絶罪殺機アンタゴニアス外典 〜押し潰されそうな空の下で〜 #7
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踏みしめた足元から返ってきた反動を用い、弾勁を込め抜き放たれたアーカロトの拳銃の先端は音速の壁に触れる。その運動量を載せて撃発される銃弾は通常では不可能な速度に到達し、勁力と空力摩擦による黄金の曳光の軌跡を描きながらエレベータシャフトの闇を裂く。
内息は充実。左右同時射撃。空中で互いに螺旋状回転を始め、更なる勁力と速度を獲得し、内臓獄吏へと殺到する。
ただの銃弾ではないと先の交戦で理解していたヒュートリアは、背中の触手の一本を伸ばし壁