キリング・クッキング・ダイニング
子どもの頃、カスクートをフリスビーみたいに投げて遊んだらお袋に包丁で殴られた。食い物を粗末にしちゃいけないと身に沁みた。
だから、こんなに難儀な人間になっちまったのか。
俺の殺しの流儀はふたつ。標的が飯を食い終えてから殺すこと、殺した後に冷蔵庫を開けること。
空腹のまま死んだんじゃ浮かばれないし、腐り果てる食物は哀れだ。
血の海に沈む暗いキッチンで、絞殺死体が腰掛けるダイニングで、俺は冷蔵庫の残り物で飯を作って食ってから帰る。
献立を考えるのは得意になった。冷凍のタイ米と