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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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#地理

ニーダム・クエスチョンからの問いかけ

ニーダム・クエスチョンからの問いかけ

「漢字のバリアー」という言語障壁は、
日本だけで過ごしていては
分かりにくい感覚があります。

日本の小学校では、約千字を習う。
常用漢字まで入れると、約二千字。
これに加えて、ひらがな、カタカナ、
ローマ字、さらに英語などを身につけます。

ひるがえって、他の言語は?
「文字数自体」はさほど多くありません。
もちろん単語の綴りや文法の複雑さは
ありますけれども、文字の数は少ない。

漢字圏だけが

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どんぶりと学び直し

どんぶりと学び直し

私の学び直しは「丼料理」です。

丼料理と言えば、読者の皆様は真っ先に
どんな「丼」を思い浮かべるでしょうか?

…カツ丼。天丼。鰻丼。親子丼!
海鮮丼もあれば、カルビ丼もある!
「どんぶり」はご飯茶碗よりも大きくて、
ご飯がたくさん入ります。
そのご飯の上におかずを乗せていく。
洗い物も、少なくて済む。

私の学び直しは、これに似ている。
本記事では「学び直し」について書きます。

「ご飯」は、

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内省と開示の格差

内省と開示の格差

古い日本家屋には個室がない、と言われます。

囲炉裏を囲んで、みんなが一緒に過ごす…。
プライベートな空間は、基本、ありません。
もちろん「家長」ともなれば
専用の個室があったかもしれませんが、
子どものうちは雑魚寝、みんな一緒。

そんな環境の中では「個」が育つより、
「家」「集団の中の一人」という
意識が育つのは容易く想像できます。

本記事では「内省」「開示」について
歴史や地理、文化の面か

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東大入試と参勤交代

東大入試と参勤交代

えっ、「大名の財政を弱めるため」ではない!?

参勤交代。さんきんこうたい。
江戸時代の歴史を学習すると、
必ず出てくる重要な「太字」の事項。
大名が行列をつくって
江戸城の将軍様に会いに行く、あれ。

「なぜ参勤交代は行われたのか?」
という理由を聞かれた時には、
次のように説明されがち。

...読者の皆様もこのような説明を、
聞いたことがあるのでは?

江戸時代は、幕府一強時代。
江戸を強く

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ショートノベルdeヒストジオ

ショートノベルdeヒストジオ

略称、ショベルジオ!
そんなサービスを構想しています。

ショートノベル。短い小説。

本来、ノベル、とは
「新しい」「NEW」という意味で
小説、特に長編小説を指します。
それを短くして、ショートノベル。
いわゆる「短編小説」です。
イメージでは三千字程度くらいまで。

(もっと短いものは
「ショートショート」と
呼ばれますが、そこまで
短くはないのでショートノベル)

『showと述べる』にも

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短編小説「上曽峠」

短編小説「上曽峠」

「あげそじゃない、うわそ、だ」

と、彼は言った。

私は恥じ入った。それまでずっと
あげそとうげ、と誤読していたからである。

「…この峠はな、冬になると雪が積もり
しばしば、事故が起きた。
ゆえにこの峠の近くの住民たちは、
ずっとこのトンネルができるのを
待ち焦がれている」

彼は、独り言のように言った。
私は、その赤ら顔を見ながら、

「ではようやく、峠を登らずに
東西に行き来ができますね。

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東京最低最悪最高!

東京最低最悪最高!

この漫画が凄い!と思ったので紹介です。
鳥トマトさんの『東京最低最悪最高!』。

読みきり作品です。
下記のツイートのリプから
試し読みのリンクにも飛べます。

…東京最低最悪最高!?
このタイトルセンスからして素晴らしい。

そう、東京は最低の側面も
最悪の側面も、もちろん、
最高の側面もありますよね。
『都市の空気は自由にする』とは
ドイツのことわざですが、
自由には見えない労苦もともなう。

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日本のどこにも、夕張はある

日本のどこにも、夕張はある

約十一万七千人から約七千人へ。
1961年に約十一万七千人だった人口が
2022年に約七千人に減った街…。

北海道の夕張市(ゆうばりし)です。

なぜ夕張は衰退したのか?
その問題を考える中では
多くの教訓が得られると思います。

そんな想いを「夕張学会」、
正式名称
『夕張「村」プロジェクト「夕張学会」』
という組織を作って、
考えている人たちがいます。

そのホームページから引用しましょう。

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「住民」と「浪人」の反復横跳び

「住民」と「浪人」の反復横跳び

私自身のことを書きます。

2023年現在、中年世代で40代後半。
ここまでの履歴、略歴を、
「住民」「浪人」というキーワードで
書いてみたい、と思うのです。

本記事では、
◆住民:地域などに密着した生活
◆浪人:地域などを越境した生活
というイメージで書きます。

簡単にまとめますと、以下の通り。

順番に行きます。

◇十代頃:住民(地元)

高校卒業まで基本、地元での生活。
電車の駅が無い

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浪人論 ~脱藩、大陸、転職、SNS~

浪人論 ~脱藩、大陸、転職、SNS~

江戸時代は「藩(大名家)」が基本の時代。
そこから脱藩した者は、
「脱藩浪人」と呼ばれていました。

明治時代からは、日本列島から
抜け出て大陸などに出ていった者を
「大陸浪人」などと呼びます。

戦後になり、大学受験に不合格、
学校に属さずに再び大学受験を
志す人は「(大学)浪人」と呼ばれる。

本記事では、浪人について書きます。

「浪」という漢字は
さんずいに良いという字から成る。
「なみ」

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いわき市にもあった笠間藩領の話

いわき市にもあった笠間藩領の話

「笠間焼」で有名な、茨城県笠間市。
「ハワイアンズ」で有名な、福島県いわき市。
実は関係があった…?というお話です。

江戸時代の「藩」は、非常に複雑でして。

正確には「藩」という呼び名は
後付けでつけられたもの。
当時は「〇〇家中」と呼ばれていました。
いわゆる「大名」の家の中。
江戸時代には法人や会社という
概念があまりないので、
大名家の所有物、という感覚です。

この大名家が頻繁に「転勤

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TSUKUBAの歴史と地理、その紆余曲折

TSUKUBAの歴史と地理、その紆余曲折

世界のあしたが見えるまち。
茨城県の「つくば市」は、筑波山の南に
広がって、栄えている街です。
つくばエクスプレス、筑波大学も有名!

この街は自然発生した街ではなく、
戦後、計画的につくられた街です。
様々な「歴史」と「地理」の土台の上に
成り立っている街。

本記事は、つくばの歴史と地理の紹介です。

『つくばねのみねよりおつるみなのがは
こひぞつもりてふちとなりぬる』。
和歌に詠まれた筑波山

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過疎地域から見れば地方都市でも都会

過疎地域から見れば地方都市でも都会

よく勘違いされるので改めて簡単に
私のことを書きますと、
私は「専業ライター」「専業小説家」では
ありません。起業もしていません。
「実用地歴提案会ヒストジオ」という
団体は立ち上げましたが、まだまだ状態。

あくまで「ふつうの会社勤めの社会人」で
自称『中年世代の複業クリエイター』です。
定時の決まったお仕事をしながら、
SNSに投稿したり、小説を書いたりしてます。

LinkedInには、起業

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五つに分けた世界史、そして個人史

五つに分けた世界史、そして個人史

「世界史」と聞くと、あまりに範囲が広くて、
「どこから取り掛かればいいかわからない!」
と思われる、かもしれません。

「日本史」であれば「日本」の歴史です。
少なくとも「場所」は限定的。しかし
世界史は「世界」の全部が対象! うわあ。

「東洋、西洋、それ以外」という
古式ゆかしき分類だけでなく、
あらゆる地域区分が無限に考えられる。
かつ、時代区分も「それぞれの地域別」に
ユニークな歴史がある

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