お仕事もの

ミントな年下上司くん

ミントな年下上司くん

第1話 〇応接室(夜) 思えば、戦いはあの日……転職のために受けた面接から始まっていた。 私は、人材サービスの営業職として働くため、今第1志望の最終面接の場に来ていた。 企業の中途採用支援を行っているのが、この企業。 私はどうしても、この企業で成し遂げてみたいことがあった。 面接官 「では、弊社を志望した理由を教えていただけますか?」 高井綾香 「はい。私は、この街に来た時、あることに驚きました。それは、ほとんどの大人達が、俯いて歩いている

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こちら合成害獣救助隊 8(エピローグ)

こちら合成害獣救助隊 8(エピローグ)

承前 (おまえ…その姿…) (産まれてきてはいけないのだ) (捕まえられる?本当か?) (なぜ生きている) (お前らが面倒を見ろ。救助隊) (穢らわしい獣!) (ぼくは大丈夫) (穢らわしい獣!) (違う…) (だからみんなを) (穢らわしい獣!) (違うよ…!) (助けてあげて) (獣!) 「違う!」 そこであたしは目を覚ました。伸ばした手の先は見慣れた自室の天井。久し振りにひどい夢を見た。動悸と汗がひどい。あたしは悪夢を振り払おうと、寝間着を脱いでシャワーに向かった

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こちら合成害獣救助隊 6

こちら合成害獣救助隊 6

承前 「あんた、一体どこのだれ…」 答えを待たず、重サイバネ男はあたしの両脚を逆手で掴み直す。戦慄したあたしの視界はぐるりと周り、そのまま地面へ叩きつけられた。舞い上がる土と草。そしてすぐにまた振り上げられ、叩きつけられる。 振り上げる。叩きつける。振り上げる。叩きつける。振り上げる。叩きつける。あたしはただひたすらに頭を守り、歯を食いしばって衝撃に耐える。視界に入る限り、眼を見開き重サイバネ男に睨み続けた。悲鳴なんか、あげてやるもんか…! 6度目の攻撃はこれまで以上

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こちら合成害獣救助隊 5

こちら合成害獣救助隊 5

承前 〈来た〉 開明(かいめい)市郊外の山林部、捜索の末発見した「飛行型キメラ」の巣の入口。巣の中に罠を仕掛け終えたあたしは身を潜めながら空中のキメラをモニターしていた。 その胴体と頭部は紛れもなくゴリラだけど、腕の代わりに生えているのは長大な翼だ。翼開長10m近い。ゴリラの体毛と同じ黒色で、幅広でありつつ先端が尖ってる。グンカンドリ系だろうか。脚はつま先から先が猛禽のそれに置き換わっていた。ファンタジックに言えば、ゴリラのワイバーンといった風体だった。 キメラは雄大

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こちら合成害獣救助隊 4

こちら合成害獣救助隊 4

承前 「だいじょうぶ、だからね。」 コンテナが研究所の隔壁の向こうへ行ってしまう直前、あたしはそれに手を当てて、中にいる狼型キメラにつぶやいた。自分が保護した子を引き渡す時、いつもそう祈らずにはいられなかった。 ーそのあたりの感傷を省いた報告書の作成も終わったので、あたしは自室の端末の電源を落とした。もうすっかり遅くなってしまっていた。報告書の綱渡り具合を思うとこれからの活動が不安になってくる。いかんいかん。疲れてネガティブになってるだけだと思いたい。 寝る支度を整え

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こちら合成害獣救助隊 3

こちら合成害獣救助隊 3

承前 あたしは身体を支えていたスパイクを収納し、身体を強いてそちらに向き直る。アサルトライフルを担いだ迷彩服の男が苛立たしげな顔であたしを見ていた。 「何回言わせるのよ新庄。あたしたちは救助隊なの。」 「オメーらの雑な作戦の尻拭いさせられんのはこっちなんだよ。いっつも回りくどい事しやがって。」 「あんたたちに出番なんか作らせやしないから、帰って寝てたらいいのよ。」 「どうだか。」 くくく、と新庄は嫌な笑いを浮かべて帰っていった。キメラを含めた野生動物の殺処分は厳し

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こちら合成害獣救助隊 2

こちら合成害獣救助隊 2

承前 〈レイ、狙撃地点は仗禅寺通と栄筋の交差点だ。〉 〈りょーかい。ちょっと遠いね。〉 ビルの外壁を蹴り渡りながら、あたしはスピードを落とさず横道に入る。アーマーの調子は良好だ。あたしの跳躍力を充分に増幅してくれてる。 〈これでも最短距離の広場だ。罠の敷設ももうすぐ終わる。誘導頼むぞ。〉 〈任せて!〉 CRAAAAASH!! 振り返ると、狼型キメラは散乱したガレキやゴミを吹き飛ばしながら遮二無二にあたしを追ってきていた。取ってつけたような鮪の尾がびちびちと震えて

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こちら合成害獣救助隊

こちら合成害獣救助隊

看板の群れを回避しながら路地裏の底めがけて降下する。ひときわ大きな看板を避けて目標が視認出来た。狼の体に鮪の尾。合成害獣、通称キメラだ。部長の強化外骨格が掴みかかって動きを止めてる。あたしの接近に気付いた部長が身を引く。よろけたキメラにあたしはブースト全開の蹴りを叩き込んだ。 法整備と啓蒙が実を結び、人と暮らす動物は皆幸せになったはずだった。追い詰められた悪徳企業が「犬と猫を混ぜて売る」などと言いださなければ。結果は見事にバイオハザード。街にはキメラが溢れた。 凶悪なキ

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