教団X | 中村文則 | ☆☆☆☆☆

久しぶりの☆5つです。
ストーリーの構成。よくここまで書いたねという羨望。キャラクターの濃さ。の辺りから。まぁ、一番デカいのは読んでて面白いと感じたことですけど。
最初のうちは、セックスの描写がめちゃくちゃリアルで、しかもエロ本っぽい温度感?というか、卑猥さが際立っていて、なんかアレだなぁ、読むの微妙だなぁと思っていたんですけど、読んでいくうちに、そういうことはどうでも良くなっていました。
そうい

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純文学とは刹那。リアリティ。

『窓の魚/西加奈子』。
ああ、そうそう。だから西加奈子さんが好きなんだよーって改めて言いたくなる本。

「小説にはリアリティがない」という人も世の中に時々いるけど、そういう人はもしかして、物事に起承転結を求める人なんじゃないかなと思う。

私は本当の純文学とは、この上ないリアリティだと思っている。

ページをめくるその一瞬一瞬、刹那。現実。

リアリティ。

音楽も文学も、一瞬一瞬が人の数だけある

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何もかも憂鬱な夜に | 中村文則 | ☆☆☆☆

何から書けばいいのか。

全体的にネタバレします。ご注意ください。

死ぬことでどうのこうの

まだ、中村文則は3作品しか読んでおりませんけど、避けられない死とか、圧倒的に勝つことの出来ないものと対峙する人の事を書くのが好きなのかもないという点。
生死を彷徨う大病とか、死刑とか、その先には死ぬことしか待っていないような状況で人間は何を思い抱くのか。
絶望する。鬱々とした気分のまま、死ぬことを待つ。

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【中村文則 教団X OK】純文学とエンターテイメントと中村文則。作品は、作家の自慰の産物

ぱらぱらと文芸誌を眺めることはあったが、
ひとりの作家をデビュー作から系統立てて読んだのは、久しぶりだった。
中村文則「教団X」は、賛否両論。
・お前の自慰なんか見たくない
・女をバカにしてる
・悪文だ ets…など、叩かれていたが、

純文学作家は、自分の自慰行為をぶちまけることこそ意味がある。
俺は純文学作家の『存在価値』だとすら思っている。
もちろん、自慰行為そのものを書くことではない。
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ありがとう。
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悪意の手記 | 中村文則 | ☆☆☆

結局、人に恵まれるかどうかで、人って変わっていくのか。

全体的にネタバレします。ご注意ください。

一度死んでいる

大病を患い、生死の縁をさまよった主人公。

あれですね、そういう人ってどっちかなのかなと思いますね。めっちゃ、生きてやろう、って言う人と、もうダメだ、なにがあっても生きていくことはできない、と言う人。

彼が、自殺に踏み切らなかったのは(2回失敗したけど最終的には死んでない)、周

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あなたが消えた夜に | 中村文則 | ☆☆☆

中村文則、初めて読みました。
人気がある理由が、ちょっと分かった気がします。

登場人物の適切な人数

私には多かったなぁ。頭があんまよくないので、多すぎると、あれ、この人誰だっけ、ってなっちゃうんすよね。
めぐみを巡る人たちの物語、と一言で片付ければそう言えるんですが、それにしてもいろいろ複雑なシーンが多かった。もうちょいシンプルなものが良かったなぁ。
いや、これ、私が頭悪いっていうのを如実に表

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7. 小説・映画「銃」

小説家中村文則さんの2002年デビュー作「銃」を2年前に読み、最近はその原作を2018年に映画化した作品を観た。その考察・感想を書いた。

〈あらすじ〉
昨日、私は拳銃を拾った。これ程美しいものを、他に知らない―。ある夜、死体の傍らに落ちていた拳銃。それを偶然手にした私は、次第にその“死と直結した機械”に魅せられていく。救いのない孤独と緊張。膨らみを続ける残酷な妄想。そしてその先には、驚愕の結末が

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遮光

今日、いや、正確には昨日かもしれない。
まぁそんなのはどうでもイイことで、とにかく風呂場の照明が壊れた。何かの隠喩みたいに点けても消しても何の反応も示さなくなった。
仕方がなく風呂場のドアをあけ、リビングの灯りを頼りに足場を確認しながらゆっくりと湯に浸かる。
湯に浸かりながら数十分、時には数時間本を読む。僕の1日はこうやって終わる。
最近の小説はつまらないなと思う。僕がつまらない人間になったのか、

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憂鬱な夜に教えてもらったもの 〜『ゆくえ』 あとがき & 制作動画〜

まず、昨日アップした短編小説「落ちる」のあとがきを綴る前に、ちょっとだけ彼についてお話させてほしい。私が世界で一番尊敬している作家、中村文則さんだ。

(顔写真が出るので新潮社の方のプロフィールを拝借いたしました)

彼の本との出会いは、私が大学生の頃。そう、うつ状態が酷く、孤独に苦しんでいたときのことだった。

一時的に実家に連れ戻されていた私は、実家から大学に通えということで毎朝電車に乗って大

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「あなた」を読みにいきます😌
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抑え込まれた欲望に魅了される📖私の消滅と塩田千春さん

先日、塩田千春展へ行った時、森美術館の書籍コーナーで、ふと惹かれた一冊📖

塩田千春さんの「トラウマ/日常」という作品が表紙となっていて、こんな出会い方で 読む一冊を選ぶのは初体験。

「記憶とは?」「人格とは?」と撹乱させられる、何とも覚束ない脳のカラクリで成立されたミステリー👁
語られる一人称に、感情移入先が混乱します👥

以前読んだ、中村文則さんの「去年の冬、きみと別れ」も思想の歪んだ

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