救助艇、今誰が整備してると思ってるんだ。俺だ!
「何が海底は最後のフロンティアだ!
ゲットバック・マイ・ライフ
銃声がした。目の前の怪物が破裂し、臓物が容赦なく俺に降りかかる。最悪だ。俺は列車内の床に這いつくばり、怪物を撃ち落とした存在に目を向けた。女だ。金髪の青い眼をした女が巨大な銃で怪物を駆除していた。可憐だった。
「間に合ってよかったです」
怪物共を始末した女が手を差し伸べてくる。アニメのような声だ。その手を掴み起き上がる。こんな小さな指であんな銃を振り回しているのか。
「あなたを迎