ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第119わ「審判の日」

(承前)

「一部始終は聞かせてもらったよ。そこなニンゲンは『自分が自分であるうちに死ぬこと』と『パートナーの助命』を願いに来た、ということかな」

さすが❝四ツ星❞は話が早い。そういうことだから俺の気が変わらないうちにササッと手早く済ませてくれ。

「君のようなパートナー想いのニンゲンは滅多にいるものじゃない。ハントマンとして長生きしている私が言うんだから間違いない、信じてくれていい。辛いことが

もっとみる

ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第118わ「茶番」

(承前)

納得は出来ないが状況は理解できた。つまり、相棒は投身自殺を図る女性の役を演じ、俺はその場に居合わせた青年の役を演じなければいけないのだ。よし、まずは自殺を止める為には其処に至る経緯を聞きださねばなるまい。

「え?」

人間は理由も無いのに自分で自分の命を絶とうとは思わないんだよ。お前ら吸血鬼は違うのかもしれないけどさ。まず目の前の相手の苦しみを理解できなきゃ説得なんか出来る筈もないだ

もっとみる

山手肉弾電車決戦

息を吐くと、白く煙になった。

始発の東京駅。珍しく、今日のホームはこの時間から超満員だ。

「緊張してるのか?」

俺の相棒のライジングサン山本は、くっ、と白い歯を見せ笑う。その大胸筋は破裂しそうなほど漲っていた。

筋肉発電…正確には人体筋電拡幅発電、が実用化され今年で119年。そして車掌とボディビルダー2人によって走行する『肉弾電車』が世界最初に運行されて丁度100年。

だが記念すべき肉弾

もっとみる

戸平川絶対防衛線 DAY1-3

DAY1-2

 水門付近に配置された民間業者や市職員はさまざまな手段で遡上の阻止を試みたが、まったくといってよいほど効果が見られなかった。
 いや、正確には効果を挙げることが不可能だったと言うべきだろう。

 水門上で火炎放射器を構えたまま死んでいる市職員。
 その胸部中心にはダツが半分ほど突き刺さっている。

  水門脇の両岸から散弾銃を発砲していた2人の委託業者は足首をアンボイナ貝に抉られシ

もっとみる
お前を落花生の国に連れていく
13

カミ様少女を殺陣祀れ!/7話

⚠警告:刺激的なコンテンツ/内容:人体損壊など激しい残虐描写⚠
⚠気分が悪くなった場合は、速やかに閲覧をお止めください⚠
⚠対象年齢:18歳以上/自己責任でお楽しみください⚠

【目次】 / 【1話】 / 前回⇒【6話】

「「「止まれーッ! 止まらないと、撃つぞーッ!」」」
廊下の前方より、警官が3人。リボルバーを腰だめに構えて躍り出る。
「に、逃げてーッ!?」
僕は叫び、隣って歩く爺ちゃんと一

もっとみる
あなたのスキが、私に力を与えてくれます!
10

ダンジョンバァバ:第9話(後編)

【目次】
【前編】

報せを受けたバグラン、バテマル、ジアームの3人が医療用の大部屋に飛び込むと、清潔で足の短いベッドがいくつも並ぶ広い室内…… その隅、その一か所だけが騒然としていた。
「どなたか、どなたか使者を! ドゥナイ・デンに、バーバリアンのバテマルに、故郷、ラウラの危機を…… 使者を!」
「これ! じっとしとらんか! あーもう意識を戻さなきゃよかったわい!」
革手袋に革エプロンのドワーフ

もっとみる
( '3') 大きくなれよ~
13

ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第117わ「練習は本番のように」

(承前)

「ちょっと待って。落ち着いてください。いいですか?ぶっつけ本番で、それもゲームマスターを相手に十代そこそこのニンゲン幼体、しかも貝殻野郎のダンナが交渉を持ちかけるって?死にに行くようなものです!」

だから死にたいって言っているだろう。お前と心中することに関しては嫌なんだけど、本当に嫌だし心の底から嫌なのだけれど最悪の場合は止むを得まい。それよりも❝インセンス❞で自分が自分でなくなるこ

もっとみる

卑しき神の名において 第二章⑦

① ② ③ ④ ⑤ ⑥

 今まで数多くの卑神を見てきた。人の形をしたものも、それを逸脱したものも。――殺したのも、そうでないのも。だが少なくともクロウには、今目の前に現れた《殻烏》は、そのいずれとも一線を画しているように感じられた。
 鎧を纏ってはいるものの、シルエットには女性らしい柔軟さが表れている。それでいて随所に持つ鋭利は、卑神自体が一本の刃であるかのように見えた。そして全身に黒い羽根の意

もっとみる
ありがとうございます、汝の下に甲冑あれ
2

ハントマン・ヴァーサス・マンハント(邦題:吸血貴族どものゲーム)第116わ「生き方も、死に方も」

(承前)

家を飛び出した俺が向かうのは近所の教会だった。神の家に逃げたところで吸血鬼の魔の手から逃れられるわけではないことは身に沁みて理解しているつもりだった。その建物は既に上位吸血鬼の寝床になっているのだから。

「ダンナ!まだ外は危のうございますよ!早くお家にお戻りください!」

しばらく経つと相棒の声が背後から聞こえた。右目の視界が共有されなくなったのか、俺の居場所を把握するのに手間取って

もっとみる

異界剣法帳

その男は、起のウェスカ、といった。

幼い頃から気性が荒く、周りには諍いが絶えず、様々な厄介事の起こりは彼から始まっていた。だから起のウェスカと呼ばれ、嫌われた。

転機は齢が十を数える頃、村一番の力自慢の乱暴者を素手で撲殺したことだ。今度は彼が乱暴者として振る舞う番だった。

彼の狼藉がエスカレートするごとに村は危機感を覚え、最終的に彼は闇討ちされることになる。

その夜をもって、その村は消えた

もっとみる
大いなる意志を伴った永遠なる小吉!
9