ヤミ

暗闇の中で掴んだ気がしてた希望は全部偽物でした

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暗闇の中で掴んだ気がしてた希望は全部偽物でした

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ねぇ、神様

悲しみだけが残ってる部屋の中 母は今日も泣いている 外から聞こえる楽しそうな笑い声 家の中悲しみだけが溢れている ねえ神様なんで あの子たちだけ楽しそうに笑ってるの? 愛し方なんて誰も教えてくれなかった ねぇ神様見ている?この結末を ねぇ、神様。余所見しないでよ どうせ上から笑っているんでしょう 知っていたはずなのに あなたは誰にも微笑まないと 天国なんて、いらない だから早く、私を助けて。迎えに来てよ 「助けて」が最後の合図  死神でもいい、天使でもいい 早く私

    • 感情のない世界

      つまらない=面白くない と決めつけるのは違うような気がするのです つまらないと思っていたものも時間が経てば 面白いと思える瞬間だってあるかもしれない 私が面白いと思わなかっただけで、他者から 見たらとても面白いと言われていたり(逆も) 好き、嫌い、合う、合わないがあるので、 一概に違うとも言い切れないのですが。 例えば「面白い」という感情のない世界では、 娯楽はどのようなものになっているのでしょう つまらないと見向きもされないのか、それとも 何か、別の感情が基盤となり

      • 世間話という拷問

        世間話ほど 優しさを向けられているつもりの拷問はない。 恋愛 仕事 趣味 人生  誰もが普通に持っていると思われていて、 どう足掻いても、逃げられない攻撃が続く 貴方の人生に関係のない私を知らないでほしい。 そんなことを思いながら、目線を合わせられずに、少し遠くを見ながら、愛想笑いを繰り返している 普通も、可哀想も、大丈夫も、 誰かのものさしで決められることではないのに、 勝手に決められてしまう。あまりにも残酷 そう言う自分はどうなの? 昔、好きだったバンドが、いつ

        • うつくしい世界

          この夏愛で救われたはずの地球で誰かが死んだ 今週最も聞かれた曲は私を救ってくれはしない 出生率の議論で今日の自殺者数には目もくれず 10桁の番号最後に伝えて優しいふりする箱の中 いつからこんなふうになった 歯が溶けていく夢を見たんだ 電話の音すれ違う人の笑い声 全部自分を殺す凶器みたいで 皆こっちを見ながら笑ってる 苦しくても辛くても絶対に生きなきゃダメだと 感じさせるこんな世界を平和だと笑う人がいる テレビのいじめ報道に可哀想だと言う母の言葉 夜壁にもたれてひとり声も上

        ねぇ、神様

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        • 5本
        • 独り言
          7本
        • 短歌
          12本
        • 俳句
          5本

        記事

          私の好きな本10冊

          自己紹介というものが苦手なので、 好きな本を並べていこうと思います 身の上話より、影響を受けて育ってきたものを 知る方が人間性が垣間見えるような気がするので 1.中村文則『迷宮』 中村文則作品は全て読んでいるくらい好きなのですが、特に迷宮が好きです 互いの闇と、性と死が呼応しているような歪さ 今にも壊してしまいそうな、壊れてしまいそうな 狂気を、不安を、抱えながら生きているふたり 静かに人間の内面の陰鬱さを書く中で 優しい明るさも与えてくれるような作品 「本当の賢さと

          私の好きな本10冊

          普通に生きてみたかった

          小学生の頃に書いたプロフィール帳 結婚したい年齢もとっくに通り過ぎてしまった 子供の頃思い描いてた大人はこんなんじゃなかった 何者かになりたかった いちばんにならなくても、一度くらい誰かに認められたかった。必要とされたかった。 好きだった音楽も聴く気になれず、眠るだけの日々と眠ることすら怖い日々の憂鬱を繰り返している 夢は叶わなくていいから せめて、普通に生きてみたかった 過去の思い出  今の人間関係  堅実的な未来 そんなことばかり話して終わる  なんで30歳?そこ

          普通に生きてみたかった

          自分のことなんて、自分でも分からない

          昔から、自分の話をすることが好きじゃない 自分に興味のある人なんていないと思っていたし、誰かに内面を理解されることが怖かった 自分のことなんて、自分も分からない 自分がなにを考えているのか、なにをしたいのか、よく分からずに、たまに後ろで、もう一人の自分が私を見ているような感覚で過ごしている 誰といる時もずっと聞き役、同調するだけ 誰かの傍観者として生きてきた。今も、ずっと 誰かに必要とされることよりも、 誰にとっても無害な人間でいることを意識した 「優しい人」その肩書

          自分のことなんて、自分でも分からない

          詩:05「ページをめくる」

          真っ白なページに書かれ続けた 端から端 鳥と人間と戦争 ページをめくっても答えは書いていない 優しい君が生きたくないと言う つまらない話をしよう すぐに忘れてしまうような意味のない話 生活の中にいらないものを増やすように 夢を見ることで行き着く先は? 行き詰まった日々に ただ通り過ぎていく8月の風 私のための歌が聞こえる 少し溶け始めたバニラアイスの味 5月の空が青かったとか そんな話がしたいわけじゃない 守れない約束ばかりが増えていく 空白を埋めるように

          詩:05「ページをめくる」

          詩:04「parade」

          一斉に放たれたスタートの合図 意味のない怒号が飛び交う 音を立てながら転ぶ缶コーヒー ふるい落とされた僕みたいだ 皆遥か遠い先を行く追いつけないスピードで 一人取り残されたままゴールはまだ見えない 転落していく先に 前を向ける日は来るか? 欲しいものは手に入らない 満たされない感情今ここで捨ててしまえたら 歓声が鳴り響く ここは酷く惨めなパレード 誰もなにもわからないまま  取り繕って生きている ひび割れた仮面の下を 見えないように誤魔化しながら いつかは終わるそう言

          詩:04「parade」

          短歌12: 「こんな世界で」30首

          暗闇に見える光のようなもの希望も闇に逃げたっていい どうしても生きたい理由は見つからず死にたい理由もまた見つからず 目の前の誰も救えず泣いている神様に差し出したハンカチ 大丈夫ナイフで刺せば血が出るし殴れば歯とか抜けるよあいつも せめてもの抵抗無言で舌を出すマスクの中はいつも強気だ 「あこもこばりぐだめぐな」と祖母が言う分からないけど頷いておく 味のないガム、溶けたチョコ、結末に意味のないことなんてないんだ 破滅へと導くためのアルコール悲鳴を上げる身体と心 あ

          短歌12: 「こんな世界で」30首

          俳句05:「繰り返す孤独」20句

          見飽きたの葉桜君の横顔も たんぽぽは踏み潰されたけんけんぱ すり減った心の数だけ剥くアスパラ 春まけて通学帽が並ぶ朝 心中は未遂に終わり三冬尽く 夕焼けは誰のものでもありません 誰からも好かれていないあの金魚 助走つけ踏み込む初夏を飛び越へて おぼろげな紫陽花目には涙落つ サンダルを投げ捨て少女何処へゆく 袖口を林檎の如く齧りけり ふみつぶす銀杏わざと子は笑ふ 秋の蝶逃げ道もなくたぐるやう 哀蚊や孤独を何度繰り返す 帰り道月は慰め方が下手 あの雪

          俳句05:「繰り返す孤独」20句

          俳句04:「いつか咲くまで」30句

          泡立てる卵に殺意一欠片 拝啓をつける間もなく花は葉に 長閑さとねむたさ混ぜる朝の匙 飛花落花誰も気づかぬ爪の色 花曇りマスカラを塗る誰のため あの日々と違う香水すれ違う 木の芽時雁字搦めの日々だった 彷徨った如月声もあげず泣く 五月闇わたしを守る傘がない 蝉の声だけが聞こえる暗い部屋 ソーダ水飲み込む言いたいこと全部 塗りたくる苺ジャムまだ怒ってる 向日葵になりたい少し大きめの この海は誰を救って生かすのか 砂の城攫われるのをただ見てた キャミソ

          俳句04:「いつか咲くまで」30句

          短歌11:「ひとり彷徨う」30首

          広告に「楽しもう!」とか書いてある電車でみんな死んだ目してる  気づいたら死んでたくらいの感覚で生きてみたいし死んでもみたい 帰り道知らない道を曲がるもうどこにも行きたくないはずなのに 丁寧な暮らしばかりが溢れてるタイムラインに殺される朝 沸々と小さな怒り沈めてくいちごがジャムになるのを見てる 悲しみは悲しみでしか救えない明るい歌は誰かの凶器  吾輩は猫になり寝るだけでいい 生活求む 名前はいらぬ 虫、怖い、雷、怖い、死が怖い、なにもないこの末路

          短歌11:「ひとり彷徨う」30首

          短歌10:「憂鬱な帰り道」30首

          なんとなく死にたくなった帰り道ネクターのない自販機に闇 まだ泣いてないから皆気づかないわたしがとっくに限界なこと 辛いなら頑張らなくていいなんて誰も教えてくれなかったよ いつだって思ったことが顔に出る下手な生き方だけは上手くて 青春の抜け殻ばかり落ちている巣鴨駅前セブンイレブン 帰り道コンビニで買うロング缶1駅分の逃避行です 憂鬱と歩いて帰るこの街は今日も誰かの心を殺す 悲しみに不安な日々に高層ビルに潰されそうな夜でした 叶わない夢だと知ったあの時に大人になっ

          短歌10:「憂鬱な帰り道」30首

          短歌:09 自作テーマ5首

          最初からなにもなかったぼくたちは最後までまた被害者ぶって 絶望はいつだってすぐそこにあるゴミ捨て場には誰かの涙 ねえなんで誰も教えてあげないの神は誰にも微笑まないと 逃げ出そう安心できる居場所などないけど怖いことなどないよ マネキンは私ではない試着室なんか違うが何回もある

          短歌:09 自作テーマ5首

          俳句03:「水泡に帰す」30句

          クラス替えひとりがふたり浮いている 春の風悲しみ連れていってくれ 春の闇、憂鬱、明日がもう今日に 誰だって春が好きだと思うなよ 春時雨 震える瞼に光るラメ 桜花迷いも全部酔いに消え 楽しいの対義語は夏嫌いな日 すぐに死ぬ蝉ですら泣く死にたいと 逃げ惑う金魚を笑ういじめっ子 生きるのは下手でもラムネ開けられる 感情を殺すためにある生ビール 射的屋で嫌いなあいつ浮かべ撃つ 月兎、餅を捨て行く労基へと 秋あわれ真夜中なにもかもつらい 彼岸花こころちぎれる

          俳句03:「水泡に帰す」30句