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読書感想文

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読んだ本の感想です。
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#最近の学び

「対象喪失 悲しむということ」を読みました

「対象喪失 悲しむということ」を読みました

初版は1979年。私が生まれる前。
2024年のいま読んでも、おもしろい。

悲しむことは、簡単のようで、奥が深い。

悲しむこと。
自分の内側にある感情に気づき、味わい、受け入れること。

自分の内側にある感情。それは、見たくないもの、気づきたくないもの、受け入れたくないもの。いろいろある。

誰にだって、ある。私にも、ある。

内側(感情)を見なくても、外側(生活、仕事、健康など)に問題がなけ

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声を聴き、権利を守るために

声を聴き、権利を守るために

権利の話は、マジメで堅苦しくておもしろくない感じがするけれど、ほんとはとっても愛に溢れてる。権利を主張することは、わがままとか図々しいことじゃなくて、自分とみんなを大切にすることだ。

もちろん、主張が異なり、ぶつかることもあるかもしれない。それでも、どちらの意見も大切にされる。それが、権利を守られるということだ。

片方だけの声しか聴かれなかったら、不公平だ。その不公平が、日常で起きていませんか

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私には力がある

私には力がある

みんなに伝えたい事。
それは、自分を守る方法。

安全を確保し、つながり、自分には力があることを自覚すること。

それが、自分と大切な人たちを守るためにできること。

心的外傷は、すべての人に起こる可能性がある。
すべての人に関係があること。

心的外傷(トラウマ)は、心の傷。

知らないから、分からないから、誤解が生まれる。みんなが知って、あたりまえになれば、いい。

心的外傷(トラウマ)につい

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問いかけは、とらわれを解放し、こだわりを引き出す技術

問いかけは、とらわれを解放し、こだわりを引き出す技術

自分自身の問いかけに磨きをかけるためにできることを、備忘録的にまとめる。自分を閉じ込めている思考の枠を外すためにも、問いかけを使いこなしたい。

1.「こだわり」と「とらわれ」こだわりを見つけて、育てる。
とらわれを疑い、問い直す。

大切にしたい価値観は、こだわり。
新たな発想を阻害するのは、とらわれ(固定観念)。
自分の当たり前を、問い直す。

こだわりの確信は、とらわれの始まり。
常に自問自

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「思考の整理学」を読みました

「思考の整理学」を読みました

「思考の整理学」は、自分で考える方法を提案してくれている。これらが唯一の正解ではない。こんな方法もあるよ、と教えてくれている。この本を読むだけで、すぐに考える力が養われるわけではない。でも、意識せずに行っている思考の経過を、こんなことしてるかも、と整理される。こんなことしたことない、と新たな手段も得られる。とてもおもしろい。

自分で問題提起して、自分で解くから面白い。

思考の整理に役立つことを

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「カウンセリングを語る」を読みました

「カウンセリングを語る」を読みました

この本の原版が刊行されたのは、1985年。およそ40年前。当時と変わったこともあれば、変わらないこともある。

今の私に必要なことを、まとめてみる。

1.待つ【カウンセラーの3つの条件】
 (1)無条件の関心
 (2)共感
 (3)自己一致

だけど、これがむずかしい。修練に修練を重ね続ける必要がある。終わりはない。

会って、時間をともにする。

そこにいること、できているか。
自分だけ、別の

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ヨンシーと弥勒と恵みの雨

ヨンシーと弥勒と恵みの雨

臼太鼓(ウスデーク)について興味を持って調べていたら、富盛出身のHさんが、富盛字誌を読ませてくれた。分厚い冊子だけれど、富盛の文化が記されていて、とてもおもしろい。全部を読むのは難しかったので、臼太鼓に関連する箇所を読む。

(1)ヨンシー富盛(ともり)の十五夜行事では、女行列をヨンシーと呼ぶ。

もともとは、富盛地区の南(フェー)と北(ニシ)の対抗意識が強く、「クバイムン(各演目の配役や役割分担

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臼太鼓(ウスデーク)

臼太鼓(ウスデーク)

先日、波止場書房に訪れたお客さんたちが、沖縄の女踊りについて話していた。聞きなれない言葉は、聞き取れないし、覚えにくい。

それは、ウスデークだった。

ウスデークって、なんだろう。
沖縄市立図書館へ行き、調べてみることにした。

1.臼太鼓(ウスデーク)についてウスデークは、臼太鼓のこと。臼=ウス、太鼓=デーク。漢字と音が結びつくと、記憶に残りやすく、イメージしやすい。

ウスデークは、沖縄各地

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MBAとMFA

MBAとMFA

「The MFA is the new MBA」MFA=芸術学修士は新しいMBAである。

と言われているらしい。

MBA=経営学修士。経営学を学んだ人。
(Master of Business Administration)

MFA=芸術学修士。アートを学んだ人。
(Master of Fine Arts)

読まずに放置していた2冊を読んでみた。

(1)MBAの本MBAは、働くときの共通

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「発達障害の人には世界がどう見えるのか」を読みました

「発達障害の人には世界がどう見えるのか」を読みました

「なぜ?」

何に困っているか。
それが分かれば、できることが見えてくる。

「なぜ?」が分からないと、人は不安になる。

「発達障害者の方々の知覚の『なぜ』を明らかにすることで世の中に貢献したい」と思った著者。

発達障害について、ひと言で説明することは難しい。それは、ひとりひとり特性や困りごと、体験している世界が異なるから。

そして、発達障害は、脳機能の特性によるもの。
本人の性格や人間性に

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なんとなく、を感じる

なんとなく、を感じる

「傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング 感じる・話す・聴くの基本」を読んだ。

大学生の頃、受けていたカウンセリングのなかで、フォーカシングを体験した。先生は、わざわざフォーカシングの説明はしなかったけれど、からだに感じる感覚や違和感の声を聴くことを促し、導いてくれた。この時の経験から、私はからだの声を聴くコツを練習できた。

カウンセリング中、話している最中に、喉がグッと締まる。喉に力が

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「ケーキの切れない非行少年たち」を読みました

「ケーキの切れない非行少年たち」を読みました

もやもやする。

読み終えた感想は、それだった。

私の勉強不足かもしれない。
付け焼き刃的にネットで検索してみる。
私の疑問を解決してくれる記事や、
データはすぐには見つからない。

認知機能を訓練する事で、伸ばす。
認知機能を向上させる。

それができたら、とてもいい。
その方法があるなら、とても知りたい。

知的能力に問題がなければ、
可能かもしれない。

だけど、知的障害や境界知能の場合。

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わたしにできることはなにか

わたしにできることはなにか

(1)「わたしは黙らない〜性暴力をなくす30の視点(著:合同出版編集部/合同出版社/2021年)」

「わたしは黙らない〜性暴力をなくす30の視点」には、信田さよ子さんをはじめ、森田ゆりさんや、上間陽子さん、伊藤詩織さんに山本潤さんなど、たくさんの女性達の声がまとめられている。

読んでいて、とても心強く、私も皆さんと同じように、女性たちの力になれる女性でいたいと思った。

もし、相談したい、と思

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「沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち」を読みました

「沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち」を読みました

沖縄の売春街。

浄化作戦により、真栄原新町もコザ吉原も、なくなった。けれど、たぶんいまもどこかで売春は続いている。

真栄原新町やコザ吉原だけでなく、私が知っている地名(勝連半島など)にも、かつて売春地帯があったことが書かれていた。

特飲街や社交街と呼ばれる街の形態をとっていなくても、売春は町のなかにあった。

それは、生きるため。

「生きていくために売春することの何が悪いか」

何も悪くな

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