ポスト・ポストカリプスの配達員 第二話
「で、少年の名前は? サガワー? ってことはこの時代にもまだ佐川救世軍は存在するのかな?」
俺はその名が出てきた事に驚いた。佐川救世軍とはポストカリプス前文明に存在した民間軍事会社であったが、郵政省が国内の通信リソースを専ら軍事利用に割り振ってからは空いたニッチを埋めるように民間向け郵便事業にも手を出し巨大コングロマリット化した。
配達員とは佐川救世軍にあやかって呼ばれだした名だが、長い年月のうちに人々はそのことを忘れ去っていた。つまり、こいつらは本当に1200四半期――